遠藤保仁、ガンバ大阪退団の可能性

もちろん最終的には本人の決断次第でしょう。ヤットさんはずっと好きな選手ですし、ガンバでの活躍をいつまでも見ていたいという気持ちも強いんですが、これはこれであり得る話だと思っています。

トップチームが強くあることはもちろん最大の希望で大前提です。ただ、多数の選手を輩出してきたユースチームと、ガンバでの経験をその後のキャリアに生かして世界や国内の各地で活躍し続けている数多くの選手の存在は、ガンバ大阪のサポーターとして胸を張って誇りとできるところだと思っています。

ガンバ大阪の選手一覧 - Wikipedia

例えばV・ファーレン長崎にヤットさんが移籍するようなことがあれば、長崎の試合の観客動員でもマスコミの注目度でも、その効果は絶大なものになるでしょう。選手のタイプは違いますけど、新庄剛志日本ハムファイターズに入団したときのようなムーブメントを想像してしまいます。

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遠藤契約1年残しG大阪退団も 若手台頭で出場減少
[2017年11月15日8時0分 紙面から]

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9月、ルヴァン杯神戸戦でフリーキックからゴールを狙うG大阪MF遠藤

 ガンバ大阪の元日本代表MF遠藤保仁(37)が、今季限りで退団する可能性があることが14日、分かった。契約は18年まで残っているが、出身地九州のクラブで来季のJ1昇格が決定した長崎と福岡、99年から2年間在籍したJ2京都が違約金の支払いも含めて獲得調査に乗り出している。

 遠藤は01年に京都から加入。入団以降はG大阪が獲得した全9タイトルで中心選手として貢献した。05年に初タイトルとなるJ1制覇、08年にはACL優勝に導き、MVPも獲得した。12年にJ2降格が決定した際は即残留を表明し、1年での昇格に尽力。14年度には国内3冠を達成し年間MVPに輝き、15年度も天皇杯連覇といずれも主将としてけん引した。背番号7を背負い、日本代表では国際Aマッチ歴代最多152試合に出場。W杯に3大会連続で出場したクラブの顔だ。

 だが、今季はMF井手口ら若手の台頭やコンディション不良などで徐々に出場時間を減らし、ここまで28試合1得点。シーズン中盤にはベンチを温めて出番がない時もあった。新監督就任が決定的となっているレビークルピ氏(64=ブラジル)は若手を積極的に起用する方針で、来年1月で38歳になる遠藤はより激しいポジション争いにさらされることが予想される。そこで経験値を求める長崎や福岡、京都が調査に動きだした。

 それでも年齢を重ねたとはいえ、クラブにとって絶対的な存在。今後、残留するか、退団するのか、両者による話し合いが行われる見込みで、G大阪のレジェンドの去就が注目される。

 ◆遠藤保仁(えんどう・やすひと)1980年(昭55)1月28日、鹿児島・桜島町(現鹿児島市)生まれ。鹿児島実高から98年横浜F入団。京都を経て01年G大阪移籍。J1通算565試合101得点。日本代表では02年11月20日アルゼンチン戦に初出場。W杯は06年から3大会連続メンバー入り。国際Aマッチ歴代最多出場の152試合15得点。178センチ、75キロ。推定年俸1億5000万円。

https://www.nikkansports.com/soccer/news/201711150000084.html


追記:日刊スポーツは引き続き長崎からのオファーの見通しを報じていますが、現時点のヤットさん自身の意向は残留にあるようです。

G大阪遠藤にJ1昇格長崎から近日中オファーも
[2017年11月16日5時5分]

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G大阪MF遠藤(2017年10月2日撮影)

 ガンバ大阪MF遠藤保仁(37)に対して、来季J1に昇格するV・ファーレン長崎から近日中に正式オファーが届く見通しであることが15日、分かった。

 古巣のJ2京都サンガFCやアビスパ福岡も調査を進めている。

 今季限りで退団する可能性が浮上した遠藤はこの日、大阪・吹田市内で「クラブとは契約が1年残っているし、それしか言うことができない」と話すにとどめた。

 来季監督として基本合意したレビークルピ氏は若手を積極的に起用する方針で、出場機会が減っている遠藤にとって厳しいポジション争いが予想される。今後は違約金のかからない期限付き移籍の可能性も含めて、本人の決断に委ねられる。

https://www.nikkansports.com/soccer/news/201711160000004.html

遠藤保仁が新監督就任内定のG大阪残留を明言 「新しい刺激を受けるのは良いこと」

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©Getty Images

元日本代表のMF遠藤保仁が、ガンバ大阪を退団する可能性があると一部で報じられた。G大阪とは2018年までの契約を残しているものの、J1昇格決まったV・ファーレン長崎をはじめ、複数のクラブが国際Aマッチ歴代最多の152試合に出たゲームメイカーの獲得に動いているという。遠藤は次の1月に38歳となる。キャリアの晩年に差し掛かっているベテランMFは、自身の2018シーズンをどこで過ごそうと考えているのか。退団報道が出た直後、本人を直撃した。(文=飯間健)

J1昇格の長崎は遠藤の獲得に前向きも…

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©Getty Images

今年もまたサッカー界が過熱する季節がやってきた。選手の契約更新や移籍などについての話題で盛り上がる、俗にいうストーブリーグの時期である。選手や監督の入れ替わりが激しいサッカー界ならではの風物詩だが、信憑性の疑わしい噂話からサプライズ移籍まで、報じられる記事の中身は千差万別。読者の関心は高く、我々記者も力の入る時期だ。そんな晩秋、目を見張るようなニュースが飛び込んできた。

遠藤保仁G大阪退団の可能性――。

15日付の一部スポーツ紙でセンセーショナルに報じられたが、結論から言う。遠藤保仁は来季も青と黒のユニホームを身にまとう。まだ契約更新をしていないため、大どんでん返しが起こり得ないとは言いきれないが、2018年シーズン末まで契約を残しているG大阪のレジェンドがクラブを去る確率は現状、「0%」である。

あくまで私個人の取材ではという注釈付だが、某スポーツ紙の報道で正しかった部分が一部ある。それは来季J1に昇格する長崎が遠藤の獲得に興味を持っていたということだ。違約金を含めて、1億円超の年俸を支払う意思もある――。そういう情報は私の下にも入っていた。そのため、退団報道が出る前、遠藤本人に長崎からの接触について取材していた。

そのとき、彼は「何も聞いていない」といつも通りマイペースの返答をしていた。食い下がり「正式オファーが来たら検討するか?」と突っ込んだ。遠藤は少し考え「代理人や家族とも相談しながらですけど……。まあ断るとしても、すぐには断らない」と返してきた。〝断る〟というフレーズ。この時点でレジェンドが今、環境を変える気持ちが薄いことを察した。そして報道が出た15日、あらためて問いただした。「クラブとも契約が1年残っている」と口にした彼に大阪を離れる気持ちは、やはりないようだ。

「来年はメンバーもスタッフも多少なりとも代わる。新しい刺激を受けるのは良いこと。サッカー人生で色んな人と会って、色んなサッカーを学べる楽しみもある。5年間、長谷川監督とやって、また違う監督が来る。より大きなビッククラブになるためには、違うスタイルを付け加えつつ、数多くのタイトルを獲得することが絶対に必要。楽しみです」

G大阪でも得られる『新しい刺激』

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©Getty Images

もちろん、他クラブへ移籍した方が、より多くの「新しい刺激」を受けることはできるだろう。だが、まもなく38歳となるベテランにとって、環境を変えることが必ずしもプラスに働くとは限らない。01年から17シーズンを過ごしてきたクラブを離れることは、同時に慣れ親しんだ環境や生活を捨てることも意味する。また、もし大阪に家族を残して単身赴任することになるのであれば、サッカー選手としてだけではなく、家族との過ごし方も変わってくる。

昨シーズン、元日本代表MF中村俊輔ジュビロ磐田に移籍したことが話題となったが、クラブに対する不満が大きかったからこそ、普通ではあり得ないレジェンド的選手の移籍が成立した。しかし、上記のコメントを見てもわかるように、遠藤はG大阪に対する不満を持っていない。

むしろ遠藤の視線は、すでに来季のガンバ大阪へと向いている。今季はすでにすべてのタイトル獲得の可能性が消失し、2季連続で無冠という苦汁を味わった。今季限りでの退団が決定している長谷川健太監督(52)に代わり、来季はレヴィー・クルピ氏(64)の就任が内定済み。今シーズン残り3試合に集中する構えを見せつつも、創造性を重視するブラジル人監督の下でサッカーができる喜びも隠さない。

もちろん、クルピ氏のサッカーにも遠藤は不可欠なパーツだ。クルピ氏がC大阪を指揮した当時、中盤の底のボランチと呼ばれるポジションには、羽田憲司シンプリシオ、山口蛍といった守備能力の高い選手と、マルチネス扇原貴宏ら展開力のある選手を並べることが多かった。今季の遠藤は、トラップミスやパスミスが目立ち、デュエルにも物足りなさを感じさせ、高いパフォーマンスを発揮できたとは言えない。それでも、味方からは「ヤットさんがいれば相手の急所を突く縦パスがスッと入る」と言われ、相手チームからすれば「攻撃のときも守備のときも、とても嫌なポジションを取ってくる選手。やりづらい」と畏怖される。目に見えない戦術眼や流れを読む能力は今でもJ屈指だ。若手ではU-20W杯で活躍したMF市丸瑞希が控えているとはいえ、来季は攻撃の起点として〝自由〟が与えられることが濃厚な中、マルチネスや扇原のような役割を担うことになるのは遠藤だろう。

もう一つ、遠藤が残留する大きな根拠がある。来年、ロシアで開催されるW杯だ。06年、10年、14年のW杯を経験している遠藤は、「滑り込み、狙ってますよ」と口にしており、自身4度目のW杯出場をあきらめていない。欧州遠征を行った日本代表にも、G大阪からは倉田秋井手口陽介三浦弦太東口順昭の4選手が選ばれている。滑り込みで本大会のメンバー入りを目指すのであれば、彼らとともにプレーしていた方が、ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督の目にも留まりやすい。

ただ遠藤が永久的に青黒のユニホームを着て、ピッチを走り回ることはありえない。別れの時は、いつか必ずくる。遠藤というレジェンドの退団報道が出たというのは、その甘美な時間が残り少なくなってきている証左でもある。今後、さらに過熱していくであろうストーブリーグで、クラブは早急に〝ポスト遠藤〟を見つけなければならない。遠藤とともにプレーすることで、その選手が学ぶことも多いはず。この〝ポスト遠藤〟を探る旅も、今季のストーブリーグの大きなテーマになりそうだ。

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