医学部入試不正への対応:東京医科大と順天堂大の説明

他大学でもいろいろあるのは承知しているのですが、とりあえずこの二件、これでどう正当化できるのか、私の頭では理解不能です。後学のためにクリップしておきますが、後々こんなのを振り返って読み返す必要がないように変わってもらいたいですよ。

てか、東京医科大のこれは、「受験生の気持ち」を云々する以前に、合格最低点を上回る受験生を恣意的に不合格にしてて、入学試験としての公正性が崩壊してますやん。依然として。

5人が再び不合格に 東京医科大の入試不正
円山史、土居新平 2018年12月8日13時00分

f:id:bluetears_osaka:20181211091637j:plain:left 東京医科大は7日、2017年度、18年度の入試で不正に不合格とされた受験生101人のうち、44人(男子15人、女子29人)の追加合格を認める一方、入学を希望した女子5人を改めて不合格にしたと発表した。同大は5人を再不合格とした理由を「定員に達した」と説明しているが、受験生の保護者は「受験生の気持ちをくみ取ろうとしなかった」と批判している。

 同大は、女子や浪人年数の長い受験生の得点抑制や、特定の受験生への加点といった不正をしてきた。両年度について再判定した結果、101人が当時の合格ラインを超え、入学の意向を確かめたところ49人が入学したいと答えた。

 ただ、同大は、一般入試、センター試験利用の一般入試、推薦入試の区分ごとの募集定員から、再判定でも合格した「正規合格」の在校生を引いた数を追加合格の「上限」とした。この結果、18年度の一般入試は29人(男子7人、女子22人)が入学を希望したが、24人目までしか入学を認めず、女子5人が再び不合格となった。

 同大は、センター試験利用を含めた19年度の一般入試の募集定員について、予定していた計90人から追加合格者分を引いた46人とする。追加合格となった44人は来年の他大学の入試結果によって辞退できるが、その場合の繰り上げは再不合格とされた5人ではなく、19年度入試の受験生から出す。

 大学に慰謝料などを求めている女子受験生らを支援する「医学部入試における女性差別対策弁護団」は「不合格とされた5人は、大学側の不合理な差別が発覚した後もなお大学側の都合を優先する扱いに振り回された。その痛手は計り知れない」などとするコメントを公表した。大学側が「第三者委員会の結果を待つ」としている補償についても、「速やかに示すべきだ」とした。

 柴山昌彦文部科学相は7日の閣議後会見で、「不安定な状況におかれた上に不合格となった人がいるという結果は大変残念」とした上で、「(大学の)判断を尊重したい」と述べた。各大学の医学部入試を調べている文科省は、不正があった場合は自主的に公表するよう求めている。8日には岩手医科大、金沢医科大、福岡大が記者会見を予定するほか、週明けには順天堂大が第三者委員会の調査結果を公表する方針だ。

「受験生の気持ちをくみ取ろうとしていない」

 東京都内の40代女性は7日、浪人中の長女(19)について、東京医科大から速達を受け取った。

 「封筒が薄いから、だめかもしれない」と思いながら開封すると、中には「合否の再判定の結果について」のA4判の紙。ただ、はっきりとは書いておらず、「今回頂戴(ちょうだい)したご希望には沿えない結果となりました」という部分まで読んで初めて、再不合格だと分かった。

 予備校で勉強中の長女にはLINEで「東医だめでした。前進あるのみ」と伝えた。ニュースで知ったのか、「5人しか落ちていないんだね」とだけ返信があった。

 午後10時過ぎに帰宅した長女は取材に「5人なら合格させてくれてもいいじゃないか、と思ってしまった」と話した。「一度は、去年の努力が無駄じゃなかったと思えた。でも、センター試験の1カ月前になって再不合格とされた。大事な受験の時に、気持ちをゆさぶられたくなかった」

 女性は、東京医科大が11月に開いた説明会にも参加した。泣きながら質問する受験生の姿もあったが、「大学側は同じ内容をオウムのように繰り返すばかりで、受験生の気持ちをくみ取ろうとしなかった。今回もこの文書だけです」。

 入学意向確認の文書が届いた時には「(長女は)動揺や困惑があったと思う。少し浮足立ってもみえた」。だが今は「ふざけるな、という怒りもあるだろうけれど、東京医科大より絶対上に行くんだという思いで頑張ろうとしている」と話す。

 女性の夫は「5人を合格させれば、せめて少しは東京医科大のイメージを挽回(ばんかい)できただろうに」と皮肉った。「裏口入学や不正な加点で入った学生をそのままにして、受かっていたはずの学生をまた落とすことは、ウミを出すことにならない」

 合格した受験生も複雑な思いだ。20代の女性は7日、「合格通知書」を受け取った。「ほっとしたというより、5人が落ちたと聞いて、その子たちに申し訳ないです」と話した。現在は国立大をめざしており、受かったら東京医科大の合格は辞退するつもりだ。「大事な時期に振り回された。大学は責任を取り、せめて辞退者の分は入学希望者から出してほしい」

https://digital.asahi.com/articles/ASLD83HN3LD8UBQU001.html

順天堂大のこれは、もはや何を言っているのか意味不明ですし。「女子受験生の点数を一律に切り下げていたこと」をこれで正当化できると、本気で思っていたんでしょうか。

順大入試、女子を一律に減点「コミュ力が高いため補正」
増谷文生 2018年12月10日17時43分

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会見を終え、席を立つ順天堂大新井一学長(右)と代田浩之医学部長=2018年12月10日午後5時40分、東京都文京区、西畑志朗撮影

 順天堂大(東京都)は10日、医学部入試をめぐって設置した第三者委員会から「合理的な理由なく、女子や浪人回数の多い受験生を不利に扱っていた」と指摘されたと公表した。特に面接などが行われる2次試験では「女子はコミュニケーション能力が高いため、補正する必要がある」として点数を一律に下げていた。大学によるとこの結果、2017、18年春の入試では計165人が不当に不合格となった。大学はこのうち、2次試験で不合格となった48人(うち女子47人)を追加合格にする方針という。

 第三者委の報告書によると、女子を不利に扱っていた理由を順大の教職員らに聞き取り調査をしたところ、①女子が男子よりも精神的な成熟が早く、受験時はコミュニケーション能力も高い傾向にあるが、入学後はその差が解消されるため補正を行う必要があった②医学部1年生全員が入る千葉県印西市のキャンパスの女子寮の収容人数が少ない――と説明があったという。

 第三者委は、①について「性別より受験生個人の資質や特性を重視すべきである」と指摘し、「合理性がない」と判断。②についても、女子寮の収容定員が大幅に増えても医学部の女子学生が増えておらず、合格者選考会議などで収容人数が特に審議されていなかったとして、「制限する合理的な理由はない」と結論づけた。(増谷文生)

https://www.asahi.com/articles/ASLDB5HDGLDBUTIL05H.html