去年のまだ暑い時期のことでしたが、あるお墓をたまたま目にしたんです。散歩の途中に。
なんでそんなところを散歩してたんだと言われても困るんですが、まあ、阪神武庫川線沿いを片道歩いて、帰りは武庫川団地前から電車に乗って帰ろうかと思ったんですよ。今まで歩いたことなかったから、それ以上は何も理由はありません。
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で、たまたま通りかかったここ、よく見ると不思議なことになっています。お墓のど真ん中を、阪神武庫川線が真っ直ぐ突っ切っているんです。
こんな形になっている事情は、掲示板を読むとわかりました。室町時代や江戸期の石像物も見られるというこの墓地、第二次世界大戦中に墓石をどけて線路を通すという乱暴な工事が行なわれて、今のように分断されてしまったのだとか。何ともまあ、無体なことをするものです。
武庫川の堤防と線路に挟まれた側は、窮屈そうに新旧のお墓や観音像などが並んでいます。
武庫川線は今でこそ武庫川団地前が終点になってますが、あの団地はもともと軍需工場で、そこへの輸送路線として建設されたため、住民への配慮もへったくれもない突貫工事で敷設されたようです。
1943~44年にかけて、軍の要請で、となれば、反対できるような雰囲気ではなかったのかもしれません。掲示板で見た証言も、呆れというか諦めというか、そんな感じですね。