春の近畿大会で彦根東がベスト4進出

おお、ちょっと目を離しているうちにそんなことに。春の滋賀県大会を制して、龍谷大平安を撃破、大阪桐蔭をあと一歩まで追い詰めるとは、彦根東、これは夏に向けて楽しみが増えますね。

彦根東の秀才左腕が龍谷大平安抑え2失点完投勝利
[2017年5月28日13時12分]

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彦根東の先発増居翔太投手(撮影・磯綾乃)

高校野球春季近畿大会:彦根東3-2龍谷大平安>◇28日◇1回戦◇大阪・舞洲ベースボールスタジアム

 彦根東(滋賀)が龍谷大平安(京都)を3-2で破り4強入りした。

 1回に2点を先制。2回表に同点に追いつかれたがその裏、スクイズ(内野安打)で勝ち越し。1点リードを先発した2年生左腕、増居翔太投手が守って逃げ切った。

 増居は強打の龍谷大平安打線をわずか2安打に抑える好投。4回以降は安打を許さなかった。

 「ボールが先行してまだまだ課題はあります。甘いところに投げたら打たれるので厳しいコースを突きました」と冷静に話した。

 本格的に投手を始めたのは1年秋から。当初は125キロ程度だった球速が冬の投げ込みで134キロまでアップした。

 彦根東滋賀県屈指の進学校。増居は文武両道を実践し成績も学年(320人)で「いい時で20番から30番くらい」と上位。京大進学を志望しているという。

 村中隆之監督は「増居が良く投げてくれました。立ち上がりが良かったので大丈夫だと安心しました。物おじしないで淡々と、ひょうひょうとプレーできる生徒です」と話していた。

https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/1831050.html

彦根東あと3人…大阪桐蔭追い詰めるもミスに泣く
[2017年6月3日18時48分]

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おしくも敗れた彦根東ナイン(撮影・磯綾乃)

高校野球春季近畿大会:大阪桐蔭4-3彦根東>◇3日◇準決勝◇大阪・舞洲ベースボールスタジアム

 彦根東(滋賀)はセンバツ王者の大阪桐蔭(大阪1位)を追いつめた。勝利まであと3アウトだった。

 強豪相手の作戦がはまった。先発のマウンドには左横手投げの原功征投手(2年)が立った。「まともにやっても勝てる相手ではない。変則のほうが意外と抑えられるんじゃないか」と村中隆之監督に2日前、初先発を告げられた。

 横手投げにしたのも、昨春の練習中に村中監督に「横で投げてみろ」と言われたことがきっかけ。「もともと肘を高く上げていなかったので、コントロールもよくなって、緩急も自在になった」と手応えを感じていた。

 この日の試合は初回に1点を失ったものの、その後は得点を許さず5回5安打1失点。「ストライク先行で、フライを上げてくれたのは理想的だった。予想以上にタイミングを狂わしてくれた」と強力打線と対当に渡り合った。「強いチームに投げられたことは、大きな財産になりました」と胸を張った。

 3人で継投し8回までリードを守ってきたが、9回に同点に追いつかれ一気に勝ち越された。村中監督は「継投も予定通り」と振り返る。滋賀大会ではセンバツ出場校の滋賀学園を倒し、近畿大会では1回戦で強豪の龍谷大平安に勝利した。この日も大阪桐蔭と善戦したが、「ミスをして勝ってるので、確信が持てない」と松永監督に笑顔はなかった。9回に先頭打者に二塁打を浴び、失策で三塁まで進めてしまったことを挙げて「気のゆるみです。『おまつりじゃねえ。勝つためにやってるんだ』と、あとで言うつもりです」と表情は厳しいまま。またここから、夏への戦いが始まる。

https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/1834481.html

彦根東?どこ?」という熊本の方は、「滋賀の濟々黌」と思っていただければわかりやすいかと思います。これで両校とも大阪桐蔭との因縁ができましたね。

高校野球滋賀・彦根東の夏初出場 - 大塚愛と死の哲学
敗れてなお人を魅了した濟々黌野球 - 大塚愛と死の哲学

5千人でまっ赤に染めたアルプス「かけがえのない時間」
2017年5月23日09時40分

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2013年 第95回大会 彦根東(滋賀)はアルプスをまっ赤に染め上げた。「井伊の赤備え」にちなんだTシャツには「赤鬼魂」の文字が入る=彦根東高提供

 彦根東(滋賀)のアルプスはまっ赤だった。2013年の第95回大会に初出場し、花巻東(岩手)と戦った。リードされて迎えた九回、2番手投手が3者連続三振を奪った。前列で仕切っていた野球部3年の応援団長、吉松元輝(げんき)さん(21)は、熱がピークに達したのを感じた。

 「自然とわき上がった『ウォー』という声で、背中が圧倒されたんです。震えました」。あの日を鮮明に覚えている。肩を組む生徒たち。卒業生も保護者も地元彦根の人たちも、「うるさいくらい」の声量を選手に届けた。「一つの場所で一つの目的に向かって、みんなが一つになる。あんなことは他ではまずないと思う」

 彦根藩の藩校にルーツを持ち、16年に創立140年を迎えた県立の進学校だ。選抜出場は3度あるが、夏が悲願だった。赤のTシャツは、武具を赤で統一した「井伊の赤備(あかぞな)え」にちなむ。背中には「赤鬼魂」の文字。試合前日、受験を控える3年生を含めて体育館に集まり、応援の全体練習までした。

 バスは66台。途中の名神高速のパーキングエリアをバスが埋めた。そして、5千人以上が集った。森下俊秀さん(20)は当時2年生の新聞部員。取材班のチーフとして野球部の一夏を追い、速報新聞「赤鬼の夏」を連日、発行した。試合は5―9で敗れたが、忘れられない夏だ。「野球の大会だけど、野球部ではないみんなもアルプスで一体となっている。幸せな気持ちになった。もっとあの時間が続いて欲しかった。自分にとってもかけがえのない時間でした」

     ◇

 その1年前の第94回大会で、アルプスを黄色で埋めたのは、済々黌(せいせいこう)。今年で135年の歴史を持つ熊本の県立校だ。「出てから長い済々黌」と言われ、卒業生の結束が強いことで知られる。

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2012年 第94回大会 黄色に染まったアルプスを背に、投球する済々黌(熊本)の大竹

 18年ぶり7回目の夏。関西地区同窓会の幹事長、本田重寿(しげとし)さん(70)のもとにはチケットを求める卒業生らの問い合わせが殺到した。チケットは譲り、自分は外野席から「お花畑のような」満席のアルプスを見た。「後輩たちがすごいプレゼントをしてくれた。単なるお祭りではない。お祭り以上の何かが、あそこにはありました」。鳴門(徳島)との初戦に勝ち、次は大阪桐蔭に敗れた。

 ホームグラウンドのように染め上げたり、鮮やかな人文字を浮かび上がらせたり。郷愁を誘うほどにふるさとのにおいが運ばれてくることもある。内野席の両翼に1929(昭和4)年に増設され、高くそびえ立つ様から、「アルプス山脈」に例えられたのが、その名の由来と言われる。そこは、球児でなくとも、夢中になれる空間だ。(竹田竜世)

http://www.asahi.com/koshien/articles/ASK4X460SK4XPTQP004.html