「今どきの学生生活とお金」の動向をめぐる記事

これとは違う時代に違う生活を送った人への啓蒙として、これらのニュースはもっと広く報じられる必要性があると思います。

関連を意識しつつ、それぞれ別のニュースソースからの記事を並べてみます。

仕送り-家賃=日額790円 私大新入生の生活費、最低
根岸拓朗2017年4月14日07時57分

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仕送りは16年連続で減っているが、家賃は下がっていない

 仕送りから家賃を差し引いた1日の生活費は790円で、アルバイトをしないと暮らせない――。首都圏周辺の私立大に昨春入学した学生を対象にした調査で、こんな状況が浮かび上がった。ひと月の仕送りは平均8万5700円で16年続けて減っており、生活費とともに過去最低になった。

 関東などの私大の教職員組合でつくる東京地区私立大学教職員組合連合が発表した。返す必要のない「給付型奨学金」を設ける法律が3月末に国会で成立したが、教連は「対象になる人数も金額も少ない」として、奨学金のさらなる充実や私大への助成増額を求めている。

 調査では明治大や早稲田大など16大学・短大の新入生の保護者にアンケートを依頼し、昨年5~7月に4890件を回収した。

 自宅外通学者の場合、大学への納付金や仕送りなどで入学の年にかかるお金は293万円。家賃の平均は月6万2千円で、仕送り額の7割を占めた。残る生活費は1日あたり790円となり、ピークだった1990年度(2460円)の3割ほどにとどまる。

 アルバイトの時間が長くなると、授業やゼミの出席が難しくなるなどの弊害もある。教連の中川功・副中央執行委員長拓殖大教授)によると、食費を浮かせるため、バイト先のコンビニに残った弁当で食事をすませがちになる学生もいるという。中川教授は「学生の窮状は、長年続いたクラブ活動の閉鎖など、学生文化の崩壊にもつながっているのではないか」と話している。(根岸拓朗)

http://digital.asahi.com/articles/ASK464100K46UTIL00Y.html

2017/04/06
バイトに追われる?大学生活 奨学金の返済「不安」で

アルバイトをする大学生が増加していることが、各種調査でわかりました。一方、奨学金を受ける者の割合は、逆に減少しています。

日本の奨学金のほとんどは、返済が必要な「貸与型」であるため、大学卒業後に返済できるかどうか、多くの学生が不安を抱いていることがうかがえます。

高校入学から大学卒業まで975万円が必要

政府系金融機関の日本政策金融公庫がまとめた2016(平成28)年度「教育費負担の実態調査」の結果によると、高校入学から大学卒業までにかかる入学・在学費用は、1人当たり平均975万円(前年度899万4,000円)で、前年度より75万6,000円も上昇しています。設置者の種類別に見ると、国公立大学が752万3,000円、私立大学文系が962万5,000円、同理系が1,147万1,000円となっています。

世帯年収に占める教育費の割合は平均16.1%(前年度17.8%)で、近年の景気回復傾向を受けて、やや低下しています。しかし、「年収200万円以上400万円未満」の世帯では36.6%(前年度36.8%)と高止まりしています。

教育費を捻出するためにしていることで最も多いのは「教育費以外の支出を削っている」の28.2%ですが、この3年間の推移を見ると、「子供がアルバイトをしている」(19.6%)、「残業時間やパートで働く時間を増やすようにしている」(9.8%)、「共働きを始めた」(9.6%)の増加が目立っており、家計の節約なども限界にきていることがうかがえます。

このような状況なら、奨学金を受ける子どもが増えることが予想されますが、実際には「奨学金を受けている」は2014(平成26)年度19.9%、15(同27)年度22.0%、16(同28)年度17.7%と、今回は減少に転じています。

5人に1人が深夜帯に就労、学業にも支障

同様の傾向は、全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)が実施した「学生生活実態調査」(2016<平成28>年)にも表れています。

アルバイトしている大学生は全体の71.9%に上り、データのある2008(平成20)年以降で最高となっています。一方、自宅生の「小遣い」、自宅外生の「仕送り」は減少しており、アルバイトが収入の重要な位置を占めるようになっています。

アルバイトの就労時間は週当たり平均12.5時間で、10時間以上15時間未満が18.4%、20時間以上も13.9%に上っている他、夜10時から朝5時までの深夜時間帯に働く者も20.7%います。アルバイトをしている学生は、していない学生よりも読書時間や勉強時間が短いなどという結果も出ており、学業に支障をきたしつつあるようです。

これに対して奨学金受給者は、下宿生の場合、2014(平成26)年度40.1%、15(同27)年度39.1%、16(同28)年度37.5%と年々減少しています。生活費補てんの方法は「アルバイトを増やす」が全体で50.7%(下宿生49.4%)で、「奨学金を申請する」は5.5%(同5.4%)のみでした。

なぜ大学生は、奨学金よりもアルバイトを選ぶのでしょうか。受給者の73.4%が、返済に不安を「感じている」と回答しています。卒業後に残る<借金>に不安を感じて、学業に支障が出てもアルバイトを増やすというのが、現在の大学生の実態のようです。返済不要の「給付型奨学金」の早急な拡充が望まれます。

※「教育費負担の実態調査結果」(2016年度)
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_h28.pdf

※第52回学生生活実態調査の概要報告
http://www.univcoop.or.jp/press/life/report.html

(筆者:斎藤剛史)

http://benesse.jp/kyouiku/201704/20170406-3.html

17年度先行分、4月中締め切り=給付型奨学金で申請手順-学生支援機構

 政府が新設する大学生らを対象とした返済不要の給付型奨学金に関し、実施主体となる日本学生支援機構は31日、申請手順などを示した案内を公表した。2017年度の一部先行実施の申し込みは原則的に4月中に締め切られる見通し。

 対象は住民税非課税世帯などの大学、短大、専門学校、高等専門学校(4、5年)の学生。給付月額は国公立に通う自宅生が2万円、国公立の下宿生と私立の自宅生が3万円、私立の下宿生は4万円。児童養護施設出身者らには入学金相当の24万円を追加給付する。

 17年度は、同年度に入学する私立の下宿生と児童養護施設出身者らを対象に先行実施する。申込書類を在籍大学などで受け取り、出身高校に学力に関する認定書などの作成を依頼。申込書や振込口座届などとともに在籍校に提出する。締め切りは学校によって異なるが、4月中の見通し。早ければ5月中に審査を終え、6月から振り込まれる。 

 18年度からの本格実施では、原則的に高校の推薦が必要になる。同年度分は、高校3年生らが17年5月以降に在籍校で申込書類を受け取り、記入などして提出。専用ホームページでも必要事項を入力する。機構は高校からの推薦書類を受けて審査し、同10月下旬に結果を通知する見通し。(2017/03/31-21:35)

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017033101409&g=soc