いちばん足りないもの

あなたに足りないものがいっぱいあるのは、あなたも私もわかっています。
足りないものがあること自体、別に当たり前のことです。
問題は、「何が足りないのか」をあなたがわかっていない、ということです。
何が足りないかといえば、「それなしでやっていっていいものか、それなしには済ませられないものか」ということを考える、という思考回路です。
自分の至らなさを自覚するたびに、目の前のミクロなことに飛びついて、それをちまちまと調べにかかるあなたの癖。それは、「そもそもそれって本当に重要なものなのか?他にもっと重要なことはないのか?」といった問いを考えていない証拠です。
(それこそ、それなしに済ましてはいけないことです。)


ごくごく内輪の、その仲間内だけでどれほど熱く語られていても、それを知る必要があるなんて他の人は誰も考えていないし、そんなものを知らなくても今どき誰も困っていないでしょう?
見据えないといけないのは、「その内輪話についていけない私」ではなく、「それだけ熱く語られていることが、一歩外に出てみれば何の影響力も持っていないこと」です。そこを見ないことには、「彼らが社会的にどんな位置づけを与えられているか」という肝心なところには、いつまでたってもたどり着けないでしょう。
目の前にあるものにとりあえず没頭するのではなく、目の前にあるものそのものを問いにすることです。そして、大きな地図の中に、その位置をマークしていくことです。
目の位置を、もっと高くしてみてください。とりあえず肩車をしてあげることはできますが、最終的には自分で背伸びして見てみないといけません。