大阪府教育委員会の品格

これが知事の発案であればそれはそれで、前にも書いたとおり相変わらず品がないのだけど、教育委員会が知事の顔色をうかがいつつ〈ご注進〉したとすれば、それもまた品がない。
この御仁がどのような反応をするか、傍から見てても容易に想像がつくし、その反応はおそらく織り込み済みで、この案は提出されたであろうからである。

この「エリート校」(笑)10校から知事の母校が外れるとは、この内輪では誰も思ってないだろう。けれども、仮にそれを外したときの知事の顔がもし見られたならば、彼の関心の範囲がどこら辺にあるのかを何よりも饒舌に語ってくれるだろう(まあ有り得ないけど)。

正直、こんな学科がどうして必要なのか、私にはぜんぜん理解できない。
例えば、京都府堀川高校のような高校を作ったのにはそれなりの歴史的経緯があったからである。しかし、北野高校なんて、これまでの大阪府の制度の中でも充分なくらいに長年「難関大合格者」を輩出している伝統校でしょう?

まあ、充分だとは思ってないんでしょうなあ…。でも、〈北野〉が〈堀川〉の真似してどうするんでしょう?

10高校が“公立エリート校”に 大阪府教育委
2009.1.31 00:44

 大阪府教育委員会は30日、平成23年度から一部公立高校に学区不問の学科を設置し、府内全域から成績優秀な生徒を集める“公立エリート校構想”の詳細を明らかにした。新学科の名称は「文理科(仮称)」で、設置校数は10校、定員は各校約160人とする。入試は2月下旬に実施している現行の前期選抜で行うが、他の学科とは別の試験問題を作成する。

 綛山(かせやま)哲男教育長らが、平成21年度当初予算をめぐる知事ヒアリングの中で説明した。

 定員の根拠について綛山教育長は「東京大、京都大、大阪大、神戸大、早稲田大、慶応大への(合格者の)人数が年約1000人であることから決めた」とし、難関大合格者の6割増を見込んでいることを示唆。

 さらに、文理科を置く10校で連絡協議会を設置、合同授業や成果発表会を開いたり、共通テストを実施したりするなど、独自の進学指導を展開するプランを明らかにした。

 橋下徹知事から「ずっと10校のままだと怠惰になってしまうのではないか」との指摘を受けると、綛山教育長は「実績があってこそ進学指導特色校といえる」と応じ、成果に応じて文理科設置校の入れ替えもありうるとの考えを示した。

 “公立エリート校構想”は、橋下知事が公立高校の学区全廃を訴えたことから検討が始まった。府教委側は、平成19年に9学区から4学区へ再編されて間もないため「再び変更すれば混乱を招く」と主張。議論の末、一部の高校に学区に縛られない学科を設けるという折衷案で決着し、昨年6月の大阪維新プログラム案に盛り込まれた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/local/090131/lcl0901310045000-n1.htm