韓国歴史学界の対立

まあ、教科書の問題がその揉め事に作用しているというのは、充分に考えられることです。
もっとも、それでなくとも韓国では、「同分野の別学会同士は仲が悪い」というのがごく普通のことらしいですが。

記事入力 : 2009/05/12 09:35:13
近現代史教科書の修正めぐり学会の対立深まる

 韓国史研究会(チョ・グァン会長)と韓国歴史研究会(韓相権〈ハン・サンクォン〉会長)が、今月29−30日にソウル大学で開かれる第52回全国歴史学大会に参加しない旨、主管団体の歴史学会(盧明鎬〈ノ・ミョンホ〉会長)に通知していたことが分かった。両学会が示した不参加の理由は歴史学大会の運営上の問題だが、高校の韓国近現代史の教科書修正をめぐる学会の意見対立も作用したものとみられる。

 全国歴史学大会は、1999年までは参加学会が持ち回りで主管してきたが、2000年から歴史学会が引き受けるようになった。韓国史研究会の李鎮漢(イ・ジンハン)専務理事(高麗大教授)は、「数年前からほかの学会が歴史学大会を主管したいと要請してきたが、受け入れられなかった。今年3月の理事会で今年の大会に参加しないことを決定した」と述べた。これについて、歴史学会の盧明鎬会長(ソウル大教授)は「04年にすでに関連学会の会長らによる協議会で、大会開催を望む学会があれば申請を受け付け、決定することで合意したが、その後、公式に申請した学会はなかった」と述べた。

 昨年10月の政府による韓国近現代史教科書の修正作業を批判するため、韓国史研究会が主導した歴史学界声明に歴史学会が参加しなかったことが、今回二つの学会の歴史学大会不参加に影響を与えた、という見方が、歴史学会では有力だ。韓国近現代史教科書の修正をめぐる意見の差が、歴史学大会の運営問題と相まって学会間の対立として浮上したというわけだ。

 歴史学会の盧明鎬会長は「8月下旬に歴史学界の夏季シンポジウムで、『当代史編さんの争点と対応』というテーマで韓国近現代史教科書とニューライトの代案教科書問題を扱う計画だ。教科書問題は学術的研究と討論を通じ解決していくのが望ましい」と述べた。

キム・ギチョル記者

http://www.chosunonline.com/news/20090512000020