地方行き高速バス・市外バスの赤字

個人的にはたぶん、かなりたくさん地方へ行くバスに乗っていると思いますが、中には立って乗るしかないくらいギューギュー詰めのバスもありましたし、どう考えても赤字にしかならないだろうというバスもありました。

最初から最後まで乗客が私一人、っていうこともありました。あれは居昌-大邱間でしたっけか。

でもですねえ、地方には鉄道が極端に不便なところも少なくない現在の韓国、赤字だからと言って安易にバス便を縮小してしまったら、そのしわ寄せは一方的に地方(だけ)に押し寄せてきます。何らかの見直しは不可避であるにしても、「何のために見直すのか」というところは、きちんと問われなければならないと思います。

記事入力 : 2011/07/03 09:12:28
赤字に苦しむ地方都市行き高速バス
定員45人に乗客は4−5人、KTXと路線が重なり直撃弾
630台、走れば走るほど赤字に
政府からの補助金で延命

 先月26日の日曜日、午前10時。東ソウル高速ターミナル(ソウル市広津区)から忠清北道永同郡に向けて出発した45人乗りの市外直行バスには、乗客が4人しかいなかった。

 バスターミナルで会った乗客のキムさん(67)は「ソウルから地方の中小都市に向かうバスは、いつも乗客がこのくらい。週末でも10人乗れば多い方で、平日には乗客2−3人ということもある」と話した。

 20分後に出発した慶尚北道青松行きの市外バスも、乗客はわずか10人だった。このバスは2時間おきに、一日6本運行しているが、一日に50−60人しか利用していないことになる。同日午前、ソウル市江南区の高速バスターミナルの風景も同様だった。午前9時10分に慶尚南道昌原に向け出発した定員28人の優等高速バスは、わずか4人の乗客を乗せ高速道路に向かった。この路線を往復している運転手のキムさん(52)は「京釜線韓国高速鉄道KTX)が開通して以来、バスの乗客は大幅に減った」と語った。

 乗客のいないがらんとしたバスが高速道路を走っている。目立つのは、地方の小都市に向かう市外バスや、KTXが開通した地域に向かう高速バスなど。これらは乗客が少ないため当然赤字だ。

 慶尚北道軍威に向かう市外バスの場合、料金は大人2万600ウォン(約1558円)だ。運転手の人件費などを除いても、高速道路の通行料金や燃料費、バスターミナルの利用料などで12万7000ウォン(約9602円)は稼がなければならないが、乗客は5−6人に過ぎず、運賃収入はわずか10−12万ウォン(約7561−9073円)。

 このように赤字に直面しているバスは、東ソウル高速ターミナルと江南高速ターミナル合わせて630台ほど。走れば走るほど赤字になる状況で、高速バス各社はバスの本数・路線の短縮など、合理化できる方法を模索している。

 市外バス各社は、さらに状況が悪い。韓国政府の補助金で路線を維持している。昨年の例で見ると、地方都市行きのバスの赤字を穴埋めするため、国土海洋部(省に相当)は計387億ウォン(現在のレートで約29億円)の補助金を支給した。

 韓国政府の関係者は「市外バスは公共サービスの性格があるため、政府が支援してでも運行路線や本数を維持している。損益という経済的側面だけを見て判断してはならない」と強調した。必要ならば高速バスにも支援金を支給し、乗客が少ない路線の本数削減などを防がなければならない、という主張も出ている。

 しかし、政府が赤字を穴埋めしているため、各社は経営合理化などによって赤字を減らそうとする努力を怠っている、という専門家らの指摘もある。韓国交通研究院の姜祥旭(カン・サンウク)研究員は「赤字が深刻な市外バスの場合、支援金を再検討し、路線を見直しなどの対策を検討する必要がある」と語った。


東ソウルターミナルを出発し、京畿道楊平を経て、江原道洪川に向かう市外バス。乗客の姿はほとんど見当たらない。高速バスや市外バスの多くが、乗客のいないがらんとした状態で運行している。/写真=全基炳(チョン・ギピョン)記者

カン・ドンチョル記者
イ・ミジ記者

http://www.chosunonline.com/news/20110703000010

ちなみに韓国では、「高速バス」と「市外バス」とは、行き先によっては両方利用できる場合もありますが、その際に発着するバスターミナルが異なっている都市もあります。つまり、両者は基本的には別カテゴリーの存在です。私自身、慣れるまではなかなか区別がつきませんでした。

韓国のバス - Wikipedia