古参ファンの立ち位置―承前・KARASIAという奇跡

KARAに関して「古参ファン」というのが誰なのか、いろいろ議論はあるでしょうが、ここではごく単純に「劇団ひとり以前か以後か」という基準を適用しておきましょう。

Pretty Girl / KARA

日本デビューしてブレイクする前から、もしくは韓国でもトップクラスのガールズグループに数えられるようになる以前から、KARAファンだった人は、今どうしているんでしょうか。

というのは、古参の人ならたぶん常識に近い「公式応援」というのが、韓国にはありましてですね。2010年2月に開かれた赤坂でのショーケースを観に行くほどの人であれば、こういうのを覚え(ようとし)た覚えがあるはずです。

でもこれ、韓国的な合同コンサートの場の、他のグループのファンも大勢いるという環境の中で、決して多数を占めるとは言えないKARAファンの結束と存在を示すために練り上げられてきた、という性格があると思うんですね。なので、老若男女が幅広く集う単独コンサートの場では、こういうので応援が揃えられるかと言えば、なかなか難しいわけです。下手をすれば、そちらのほうがかえって場違いな振る舞いにもなります。

それが気に入らないという人も、もしかしたらいるかもしれません。

でも、それはきっと仕方ないことです。一人一人の応援歌までは知らなくても、ジェット風船飛ばして「六甲おろし」を歌えればそれはそれで十分に楽しめるように、公式応援のような約束事を知らなくても、曲さえ知っていれば、それに合わせて乗ることはできます。そんな中から、誰もができる範囲で、自然に声援のスタイルがまとまっていくというのも、それはそれでいいものではなかろうかと思います。それもまた、KARAの成長した姿の一つと言えるでしょう。


こんな苦しい時期も乗り越えてきたKARAですから、長い目で見守りたいものです。