素晴らしきビジネスパーソン向けプロフェッショナル記事

いやー素晴らしいですね。さすが「第一線で活躍するビジネスパーソン、マネジメント層に向けて、プロフェッショナルの分析に基づいた記事を届ける新創刊メディア」を謳うだけのことはあります。

ま、もともとは『週刊現代』の記事ですけど。

ここに出てくる個々の事例がどうとかいうよりも、こういう調子で記事を書く書き手と、こういう調子の記事に目を通す読み手との間で、眉を顰めながらほくそ笑むという了解が成立しているようで、それはやはり、あまり気分の良い図ではありません。

東大に縁がないか、女子ではないか。そんな条件を考えてみれば、こういう記事を読んでニヤつきたい願望を抱える読者層からの需要は、実際問題としてまあ、けっこうあるんでしょうねえ。

「自分に縁のない、境界線の向こう側を嗤う」というあり方のターゲットは、東大女子以外にもいろいろ思い当たる節がありますね。

それって、決して満たされることのない、寂しくて空しい行為だと思いますけど。

週刊現代 賢者の知恵 2013年07月18日(木)
実例集 友だちできない、夫がバカに見える、満足できない 勉強できすぎる女子たちの孤独と不幸

 頭がいい人は、学生時代は天下を取ったも同然。それは、男も女も同じことだ。しかし、社会に出ると分かってしまう。「頭のよさ=幸せ」という方程式が、女の人生では成立しないということを—。

すぐ会社を辞める

「私は小学校の頃から成績は常に学年1位でした。特に国語が得意で、文学は私の趣味。高校時代には、大好きなボードレールの詩を原書で読むためにフランス語を独学で習得しました。慶應大学文学部に現役で入り、テレビ局に就職。仕事では、どの男性社員よりも結果を残し、毎日とても充実していました。ところが、40歳のときに人生が狂い始めたんです」

 こう話してくれたのは、報道局で18年、仕事一筋で働いてきた永田栄子さん(44歳・仮名)だ。高学歴で、バリバリのキャリアウーマン街道を驀進していた永田さんだったが、人生の転落は突然始まった。

「同じ部署で働いていた年下の男性が、私より先に出世したんです。人事異動の後、大学の女友達で集まって飲んだ時、『男だからって、あんなバカに追い越されるなんて耐えられない』と号泣してしまいました。それまで恋愛に興味がなかったのですが、そのショックで53歳の既婚男性と肉体関係を持ちました。それからは、3ヵ月おきに違う50代の男性と不倫を続けました。父親のような包容力のある男性に慰めてほしかったんです。それでも、仕事は頑張って続けました。だけど、次の人事異動で、またもや私は昇進せず……。屈辱感からうつ病になり、退職しました。今は実家で療養生活中です」

 女子の大学進学率は年々上昇している。内閣府の調査によると、平成23年度の女性の大学進学率は56・2%。難しい試験を突破し、一流大学の門をくぐる才女たちも多い。彼女たちは在学中、思う存分勉学に打ち込み、見聞を広げる。だが、「勉強が一番大事」と信じて少女、青春時代を過ごした彼女たちは、その後社会に出て幸せになっているのだろうか。高学歴女子の本音を探っていくと、「勉強ができすぎるゆえの不幸」の実態が見えてきた—。

 例えば、冒頭で紹介した永田さんのように、社会に出て初めて挫折し、「屈折」してしまうケースは少なくない。東京大学の大学院まで出た小島萌さん(31歳・仮名)もまた、初めての挫折に泣いた一人だ。

「私は帰国子女なので、海外部門に力を入れているベンチャー系の旅行代理店に就職。海外旅行のパックの企画や航空会社・ホテルと契約を結ぶ営業に配属されました。仕事は面白く、東大卒だからと、1年で係長にまで昇進(笑)。ところが、私が2年かけて企画したアジアのツアープランがまったく人気がなく、あっという間に潰れてしまったんです。ショックで、その数日後に会社を辞めました。だって、『失敗した人』というレッテルを貼られるのが本当に不快だったから……。

 今は旅行ライターになりましたが、フリーは学歴が全く関係のない社会。仕事がなく、親からの仕送りで暮らしています」

恋人を奪われる

 プライドの高さゆえ、失敗そのものではなく、「失敗した自分」が受け入れられない。名門・桜蔭高校から東大教養学部へ進んだ太田咲さん(26歳・仮名)も、みずからの「屈折」してしまった経験を語る。

「私の両親は、二人とも有名大学の教授です。彼らの勉強至上主義の姿勢を見て、『アカデミズムはくだらない、普通の東大女子のように大企業に入る人生のレールには乗りたくない』と考えるようになりました。そこで、学生時代はあえて東大のアドバンテージと無関係な居酒屋のバイトに打ち込み、熱中しすぎて留年。卒業後は、その居酒屋チェーンを経営する会社に就職しました。その会社は、はっきり言って『ブラック企業』です。激務かつ、残業代も皆無。それでも、私は他の人と違う茨の道をあえて進んだのだと、心から誇らしく思っていた時期もありました。今も、周りには『後悔していない』『仕事は楽しい』と言っていますが、最近は将来への不安の方が大きい。外資系の企業や中央官庁で華やかに働いている同級生が来るOB会には、顔を出しません。惨めな気持ちになるからです」

 親への反発であえてエリートコースを外れてみたものの、心の奥底に潜む親譲りのエリート意識が彼女を苦しめる。

 高学歴女子は往々にして孤独だと語るのは、東大文Ąに入り、大学院まで進んだ姉崎恵子さん(30歳・仮名)だ。彼女もまた、神童ともてはやされてきた。

「小学校時代は、周りがあまりに幼稚に思え、一人だけ机を違う方向に向けて、授業とは別の勉強をしていました。

 東大に入って、ようやく同じレベルの会話ができる友達に巡り合えたと思いましたね。3年の時には、初めての彼氏もできました。本当に大好きな彼で、いつか結婚したいと思っていた。ところが卒業後、私が大手銀行に入行して1年目の冬、他に好きな人ができたと突然別れを告げられたんです。私にとって人生初の失恋は、人生初の挫折でした。相手の女は短大卒で、フワフワとして可愛らしく、まさに『ザ・女子』。私とは真逆の人種です。フラれた直後、私は大学の友人との連絡をすべて断ち、東大卒の同期が大勢働いている銀行も辞めました。幸せの絶頂にいた私を知る人が、今の惨めな姿をみてバカにするに違いないと怖かった。

 その後、コンサル会社に就職しましたが、そこも辞めて、もう転職5社目。会社の規模はどんどん小さくなり、それに比例して社員の学識レベルも下がっています。今は、誰と話しても面白くない。周りがみんなバカに見えた小学校時代に逆戻りしたようです。友達と呼べる人もいません」

 高学歴女子にとって、失恋が人生初の挫折というケースは珍しくない。そもそも勉強一筋で育ったため男性との接触経験が乏しく、それゆえセックスを神格化する傾向が強い。複数の東大女子と付き合ってきた東大卒男性(42歳)が、彼女たちの特徴を説明する。

「女子校出身の東大女子の貞操観念は鉄、いや、ダイヤモンドのように固い。そもそも彼女たちは99%処女で、セックス=結婚と本気で思い込んでいる。僕の彼女もキスどまりで、『妊娠したら責任とってくれるか』と迫られ、『そんなもん18歳の俺にわかるか』と突っ返したら、『そんな人とはできない』と断言された」

 しかし、悲しいかな……彼女たちが処女を捧げた相手と結婚できるケースはほとんどない。なぜなら、いずれは前出の姉崎さんのように、「ザ・女子」に初恋の人を奪われるからだ。

「その結果、東大女子は社会に出てから不倫する確率が驚くほど高いんです。というのも、彼女たちは知識のない男を軽蔑するため、惹かれるのは必然的に年上の上司。しかし、プライドが高く、体裁を気にするので、略奪婚まではいかない。不倫相手と別れたときには、すでに中年の域になっていたという東大女子を何人も知っています」(前出・男性)

職場で不倫をする

 男にも自分と釣り合う知性を求め、格下には容赦ない。桜蔭と並ぶ名門・女子学院を卒業したコラムニストの辛酸なめ子氏が語る。

「彼女たちの特性は、男をバカにしがちなことです。そもそも、男を自分より劣っている存在とみなす。それが態度に出てしまい、結果、感じの悪い女になっている。男の学歴にこだわり、平気で出身大学名を聞く。それが格下と知った途端、相手にしなくなります」

 高学歴女子の食指が動くのは、高学歴の男性のみ。これを裏付けるデータがある。恋愛学者で早稲田大学国際教養学部教授・森川友義氏によれば、東大女子に、交際相手に関するアンケート調査を行った結果、70%が、交際相手は東大男子だったという。つまり、多くの東大女子は東大男子としかつき合えない現実がある。京都大学法学部出身で、弁護士として法律事務所で働く村山りょうさん(39歳・仮名)が告白する。

「大学に入ってから、4回ほど告白されました。でも、みんなインカレのサークルで出会った私立大の学生だったので、すべてフリました。自分より低学歴の男性では、相手も気をつかうだろうし、私も嫌でした。社会人になってからも、なぜか学歴の低い男性ばかりが寄ってくる。全部お断りしました。『私が神戸大卒のあなたとつき合うメリットをプレゼンして』とか、今思えばかなりイタイことを言ってました(笑)。そんなことを繰り返し、気づいたら三十路後半。もう、誰も声をかけてくれません。いまだに男性経験もなく、女として終わったなと……」

 今彼女は、「相手の人柄を見るようにしていれば、女として幸せな人生を歩んでいたのではないか」と後悔している。

 なぜ、姉崎さんや村山さんは高学歴男子に選ばれなかったのか—。前出の森川氏が厳しい見解を述べる。

「一般的に、高学歴女子は家事全般のスキルが欠如している人が多い。それなのに、一流大学卒というだけで、自分に価値があると思って同等の学歴以上の男を求めている。これは完全なミスマッチ。女性の学歴がモテにつながると勘違いしている。高学歴女子が狙うのは、『3K』、すなわち、高身長、高学歴、高収入が揃ったモテ男ですが、彼らは、残念ながら高学歴女子を相手にしません。彼らが求めるのは、高学歴女子にはない可愛らしさや、男を支える家事炊飯能力ですからね」

 とはいえ、近頃は東大、京大もアイドルやタレントを多く輩出するなど、美しい高学歴女子が増えているのは確かだ。しかし、そんな彼女たちにも、「高学歴」の十字架は重くのしかかる。

「ルックスが世間並みの東大女子っていうのも、中途半端なんですよ」と語るのは、堀北真希似の29歳、小田敏子さん(仮名)だ。地元で一番の国立大附属高校から東大経済学部にストレートで合格した。

「私も頭の悪い人とは付き合いたくないけれど、東大男子は大抵キモい。あまりにも選択肢が少ないんです。そんな中で一人、本気で惚れてつき合った東大生がいました。容姿は中の上でしたが、デートは毎回遅刻するわ、浮気はするわ、本当にダメ人間。でも、選択肢が少ない中でこの人しかいないと盲信して、すっかり依存していました。

 東大女子は世間知らずでプライドが高いのですが、いったん壊れると破滅的な行動に出ることがあります。私も、彼と別れ話が出たとき、『もっと他の男に目を向けたらどうだ』と言われ、その勢いで上野のスナックでバイトを始めました。お客のおじさんとセックスもしました。そのことを彼に告げると、異様に興味を示し、それがちょっと嬉しかった。その後も何度か職場で不倫しました。こんなはずじゃないのにと、心のどこかでずっと思いながら……。夜な夜な渋谷で男を漁っていた、あの東電OLの気持ちが、ちょっとわかる自分が怖いです」

 破滅的な行動に走るのは優等生として生きてきた反動なのか、自己否定なのか。

風変わりな男と離婚する

 また、恋愛関係にある男女は自分にないものを相手に求めるというが、勉強熱心が高じ、妙なドツボにはまって失敗するケースもある。東北大学医学部を首席で卒業した、循環器科医師の木元優子さん(34歳・仮名)が経験を語る。

「30歳のとき、インド旅行のツアーで知り合った、自称霊能力者の男性と結婚しました。私の専門は、何事もエビデンスに基づく合理的かつ論理的な医学の世界。対して彼は、現代の学問では解明できないスピリチュアルな世界の住人です。私がどんなに勉強しても到底及ばぬ領域に立つ人ですから、私にとっては神的存在。一緒に暮らし始めると、彼は『ベランダにカラスがたくさん来て、僕の心臓をえぐろうとする』とか『寝室の壁から鎧武者と馬の胴体が半分出てきて、僕を踏み殺そうとする』とか、いつも騒いでいました。怖いと同時に、やっぱり私の知らない世界があるんだと感動しきりの日々でした。

 ところがあるとき、彼はうつ病になり、『一緒に死んでくれ』と懇願してくるようになった。それで一気に熱が冷め離婚。うすうす、こいつはヘンだと分かっていたんですが、一瞬でも彼に陶酔した自分を肯定したくて、無理していました」

 個性が強い彼女たちだが、意外と家庭志向の人も少なくないという。慶應大文学部卒の少子化ジャーナリスト・白河桃子氏が言う。

「たまたま頭がよくて、偏差値の高い大学に行って、仕事もできてしまうだけで、実は専業主婦願望の人も多いんです。でもそれは、なかなか叶わない。自分より高学歴な男性は少ないし、自分が高収入だと、それを上回る男性もなかなか見つからないからです」

 さまざまな苦難を乗り越え、首尾よく結婚しても、知性が仇になりうまくいかないケースも多い。

「某中堅私大を出た夫がバカすぎて耐えられず離婚しました。たとえば、夫が『シェールガス』という言葉を知らなかった時には、本気で失望しました。こんな世間知らずな人といたら、私までバカになってしまうと身の危険さえ感じました」(一橋大法学部卒・33歳)

早稲田大学政経学部出身の野本真理子さん(30歳・仮名)もまた、学歴による障害にぶち当たった専業主婦だ。野本さんは、大手広告会社内定を狙ったものの就活に失敗し、小さな専門商社に入社。理想とかけ離れた地味な日々に鬱屈していたが、子どもができたため退社し、家庭に入ることを決意した。

「主婦の仕事は広い視野と総合判断が必要とされるゼネラルマネージャー職です。家計の財務管理や家族の動線把握とスケジューリング、効率的な家事の時間配分の算出など、家庭という狭いながらも多種多様な側面を持つ世界を、絶妙なさじ加減で差配する面白さがあります。小さな商社でくすぶっているより、絶対自分の能力や学力を活かせると思いました。

 でも、どうしても我慢できないのが、夫の実家との付き合いです。江戸時代から続く古い農家で、姑は、私が大学で経済を勉強していたというだけで、『女らしくない』『家事なんてやったことがないんだろう』と決めつけ、『嫁の仕事は黙って男を支えることだ』と、私の意見をまったく聞いてくれません。なにをやるにも、『そういうしきたりだから』という前提条件がある。これが一番忌まわしかった。根拠が破綻した理屈を延々押し付けられるのは、もう限界。意味がない! 私、雅子さまの気持ち、すっごくわかります。夫のことは好きですが、離婚も考えて別居しました。今は、視野を広げるため大学に通い直しています。でも、再就職のアテはなく、将来は不安ですね」

 勉強ができることは、生きていく上で一つの武器となる。しかし、それは女性にとっては諸刃の剣になることを、彼女たちの告白は物語っている。

週刊現代」2013年7月20日号より
http://gendai.ismedia.jp/articles/print/36454

改めて言うのも馬鹿らしくて躊躇われますけど、東大女子だって見るところ見れば普通の女子ですし、こんなので一般化できるほど無個性なはずもありませんがな。

また、ネタ切れを補うためでしょう、少しずつ高学歴の範囲を広げて、末尾に一橋・慶応・早稲田あたりを混ぜ込んでいく書き方も、いろんな読み方ができます。何だかなあと思いますねえ。