カピバラさんは侮れない

このニュース、今日まで知らなかったのですが、「可愛いからといってナメたらあかん」ということを教えてくれます。

「イノシシのように疾走するカピバラ」ってなかなか想像できなかったのですが、この写真の臨場感といったら…。

おたる水族館カピバラ2頭脱走 職員総出で捕獲(07/04 07:00、07/04 07:46 更新)

脱走したカピバラを必死で追い掛けるおたる水族館の職員=3日午後5時10分(小野聡子撮影)

 【小樽】おたる水族館小樽市祝津3)で3日、世界最大のネズミの仲間「カピバラ」2頭が徳島市のとくしま動物園から到着直後、柵を壊して逃げ出した。職員約20人が屋外の海獣公園などで大捜索を繰り広げ、約20分後に無事捕獲された。

 同館はカピバラを借り受け、丘の上の展望園地に設けた「カピバラガーデン」で、4日から一般公開する予定だった。しかし、ケージから出た生後7カ月の「あわ」(性別不明、体重29キロ)が、突然ガーデンを囲む木製の柵を突き破り脱走。生後13カ月の「なると」(雄、体重34キロ)も後を追って逃げ出した。

 あわはすぐに捕獲されたが、なるとは林に逃げ込んで行方不明に。職員が総動員で捜索する中、高低差が20メートル以上ある崖を駆け下りて海獣公園の茂みに隠れていたところを捕獲された。<北海道新聞7月4日朝刊掲載>

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/477453.html

柵突き破り猛然と カピバラ脱走を目撃 北海道おたる水族館、お披露目おあずけ(07/05 10:53)

柵を破壊されたガーデンにあわを連れ戻す職員たち(3日午後5時15分、おたる水族館

 【小樽】小樽市祝津のおたる水族館で3日、徳島市のとくしま動物園から同水族館に到着したばかりのカピバラ2頭が逃げ出した瞬間を、現場にいた記者が目撃した。柵を突き破って走り去るところから職員に捕獲されるまで、脱走劇の一部始終を振り返る。

 3日午後5時ごろ、「なると」(生後13カ月、雄)と「あわ」(生後7カ月、性別不明)のきょうだいカピバラがそれぞれケージに入れられて同水族館に到着した。四国・徳島市から、空路を含む10時間の長旅だった。

 到着から10分後、水族館職員が飼育場所となる展望園地の「カピバラガーデン」そばで体重測定。興奮させないよう細心の注意を払いつつガーデン内へ搬入を始めた。よそから来た生き物はまず小屋に入れ、そこを自分のテリトリーだと認識するまで見守るのが鉄則だという。先にケージを出たあわは、「ここはどこ」というような表情で周囲を見回した。職員はあわを驚かせないよう忍び足でなるとのケージの扉を開けた。

 その瞬間、バーンと大きな音を立て、ガーデンを囲う木製の柵がバラバラにはじけ飛んだ。小屋とプールがあるガーデン内から突進してきたあわが、柵の外にいた記者の左足をかすめて猛烈な勢いで逃げ出した。一瞬、ひるんだがなんとかカメラを構えて、シャッターを押し続けた。

 約10人いた職員の注意があわに向いた瞬間、なるとも穴の空いた柵から後を追うように飛び出した。「あ〜っ」という職員らのうめき声が響いた。崖側の林に逃げ込んだなるとを追い、真っ先に小田誠館長がやぶの中へ飛び込んだ。「逃がすわけにはいかないと必死の思いだった」

 展望園地のフェンス沿いに走ったあわはまるでイノシシのように疾走し、いったんは職員を振り切ったかに見えたが、間もなく若い職員に取り押さえられた。捕物劇を撮影。ぶれた写真が多かったが、奇跡的に1枚があわの表情をとらえていた。

 ただ、なるとは林の中で行方をくらませた。小田館長が肩を落として林から戻ってきた。掛けていた眼鏡を失うほど、必死に探していた。5分後、「海獣公園に降りたんじゃないか」と誰かが叫んだ。網とかごを手にした職員が一斉に海獣公園へ駆け降りた。事務所にいた職員も応援に入り、総勢約20人で捜索した。

 なるとは、ガーデンから20メートル以上崖を下った茂みの中にいた。4人がかりで網で捕獲。ガーデンへ連れ戻した時には、脱走から20分以上が経過。職員たちは「まさか柵を突き破るほどとは」と汗を拭きながら、疲れ切った表情だった。

 なぜ突然脱走したのか。伊勢伸哉飼育部次長は「環境の違いに戸惑い、パニックになったのだろう」と話した。小田館長は「閉館後でお客さまに迷惑をかけずに済んでよかった。この教訓を生かして大事にしながら展示したい」と話した。

     ◇

 おたる水族館の「カピバラガーデン」では4日、カピバラは小屋からは一歩も出ず、網戸越しにしか姿を確認できなかった。職員たちは2頭が「家」で落ち着くのを、交代で見守った。

 2頭は時々「ガッ」と警戒するような鳴き声を出すものの、ニンジンやサツマイモをぽりぽり食べており、健康状態は良好。すりむいた「なると」の鼻はやや赤くなっているが、すでに治りつつあるという。

 入館者は居住地のガーデンまでは行けるが、2頭が「家」から出て来るまでお披露目はおあずけ。同館は「いつ小屋から出てくるかは、まだ判断できないが、出てきたら優しく見守ってほしい」と話している。(小野聡子)

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/477679.html