冗長な話し方にも意義がある。

書き物以上に話し方がなってない私にとって、いささか勇気づけられるとともに、参考にもなる文章を見かけたので、備忘のためにクリップ。

上司をビビらせた“社長入院事件!?” 新人クンたちの珍行動:日経ビジネスオンライン

もちろん、そうした冗長性は「適度」であることが肝心なのですが、「無駄」な隙間や寄り道回り道にも意味がある、と考えることができれば、修正に向けた方向性や目標も変わってきます。

 つまり、コンテクストが共有されているにもかかわらず、明らかなコミュニケーション不全に陥ってしまったのだ。

「話の脱線」「無駄話」こそ重要

 なぜか?

 「冗長性(redundancy)」が欠けているのだと、私は考えている。

 冗長性とは、文字通り、余分や重複がある状態のこと。人間の行動にはすべて冗長性があり、メッセージの正確な解読を容易にし、社会的絆の強化に役立たせるためには、冗長性が重要となる。相づち、間、話の脱線、無駄話……。いずれも大切な冗長性だ。

 人は、冗長性があることで、自分の解釈の誤りに気づいたり、相手の話に共感したりするチャンスを得る。ときには、抜け落ちた言葉や、語られなかった隙間を、相手に想像させる効果もある。適度な冗長性は、コミュニケーションをする者の間に生じる様々な差を埋める役割を果たすのである。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20150424/280400/?P=5

コミュニケーションの常識が仇に

 コミュニケーションスキルを高めるには

•論理的に話せ
•的確な言葉を選べ
•無駄な言葉はなくせ
•短く、端的に話せ

 なんてことがよく言われるけど、全く逆。

 的確な短い文章で意図を伝えるツールが登場し、冗長性を徹底的に排除したマニュアルが氾濫する世の中になった。それが、コミュニケーション不全を引き起こす要因の一つになった。

 新人クンたちの“珍事件簿”が、週刊誌などで取り上げられるようになったのは、新人類が登場した1989年以降。当時の雑誌には、新人類部下たちの言動にあきれる上司たちのトホホ体験が次々と登場する(はい、私が調べました)。

 当時から、コミュニケーション不全の芽は至る所で散見されていたのだ。

 ただ、今と違うのは、冗長性もあちらこちらにあったこと。時間的余裕、精神的余裕、人員的余裕、金銭的余裕があり、あらゆる部分で無駄だらけだった。結果的に、それらが上司と部下を隔てるモノをなくし、コミュニケーション不全の解消に役立っていたのだと思う。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20150424/280400/?P=6