去年の年末の釜山、ギリギリで終わってて観れなかった「국가부도의 날」を大阪で観る機会がようやく巡ってきました。
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1997年のIMF危機が表面化する直前の7日間を題材にして国家の裏面を描く作品です。ある程度予想はしてましたけど、息を抜く暇のない緊迫した展開の連続で、見終わった後は放心状態になります。というか、一日の体力がガリガリ削られた感じがしました。
一言で言えば、「経済政策は、人を殺せる」。部下を死地に追いやる命令を下さねばならぬ指揮官のように、経済官僚は決断を下すことを迫られる。
作中では、サイコパス的に自己目的の実現に邁進するチョウジンと、決断に抵抗するキムヘスが対照的に描かれていましたけど、たぶんそんな単純な善悪二分ができる話ではない。
レイムダックと化してまったくのボンクラに描かれていた金泳三の後を受けた金大中こそが、このIMFの要求を忠実に実行し、大きな犠牲を出しつつ韓国経済の立て直しを実現したんですから、これは保守と進歩、右派と左派とにスパッと分けられるものでもない。
そして、ユアインやホジュノの視点から見た世界の見え方がまた、官僚連中とは別の角度から、身に迫ってきますしね。
まあ、もうとにかくキッツい話です。心身ともに整えてから観ることをお勧めします。
そんな中で、極私的にちょっとだけフフッとなったのは、クォンヘヒョの登場シーンでした。
クォンヘヒョが、あのクォンヘヒョが、韓国銀行の総裁やなんて!
お人好しのチンピラ詐欺師だったあのクォンヘヒョがねえ。
せいぜい皇后化粧品のチーム長止まりだったあのクォンヘヒョがねえ。
韓銀総裁にまでご出世なさって、涙なしには見れませんですよ。
ここまで来たら、是非とも大統領役を演じてアンソンギと肩を並べ、立身出世を極めてもらいたい!「미래의 대통령 권해효」!
ちょっと話がそれてしまいましたけど、ミドパ百貨店の名前が連呼されてたのも懐かしかったですね。私が韓国に行き出した頃にはまだありましたよ、ミドパ。地下のパワーステーションで、よくCDを買ったものでした。
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ああ、ちゃんとしたストーリーの解説は、私の手に余ります。すみません。このあたりの記事をどうぞ。