この件に関しては、報知新聞の頑張りが目立ちますね。
…なんて感心してる場合ではありません。
神宮外苑をゲート200台で入場規制…東京五輪テロ対策に組織委が計画
2016年5月4日6時0分 スポーツ報知
入場規制が想定されるエリア2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会がメインスタジアムとなる新国立競技場周辺一帯を大会前後の期間、テロ対策のため封鎖し、セキュリティーゲートを設置して人の出入りを管理する計画を進めていることが3日、分かった。周辺施設に出入りするにはADカード(資格認定証)の所持や手荷物検査が必須となる。組織委は約7か月(20年5~11月)、新国立周辺にある神宮球場などを機材置き場などとして利用したい意向で、交渉を進めている。
五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場周辺で、厳重な警備態勢が敷かれることになった。計画案によると、大会前から明治神宮外苑一帯をフェンスなどで囲い込み、JRの改札機のようなセキュリティーゲートを数百メートルおきに、約200台設置する。防犯カメラや金属探知機なども多数配置して、人の出入りを管理する。
入退場の際、関係者の所持・提示が義務づけられるのがADカード。選手、大会関係者、各国の要人、報道関係者らに配布されるが、入場できるエリアは所持するカードによって異なるという。周辺一帯を囲い込むことで商業施設などへの影響も懸念されるが、大会関係者は「爆発物が仕掛けられる可能性もあり、災害に備えて避難場所の確保も必要になる。周辺に空き地がなく、神宮球場などを待機場所として使わざる得ない」と話した。
五輪開催に伴い、最も影響が懸念される神宮球場は、20年5~11月末までの7か月間、食料や運営機材の倉庫として利用される。球場内に仮設テントやプレハブの建物が造られ、ボランティアや大会関係者の休息所となる。同5月ごろから工事を始め、関係者やボランティアを含め5000人規模を収容できるスペースを確保する。人工芝をはがすなど施設の大規模な改修が必要となる可能性もあり、その場合、大会終了後に原状回復するには同11月末までかかる見通し。
組織委は4月から、明治神宮側や神宮球場を本拠地とするプロ野球・ヤクルトなどとの交渉を本格化させた。プロ・アマで約300試合以上を調整する必要があり、ヤクルトはほぼ1シーズン使用できなくなるため、代替の本拠地についても検討を進めている。
神宮の軟式球場は陸上選手がウォーミングアップを行うサブトラック(補助競技場)と投てき練習場として利用。ゴルフ場練習場として使われている第2球場は、20年1月から開閉会式の資材置き場となり11か月間、利用できなくなり、秩父宮ラグビー場は解体され駐車場となる予定。
一方、テロ対策や競技施設を都内だけでなく首都圏に広げたことで、大会運営費などがさらに膨張するとの見方が強まっている。
組織委が担当する仮設会場の整備費や既存施設の改修費は招致段階の試算の723億円から約4倍の3000億円近くに膨らむ見通し。「施設の見直しや費用削減は限界」(大会関係者)の状況で、新国立(1490億円)、都立施設(2240億円)を合わせ、施設整備だけで約7000億円かかる。それに民間施設などに対する営業補償、警備費用なども加算されるため、「計画はすでに破綻している」との声もある。
待ておいこら、國學院高校や都立青山高校まで、五輪前後の期間も含めて封鎖するつもりか?
ゲートを設置して入場規制するつもりなら、秩父宮ラグビー場や神宮球場の真向かいに当たる両校は、当然その規制対象に含まれるはずです。
だいたい、「封鎖して終わり」で済むはずもないこの区域を簡単に「囲い込む」って言いますけど、そこで行われている様々な活動に対して、いったいどれくらいの便宜を図り、それでは済まないものについてどれほどの補償案や代替案を提示するつもりなのか。その結果として、どこまで計画規模を拡大するつもりなのか。
こんなことを下交渉もなしに行き当たりばったりで進めようとするなんて、もはや正気の沙汰とは思えない内容です。ますます「計画はすでに破綻している」という思いは強まりました。
改めて申し上げます。神宮外苑を五輪メイン会場にしようという計画は、放棄すべきです。それでも使うのであれば、東京体育館と神宮球場・秩父宮ラグビー場を競技会場にするのがせいぜいです。旧国立競技場跡地は、そのための資材置き場に使うとしましょう。