承前・CHU-LIPと死の哲学

チューリップを「CHU-LIP」と読み替える技は、単なる言葉遊びにとどまらない、と思う。

チューすればするほど好きになる。好きになればなるほどリップが気になる。

手を重ね、肌を合わせるのと同じように、そしてまた違うように、気になるのが、くちびる。

くちびるは、皮膚の延長でありながら、皮膚とは違う。皮膚は外に向き合い、くちびるは内につながる。

くちびるを重ねるというのは、二人が皮膚の領域を越え、内からつながること。

触れるだけではなく、つながる。

このつながりと死の哲学との間に恋愛写真を挟んでみれば、見た目ほどその距離は遠くないことが知れる。