ソルラル休みと言っても、別に何の感慨も予定もないので、散歩がてらちょっとお出かけ。京元電鉄線、早い話がソウルの地下鉄1号線に乗って北を目指す。
気動車路線は新炭里駅まで伸びているが、電鉄線の終点は소요산(逍遥山)駅。一つ手前の東豆川駅からここまでは単線で、折り返し運転をしている。
ちなみに、奥に見えるのは気動車の路線。
この逍遥山は名勝としても知られていて、今日も登山客が大勢いたが、私が目的にしていたのは、下記のリンクにあるベルギー・ルクセンブルク軍参戦記念碑とノルウェー軍参戦記念碑、それに自由守護平和博物館であった。
http://www.geocities.jp/xod2006/kwsoyosan_j.html
この人、ずいぶんマメに朝鮮戦争関連の史跡・記念施設を回っていて、参考になるところが多い。
そこにも写真があがっているが、いちおうこちらでも何枚か並べてみる。
1975年建立らしいこのベルギー・ルクセンブルク軍参戦記念碑、韓国内に点在する朝鮮戦争参戦国ごとの記念碑の一つなのだが、例のコンクリート製白ペンキ塗りの作りで、1970年代後半のこの手の記念碑の特徴をしっかり持っている。
いっぽう、自由守護平和博物館の敷地内に立つノルウェー軍参戦記念碑は、1972年建立であるからかどうか、天然石を使っていていささか趣を異にする。
同じ敷地内の別の場所にはもう一基、2005年に「ベトナム参戦有功者会東豆川市支会」が建立したというベトナム参戦記念碑がある。ただ、基本的に朝鮮戦争を主題としている博物館の敷地内にあって、この碑は他との連携もなく、正直言って浮いて見える。
で、この博物館。
建物の手前にあるのは、各地にある朝鮮戦争参戦国の記念碑のミニチュア。所在地や建立年月日などの説明もあって、実は博物館の中でこれがいちばん興味深い展示物だった。
…まあ今日は、雪に埋もれてしまっていたのだが。
館内展示は大体こんな感じ。
各地の護国院で見られるようなパネル一辺倒の手抜きではなく、ジオラマやマネキン、タッチパネルなども使って、朝鮮戦争を主題にした展示を展開している。
その意味ではそれなりに頑張っているのだが、ハッキリ言ってしまえば「10年前の戦争記念館の展示の縮小版」といった感じである。2002年のオープンからのイノベーションは、ほとんど進んでいないと言っていいのではないだろうか。
もちろん、人口10万人にも満たない東豆川市の運営するこの博物館が、国防部がバックについていて潤沢な予算を抱える戦争記念館の向こうを張るというのは無謀だろう。だが、休戦ラインに近く、朝鮮戦争参戦国記念碑を2ヶ所(3ヶ国)擁する東豆川市ならではの独自性が、(意識されているのは事実なのだが)充分には生かしきれていない点は、やはり残念である。
朝鮮戦争という、「ナショナルなもの」の支配力が強いテーマの中で、「地方の独自性」を発揮するというのは、どうやらなかなか難しい作業であるらしい。
ここで飼われているこのわんこは、可愛かったんだけどなあ。