朝日新聞国際欄の猫記事

こないだタイの猫雨乞いの記事を読んだと思ったら、今日は韓国の猫カフェの記事が。

朝日新聞はこの手の記事をなかなかネットにアップしてくれないみたいで、今日アップされていた猫雨乞いの記事をクリップ。朝日新聞を購読しているにゃんこ好きには読みごたえのある内容だったと思います*1

猫が鳴き、雨を呼ぶ タイ 動物たち(5)
2010年7月31日


コラット


シャム


カオマニー


ゴンジャ


スパラート

■伝統の儀式、復活

 今年6月、タイ北部の村で伝統儀式が約30年ぶりに復活した。

 同国では今年、北部や東北部の農村地帯が激しい干ばつに襲われた。ダムは干上がり、田畑は枯れ、困り果てたピチット県ファククロン村の農民が万策尽きて行き着いたのが、雨ごいだった。

 「奇跡が起きた。猫の力は健在だった。儀式の2日後、昨年10月以来のまとまった雨が降った」とサキサン・パンコン村長(32)が振り返る。

 猫を入れたカゴを担いで村内を巡る。村人が次々とカゴに水を浴びせかける。これを3日間続ける。耐えかねた猫の鳴き声が、雨を呼ぶという言い伝えだ。

 儀式の3日前、村人が干ばつ対策を話し合った際、「年に一度だけ使える伝統の儀式」として猫雨ごいが提案された。40歳代が中心の村の執行部は誰もやり方を知らず、長老から話を聞いて準備した。1日5時間も水をかけられるため、飼い主のほとんどは猫の提供を拒んだ。1匹のお勤めは1日だけという約束で何とか3匹を確保した。

 「本当に信じていたわけではなかったが、実際に雨が降り、その話題で持ちきりになった。隣村も儀式をした」と村長。儀式には村人が食べ物や飲み物を出し合った。「雨はその後やんでしまったが、村が一つになる大切さを、猫を通じて再認識できた」と村長は語った。

     ◇

 雨ごい儀式発祥の地は東北部ナコンラチャシマ県とされる。「高原」という意味の同県の通称が名前となった地元品種が、儀式の主役のコラット猫だ。雨雲を思わせる銀青色の毛並みを持つ。

 タイで猫は元来、幸せを呼ぶ動物として、自然に各家庭に居場所を持っていた。

 だが、近代化のなかで伝承を知る人は減り、タイ原産の猫への関心も遠のいた。由緒正しきコラットも捨て猫になって他の猫種と交配し、純粋なコラットは全国でも500匹程度にまで減ってしまったという。

 コラットの原産地と言われる同県ピマイ地区で暮らしてきたチュチャイ・ウェセジンダワトさん(58)は減ってしまったコラットを増やしたいと、一人で保護と繁殖に取り組んできた。「伝統儀式に使われる猫を大切にして増やすことは、西洋文化に飛びつきがちな今のタイ人が、母国の伝統や歴史、先祖の知恵を学ぶきっかけにもなる」とチュチャイさんは言う。

 ネットワークは徐々に広がり、コラット保護クラブの会員は、県外者9人を含め、36人に増えた。毎年11月に開く品評会や絵画展などには、日本や欧米からも愛猫家がやって来る。

■国内原産、残るは5種

 タイは、国際的にも名の通った猫の原産地だ。最も知られているのがシャム猫。世界に広めたのは、プミポン現国王の祖父にあたるラマ5世(1853〜1910年)。猫好きで知られ、1884年にシャム猫を英国へ贈るなど外交にも利用した。英国にはシャム猫クラブができ、人気が定着した。

 ラマ5世が有名にしたタイ猫がもう1種類ある。目の色が空色と金色の2種がある白い毛並みの「カオマニー」だ。特に、交配によって空色と金色の左右違う色の目を持つ「オッドアイ」が珍重され、1990年代後半には愛猫家の間で世界的なブームとなった。

 ただ、ペットとして猫を飼う層が増えたいまのタイの都市部で人気なのは外国の猫だ。首都バンコクでは、タイ産の2倍以上の値がつくペルシャやアメリカンショートヘア、スコティッシュフォールドなどが売れ筋で、この種のみを扱う店も増えている。

 「野良猫が多いバンコクの住民は、タイ原産猫と野良猫を同一視している」とペット店主のレクさん(37)は嘆く。コラットなどを求める客の多くは外国人で、「流行を外国に求める傾向はタイ人も外国人も一緒。流行が過ぎると捨ててしまう人が多い」と話した。

 アユタヤ王朝(1351年〜1767年)期に王の指示で作成された木版には23種類の猫がタイ原産として描かれている。タイ猫研究の第一人者、タイ猫交配療養施設のプリーチャ・プカブット氏(74)によると、現存するのは、シャム、コラット、スパラート、ゴンジャ、カオマニーの5種類だという。(バンコク=山本大輔)

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 〈タイの猫〉 シャムはタイの旧国名。猫のなかで幸運を呼ぶ力が最も強いとされ、昔は王室のみ所有できたという。スパラートは赤茶色でミャンマービルマ)原産だという説がある。ゴンジャは全身真っ黒で口と尾の先がややとがっている。

http://www.asahi.com/international/weekly-asia/TKY201007240329.html

*1:ちなみにウチは朝日新聞ではありません。