女子大・地方大・小規模大は生き残る。

内田樹センセの影響があることは認めますが、「共学・大都市圏・大規模総合大学だけしかない状況となれば、その先の大学界には暗澹たるカタストロフが待ち構えているだろう」という予測は、そんなに突飛なものではないと思います。

すべての女子大・地方大・小規模大が生き残るわけではないでしょうが、それでも残るところは必ず残るでしょう。共学化して大都市圏に立地して巨大な組織となった大学ではできないことがあります。それはおそらく、世の中に必要とされることですし、なくてはならないことです。

もちろん、先日の千里金蘭大学といい、下のブログにある成美大学(旧・京都創成大学)といい、個々に見れば色々な問題があることは承知しています*1

成美大学 募集停止を検討したが、とりあえず継続方針 - TK独り言

記事入力 : 2010/07/30 13:50:27
世界で広がる女子大の危機(上)
300校から58校へ急減

男女平等・開放の流れに乗って共学化、支援者も減少
韓国の4年制女子大わずか7校に
名称を変えるなど、生き残りをかけて必死

 今月初め、「誠信女子大が男女共学への転換を進めている」といううわさが流れ、ほかの女子大の関係者を緊張させた。誠信女子大までもが共学に転換してしまうと、ソウルにある4年制女子大は、片手の指で数えられる程度になるからだ。

 誠信女子大は次のように釈明した。「海外の大学では、“女子大(women's university)”という名称を使っているところはほとんどなく、わが校の名前についていぶかしく思われるケースが多かった。そこで、名称だけを変更しようという議論が学内で起こり、これが誤って伝えられた」

 最終的にはハプニングで済んだが、この騒動は、韓国だけでなく、女子大が徐々に減っている、あるいは少なくとも学校の名称から消す風潮があるという事実を再確認させた。

 来年6月、ソウル女子大が開校50周年を記念して開催する「世界女子大総長フォーラム」の主なテーマは、「世界の女子大が直面している環境の中でのビジョン」に定められた。新たな道を模索しなければ、生存そのものが厳しいという危機意識が、全世界の女子大の間で共有されているわけだ。

■ソウルの4年制女子大はわずか6校

 25年前、世界には300校を超える女子大があったが、今では58校に激減した。19世紀初め、米国で女子大が誕生したころは、「女性も高等教育を受けられるようにしよう」という趣旨だったが、男女平等化が進んだ今や、その意義はかなり薄れた。このため、支援者が減り、多くの女子大が伝統を捨て去り、男女双方の入学者を受け入れるようになった。

 米国のヒラリー・クリントン国務長官を輩出したボストンのウェルズリー大や、ノーザンプトンのスミス大といった名門女子大はまだ健在だが、これらの大学も危機感と無縁ではない。1990年代には、オークランドの名門ミルズ大が男女共学への転換を決定したものの、学生らの反発により撤回された。

http://www.chosunonline.com/news/20100730000051

記事入力 : 2010/07/30 13:50:39
世界で広がる女子大の危機(下)

300校から58校へ急減

 韓国の女子大もまた、90年代以降に姿を消したところが多い。まず94年、暁星女子大が名称を大邱暁星カトリック大(現在の大邱カトリック大)に変えて、男女共学に転換した。95年には、聖心女子大カトリック大に吸収統合された。祥明女子大は祥明大(96年)、釜山女子大は新羅大(97年)となり、後に続いた。現在、4年制の女子大は光州・徳成・ソウル・誠信・淑明・梨花のわずか7校で、このうち6校がソウルにある。

 女子大減少の理由について、専門家らは、90年代以降、男女平等化が進んだこと、社会の雰囲気が開放的になり、男女共学を好む女子学生が増えたこと、女子学生の成績が向上し、「男子と競争しても不利にならない」という考えが広まったこと−などを挙げた。

■「女子大ならではの教育を」

 高まる危機感の中で、各女子大は、「女子大だけに特化した教育方針」を打ち出している。「世界女性知性共同体の拠点」(梨花女子大)、「世の中を変えるソフトな力」(淑明女子大)、「世界を作っていく実践的女性リーダーの創出地」(徳成女子大)などのキャッチフレーズは、いずれも女子学生が男女共学校では得難い価値を強調している。

 ソウル女子大の李光子(イ・グァンジャ)総長は、「女性のリーダーシップを育成、潜在力を見いだすという点で、女子大には極めて大きな利点がある」と語った。また、「女子大の総長・教授に占める女性の比率が高いのは、それだけ女性に対する偏見のない教育がなされていること」という主張もある。

 人間性教育や独特の授業形式、ネットワークの形成など、女子大特有のプログラムも多い。▲卒業前に、生活館などで5週間の共同生活を送る、ソウル女子大の「バロム教育」▲専攻の授業で小規模なグループ別に問題対処法を模索する、淑明女子大の「PBL(問題基盤学習)」▲卒業生が在校生に個別の進路指導を行い社会進出をバックアップする、梨花女子大の「進路メンタリングプログラム」▲教養の授業にバレエを取り入れた、誠信女子大の「文化・健康福祉特化教育」−などがその代表例だ。

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

http://www.chosunonline.com/news/20100730000052








公立大学の誕生 ?近代日本の大学と地域?

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*1:このあたりの学校には個人的に関わりがないでもないので、その成り行きが気になっています。