SECRETで思いついた「SMエンタテイメント的でないもの」

思いつきの始まりはこちらの記事。日本オリジナルの書き下ろし曲となると、最近に日本デビューを果たしたK-Pop勢としては、KARAに続いての2例目ではないですかね。日本語の習得にも努力している健気なところには、個人的にもけっこう好感を持っているんで、このグループにはうまく成功してほしいなと思っています。

SECRET、日本リリース第3弾は初となる書下ろしの新曲
掲載: 2012年01月09日 00:00

日本第3弾リリースは初となる書下ろしの新曲!彼女たちのイメージにぴったりな爽やかなバラード・ナンバー。作詞は、前作『Shy Boy』で全曲日本語詞を担当し、各所から"今までのK-POPの日本語verでダントツで素晴らしい"と絶賛を受けた、いしわたり淳治氏が再び手掛けます。今作は韓国でもリリースしてない書下ろしの完全な新曲を2曲収録。日本でも2作連続TOP10入りを果たしている彼女たちが、この曲でいよいよ大ブレイクを狙う!

初回限定盤AののDVDには、タイトル曲のPVを、初回限定盤BのDVDにはPVメイキングを収録。

http://tower.jp/article/feature_item/2012/01/09/0101

Madonna(初回生産限定盤A)(DVD付)

Madonna(初回生産限定盤A)(DVD付)

Shy Boy(初回生産限定盤A)(DVD付)

Shy Boy(初回生産限定盤A)(DVD付)

SECRETと言えば、印象にあるのが、「Magic」「Madonna」と来て、次に「Shy Boy」と来た時のインパクトです。韓国で初めて目にしたときには、それまでのイメージが覆されてかなりぶっとびました。

「この感覚、いつ以来かなー」と思い返してみると、あれですね、Chakra(샤크라/シャクラ)以来でした。「한」の後に「Hey U」と来たこの時も、相当にぶっとびました。

まあ、アイドルであれば、こうした「カッコイイ系」と「カワイイ系」の共存、というのはそんなに珍しいことではないと思うのですが(AKB48でもそうです)、考えてみれば、SMエンタテイメント系の人たちには、この「共存」というのがあまりないような気がするのです。

遡ればH.O.TやS.E.Sまで行くSMエンタテイメントの系譜ですが、いずれも初期には割と「カワイイ系」を出していながら、キャリアを重ねるにつれてどんどんそれから遠ざかっていく…という傾向があるように思います。「アーティスト志向」と言ってしまっていいのかどうかわかりませんけど、「カワイイ系はデビュー当初の方便」といった感覚が貫かれている、と言えば、言い過ぎでしょうか*1

その頃にSMのライバルであったDSP勢を思い起こしてみると、Sechs Kiesにしても、Fin.K.Lにしても、比較的後期になっても「カワイイ系」の曲があるんですよね…。彼らの系譜を受け継いだSS501やKARAも、その点ではあまり変わらないと思います。

で、他の大手であるYGやJYPを考えてみれば、この辺は社長の個性から考えても、所属歌手を考えてみても、本筋としては「最終的にはアーティスト」といった志向が強い気がしますねえ。


こんな風に系譜をたどっていくと、「Lupin」や「Jumping」を出したあと、「ジェットコースターラブ」や「Go Go サマー!」を出してきたKARAの音楽的流れが、韓国的な感覚ではやや異色もしくはマイナーな路線である、ということが見えてきた…かも知れないです。

もちろん、思いつきの戯言ですのであしからず。

*1:「SMエンタテイメントが育て上げた最高傑作」と言えるのは、たぶんBoAでしょう。彼女の場合、綿密な戦略の練り上げと入念な準備とを経てデビューを果たしていますが、その際には「カワイイ系」をスキップして、いきなり「カッコイイ系」のアーティスト路線を走り出しました。もしかしたらあれは、「SMの理想の体現」という意味においても成功事例だったのかも知れません。もちろん邪推ですけど。