韓国の学校における体育やスポーツのあり方については、過去にも何度か書いたことがあります。
日本と比べてどっちがいいとか悪いとかという話ではないと思いますけど、韓国の場合、学校の部活が「プロ選手や国家代表の予備軍、もしくはユースチーム」という位置づけに事実上なっていて、一般の学生には縁のない世界を形成していることは確かです*1。
そういった精鋭集団のいない他の学校では、プールはおろか、運動場すらないところも珍しくはありません。ですから、まともに走れなかったり泳げなかったりといった「運動がダメダメな人」は、大学などでも相当多いように思います*2。
記事入力 : 2012/01/10 11:22
サッカー:日本の高校選手権決勝に4万人超地区予選には4174校、15万人の高校生選手が夢見る「冬の国立」
「ベストを尽くす姿に感動」
韓国はわずか137チーム韓国代表と日本代表によるサッカー韓日戦がしばしば開催される東京・国立競技場には9日、4万3884人の観客が集まった。定員5万5000人の観客席がほぼ埋まったこの日の試合は、日本代表の試合でもなければプロチームの試合でもない。第90回全国高校サッカー選手権大会の決勝戦だ。
韓国より暖かいとはいえ真冬に開催される高校チームの試合を、入場料3000円を払って見に来た観客たちは、高校生が死力を尽くしてプレーするたびに一斉に息をのみ、歓声を上げた。高校サッカーだけにミスもたびたび見られたが、日本人たちは全く異なる目でこの試合を見ているようだった。特に、終了直前の劇的な同点ゴールに続き、延長戦で逆転ゴールが飛び出すというドラマチックな幕切れを迎えると、スタンドのあちこちから「やはり高校サッカーは予測がつかなくて面白い」「90回という歴史にふさわしい名勝負だった」という声とともに、拍手喝采が沸き起こった。
この日の試合は、千葉県の市立船橋高校が延長戦の末に三重県の四日市中央工業高校を2−1で破った。会場で会った韓国高校サッカー連盟のチョン・ウンシク理事は「驚いたという以外に言葉が出ない」と語った。韓国からやって来た高校サッカーの関係者約20人も、韓国の高校サッカーとの大きな違いに「信じられない」という表情を見せた。韓国の高校サッカーは、選手の親や出場校の生徒以外、ほとんど注目する人がいないからだ。ある指導者は「昨年8月に韓国代表が日本に0−3で敗れたときよりも、きょうの方が衝撃的だ」と語った。
■日本全国の4174校が地区予選に参加
1917年に初回大会が開催され、今年で90回目を迎えた日本の高校サッカー選手権は、毎年12月30日に開会式が行われ、全国各地の代表校48校がトーナメント方式で優勝を目指す。大会は、最高の権威を持つ「選手権大会」の形で行われる。日本の行政区域である47都道府県から、代表校が1校ずつ(東京は2校)地区予選を経て選ばれる。今年の大会には日本全国から4174校が参加した。参加校のサッカー部員を全て合わせると15万人に達する。つまり、1月に国立競技場で行われる高校選手権の決勝でプレーすることを、日本全国の15万人の高校生選手たちが夢見て、日々練習に励んでいるのだ。
高校サッカー選手権が「冬の国立」と呼ばれるのもこのためだ。高校サッカーの熱気と人気は、感激の涙が流れる「夏の甲子園」こと全国高校野球選手権にも全くひけを取らない。高校サッカー選手権の決勝戦は平均観客数が4万人以上、決勝以外の試合でも平均2万人ほどが試合を見に訪れる。これは、日本のプロサッカーにも劣らない数字だ。全国大会は全試合がテレビで生中継される。この日の決勝戦は日本テレビで放映され、視聴率は6%だった。公式スポンサーにはトヨタ、コカ・コーラ、プーマなどの大企業6社がついている。
毎日新聞スポーツ専門記者の斉藤雅春氏は「日本人は、実力が不完全でも、高校生がベストを尽くして奮闘する姿を見るのが好きだ」と語った。これには、就職などのために故郷を離れた首都圏在住の地方出身者たちが、後輩たちを応援しながら故郷に思いをはせるという情緒も大きく作用しているという。韓国も1980年代半ばにプロサッカーとプロ野球が発足するまでは、同じような光景が見られたが、日本は依然としてこうした伝統を大切にしており、今や世界的にも珍しいケースとなった。
■韓国と日本のスポーツの「真の違い」
この日会った韓日両国のサッカー関係者たちは、互いに驚いた様子だった。韓国には高校チームが137チームしかないと話すと、日本サッカー協会の関係者は「本当なのか? そんな状況でなぜ韓国代表は実力が高いのか」と驚いた。一方、韓国の関係者は「高校チームだけで4000チームを超えると聞いて、とても信じられなかった」と語った。
韓日の高校サッカーの違いは、まずサッカー部の構成の差にある。今大会に参加した48校のサッカー部の平均部員数は80人ほどで、中には140人という高校もある。韓国が30人前後の少数精鋭で「プロチーム」のように運営されているのに対し、日本では趣味のサークルのように活動しているチームも少なくない。高校時代にサッカー部で活動し、大学受験を経て名門大に進学する生徒も多い。日本の高校選手権が冬に開催されるのも、生徒たちの学習する権利を保障するために、授業のない冬休み期間を利用するからだ。こうした日本のやり方は、競技力の向上という点では効率性に欠けるが、サッカーや野球などのスポーツの底辺を拡大するという意味では効果がある。日本では、このように厚い底辺を基盤としてプロスポーツが発展する。韓国も最近、サッカーや野球などを中心に小・中・高校別のリーグ制を導入するなど、変革を試みているが、依然として練習だけに集中し、選手に全く勉強をさせないチームが少なくないのが実情だ。
東京= 閔鶴洙(ミン・ハクス)記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/10/2012011001282.html
ちなみに、韓国の全国高校サッカーの決勝戦は、こんな感じです。
でも実際、社会的にはいろいろ問題があると思うんですが(少なくとも個人的には、持ち上げる気には全くなれません)、韓国スポーツはこのシステムで一定の成果を出しているんですよねえ。
ここのところのACLの結果を見れば、このランキングはまあ、仕方ないでしょう。
記事入力 : 2012/01/12 13:25
サッカー:Kリーグ18位、Jリーグ抑えアジアトップ=IFFHS韓国プロサッカーKリーグが、日本のJリーグを抑え、アジア最高のプロリーグとして認められた。
国際サッカー歴史統計連盟(IFFHS)は、2011年世界各国のプロリーグの順位を11日に発表。Kリーグは18位に入り、25位だったJリーグを抑え、アジア・サッカー連盟(AFC)加盟国でトップに立った。
なお、スペインのプリメラリーガが英国のプレミアリーグを抑え、2年連続で世界最高のリーグとして評価された。
ミン・チャンギ記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/01/12/2012011201607.html