ソウルメトロとKORAILの管轄
厳密に言えば、ソウルの「地下鉄1号線」はソウル駅から清凉里までの地下区間のことである、というのはその通りですけど、もともとがその両端から先の路線との直結を目的として開通した路線ですから、鉄道に興味のない一般の人にそこを区別しろと言っても無理な話でしょう。
수도권 전철 1호선 - 위키백과, 우리 모두의 백과사전
実際には、地下鉄1号線の区間を走っている車両のほとんどがKORAILのものなんですが。
でもって、KORAILは日本の植民地時代からの鉄道資産を受け継いでいるために左側通行で、地下鉄1号線も左側通行なんですが、2号線以降は右側通行なんですよね。最近減ってきている腕木式の自動改札を含めて、日本式と決別してフランス式を導入したためだと聞いています。そのために、KORAIL・ソウル地下鉄1号線とその他の地下鉄(釜山や仁川などソウル以外の地下鉄も含めて)との間で左右が逆になった運行形態が混在しています。地下鉄4号線が途中で一ひねりされているのもそのためです。
不便で面倒くさいといえばその通りですが、当時はその不便さを上回るだけの意義があったことなんでしょう。
記事入力 : 2012/02/03 12:39
ソウルの地下鉄1・3・4号線、ソウルメトロだけじゃない?KORAIL、ソウルメトロが乗り入れるソウルの地下鉄
地上や京畿道地域はKORAILの運行区間2日午前、地下鉄1号線ソウル駅で突然列車がストップした影響で、乗客や同駅のホームで列車を待っていた市民は大きな不便を強いられた。ただでさえ厳しい寒さにさらされていた乗客たちは、地下鉄1号線を運行するソウルメトロに抗議したが、実際に事故処理に乗り出したのは韓国鉄道公社(KORAIL)だった。問題の列車を運行する機関はKORAILだったからだ。
ソウルメトロには同日、ソウル駅で発生した事故に対する市民の抗議が多数寄せられた。抗議の電話は普段に比べ2−3倍増の約580件に達したほか、約380通ものメールも寄せられた。KORAILのミスだということを、市民が知らなかったからだ。
ソウルメトロのキム・ジョンファン広報チーム長は「地下鉄の駅舎にある“広域電鉄路線図”や“地下鉄路線図”に表示されているのはソウルの地下鉄路線だけで、別途境界の表示がないため、京畿道、仁川市などに向かう地下鉄まで全てソウルメトロが運行していると誤解されるケースが多い」と語った。
ソウルメトロによると、循環路線になっている2号線を除き、1・3・4号線は一部の区間をKORAILと共同運行する「並行路線」となっている。まず1号線の地下区間(ソウル−清凉里)10駅をソウルメトロが管理し、地上区間となる回基−逍遙山、九老−仁川(京仁線)、南営−天安−新昌(京釜線)間はKORAIL側が運行する。1号線を走る電車の9割は、KORAIL所属の運転手が乗務する、KORAILの電車だ。
ソウルメトロのチョン・イルボン運転処長は「正確に言うと、“ソウル地下鉄1号線”とは、ソウルメトロが運行するソウル駅から清凉里駅までの地下区間を指す」と説明した。
1号線だけではなく、首都圏に通じる3号線・4号線も、ソウルメトロとKORAILが共同で乗り入れている。3号線は紙チュク(チュクは木へんに丑)−大化、4号線はソンバウィ−烏耳島間をKORAILが管理し、そのほかのソウル市内の区間はソウルメトロが運行している。3号線は、高陽市一山区でのニュータウン造成に伴い京畿道まで路線が拡張され、4号線は94年に、それまでKORAILが運行していた果川−安山間とソウルメトロの運行区間をつなげて1本の路線にした。
チョン処長は「列車に電気を供給するやり方も、KORAILは交流、ソウルメトロは直流とそれぞれ異なり、各機関が運行する区間の境界を電車が越えるたびに、車内への電気供給が途切れて照明が10秒間消える」と語った。
とりわけ4号線の場合、各機関の運行区間によって地下鉄の運転方法が異なる。ソウルメトロは右側通行、KORAILは左側通行のため、ソウルメトロの運行区間となる南泰嶺駅とKORAILの運行区間となるソンバウィ駅の間では、線路が交差している。
崔仁準(チェ・インジュン)記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/02/03//2012020301403.html
まあ、上の事故はKORAILの問題だと認めるとしても、こちらの運賃値上げはソウルメトロの問題です。日本に比べればまだまだ安いと思いますけど、この10年ちょっとで2倍前後の値上げとなりますねえ。
ソウル市の公共交通料金値上げ 市と政府が対立
2012/02/03 21:31 KST【ソウル聯合ニュース】ソウル市が地下鉄とバスの初乗り料金を150ウォン(約10円)引き上げると発表したことをめぐり、同市と韓国政府が激しく対立している。政府はソウル市が25日から実施するとしている料金引き上げについて、ほかの自治体にも影響を与えかねないなどと批判しているが、ソウル市はこれに反論している。
ソウル市の料金引き上げ計画については、行政安全部が先月29日、物価安定を考慮し、引き上げの時期を下半期(7〜12月)に延期するよう市に求めていた。これに対し、ソウル市は赤字が膨らんでいることを理由に引き上げを決定した。
ソウル市の引き上げに対しては、企画財政部の朴宰完(パク・ジェワン)長官も3日、「物価不安心理を刺激し、ほかの自治体の引き上げにもつながりかねない」と批判した。
朴長官の批判を受け、ソウル市は同日、緊急会見を開いて反論。大邱や大田、光州、仁川、釜山などの自治体が昨年、公共交通料金を引き上げていることなどを挙げ、「批判は不正確な判断によるもの」と遺憾の意を示した。
ソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長は、公共交通の累積赤字が9000億ウォン(約614億円)に膨らんでいることを挙げ、「このままでは財政難になる恐れがある」と引き上げに対する理解を求めている。
ソウル市は政府に支援を要請しているが、朴長官は「すべての費用を政府に求めようとする発想は変えるべきだ」と述べ、受け入れない方針を示唆している。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Locality/2012/02/03/3000000000AJP20120203003900882.HTML