ソウル大学校をめぐる報道二題

天下のソウル大学校とはいえ、しょせんは数ある大学の一つに過ぎないとも言えます。けれども、その国内での存在感は、日本における東大をはるかに凌ぐとも言えます*1

まあ、それだけであれこれ言うのは自制しなければなりませんが、韓国社会を眺める上では、一つの重要な観察ポイントですね。

ソウル大の外国人留学生 3年で27%増
2012/11/05 20:10 KST

【ソウル聯合ニュースソウル大学国際協力本部は5日、同大に在籍する外国人留学生数(10月現在)が、学士・修士・博士課程に2080人、交換留学生などが321人の計2401人と集計されたと明らかにした。

 2009年(1891人)に比べ27.0%増加した。出身地域も2009年の89カ国・地域から今年は110カ国・地域に増加した。

 中国出身の留学生が726人で最多。次いで米国(253人)、日本(168人)、モンゴル(102人)の順で多かった。

 同大国際協力本部は「K−POPなどの韓流ブームで韓国に対する関心が高まり留学生が増加した」と分析。現在6〜7%の留学生の割合を今後さらに拡大する計画だと話した。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2012/11/05/0200000000AJP20121105003500882.HTML

そして、韓国の一極集中の焦点である首都ソウルも、ソウルってだけでは〈中心〉とは言えないわけです。

記事入力 : 2012/11/06 12:34
ソウルと地方のソウル大進学率、11年で格差2倍に

韓国開発研究院が報告書発表、年々格差が拡大

 ソウル市と地方のソウル大進学率の格差が、年々開きつつあることが明らかになった。

 韓国開発研究院(KDI)が5日に発表した「大学進学格差の拡大と機会公平性再考案」と題する報告書によると、高卒者1万人当たりのソウル大入学者数は、ソウルでは2000年の90.3人から11年には94.9人と4.6人増加した。一方で、六つの広域市(日本の政令指定都市に相当する地方都市)は、同期間に69.9人(2000年)から、42.7人(11年)へと27.2人も減少した。

 2000年に20.4人だったソウル・地方間の格差が、11年には51.5人と、11年で2倍以上に開いたわけだ。ソウル大が地方の学生を合格させるために05年に導入した「地域均衡選抜制」が効果を挙げていないと分析される。

 ソウル市内でも、地域ごとのソウル大進学率の格差が深刻だ。江南区や瑞草区はいずれも1999年と昨年、ソウル市内25区の中でもソウル大への進学率が群を抜き、全国トップクラスだった。

 江南区と瑞草区の高卒者1万人当たりのソウル大入学者数は、11年に江南区が173人、瑞草区は150人だった。二つの区のソウル大入学者数は、他の地域と比較して圧倒的に多かった。ソウルで3位の江東区のソウル大入学者数は、1万人当たり74人と、江南区(173人)の半分にも満たなかった。全国平均の50.2人に満たない区もソウル25区のうち15区(60%)に達した。

 一部の区は、ソウル大進学率が急激に低下している。1999年に江南・瑞草区に続いて3−5位だった銅雀区、西大門区、冠岳区の場合、12年後の2011年には、それぞれ15位、12位、23位と順位が低下した。同年、3−5位には江東区、松坡区、竜山区が入った。

 11年の場合、ソウル市内に15校ある特殊目的高校(外国語や科学などの分野で特別教育を行う高校)やソウルの「教育特区」である江南、瑞草、松坡の3区からソウル大に進学した生徒が、ソウル出身のソウル大入学者全体の65.7%に上った。さらに、陽川区、広津区、江東区まで合わせると、その割合は74.3%に達する。

 ソウルと地方間、またソウル市内の地域間の学力格差拡大の原因としては▲私教育(塾や家庭教師など学校以外の教育)業者が主にソウルや首都圏に集中している点▲ソウル・首都圏と地方間の経済格差−などが挙げられる。報告書によると、2010年に一般高校の生徒1人当たりの私教育費は、ソウルが1カ月当たり42万ウォン(約3万900円)だったのに対し、広域市ではこれよりも17万5000ウォン(約1万2900円)少ない24万5000ウォン(約1万8000円)だった。中学生1人当たりの月平均私教育費は、ソウル・広域市間の格差が6万ウォン(約4400円)だが、高校生ではその格差が3倍近くにもなっている。

 KDIのキム・ヨンチョル研究委員は「月平均の私教育費が10万ウォン(約7400円)上がれば、大学修学能力試験(修能=日本のセンター試験に相当)の成績が0.04等級上昇し、両親の経済的な地位や学校周辺の環境などが20%低下すると、四年制大学への進学率が約10ポイント低下することが調査の結果明らかになった」と話した。

シム・ヒョンジョン記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/11/06/2012110601232.html

http://japanese.seoul.go.kr/gtk/cg/cityhall.php?pidx=5


*1:関東地方における東大の存在感、と考えるとイメージ的に近いかもしれません。