何故この傷が疼き続けねばならないのか

それにはそれだけの理由があるのです。

愛知・刈谷の高2自殺:兄の進学「お役に」 弔問時、校長が不謹慎発言
毎日新聞 2013年02月22日 中部朝刊

 11年6月に愛知県刈谷市の県立刈谷工業高2年、山田恭平さん(当時16歳)が自殺した問題で、鈴木直樹元校長(61)=現刈谷市副市長=が遺族宅に弔問に訪れた際、恭平さんの兄(20)の大学進学について「お役に立てるのなら」と提案をしていたことが分かった。同校は当初、恭平さんの所属していた野球部で体罰があったことも公表しておらず、さらに自らの権限を利用して懐柔を図ろうとするような姿勢に遺族側は「不謹慎だ」と不信感を募らせている。【黒尾透】

 鈴木元校長は退職後、昨年4月から副市長を務めている。恭平さんの母優美子さん(43)によると、恭平さんの自殺が報道された昨夏、再び訪れ「発言を撤回したい」と話したという。鈴木元校長は毎日新聞の取材に対し、「大学の情報を伝えたつもりだった。誤解され、残念だ」と話している。

 優美子さんによると、鈴木元校長が弔問に訪れたのは11年11月6日の昼。愛知県教委には伝えずに一人で来て、恭平さんの父と会ったという。

 野球部や恭平さんのクラスの様子などを伝えた後、当時浪人生だった兄について「こういう立場(校長)にいるので、うまく大学に入れていくとか、大学関係者に頼むと入って行けるとか。校長のところにそういう人たちがよく来るんです。よかったらぜひ私に」と持ちかけた。さらに「私の気持ちとしてお役に立てるのであればやってあげたい。山田さんと縁があるわけですから」などと述べたという。

 遺族側は返答しなかったが、「不謹慎」として話には応じなかった。優美子さんは取材に「大学進学を保証する懐柔策ではないかと受け取った」と証言。学校は11年6月末に県教委に提出した報告書で体罰には言及しておらず、「心苦しく思っていたのだろう」とも語った。

 優美子さんによると、恭平さんは当時所属していた硬式野球部の顧問が体罰をするのを嫌っていた。恭平さん自身は殴られたことはなかったが、部を辞めようと学校に行かなくなり、顧問に呼び出しを受けた2日後に自殺した。

 学校は今年1月、体罰の記述を追加するなど報告書を修正すると遺族側に申し入れている。

 兄は1年浪人の後、大学に進学した。東海地方にある私立大学関係者は「一部大学は学生確保のため推薦入学に力を入れており、校長の推薦文は決め手になる」という。

http://mainichi.jp/area/news/20130222ddq041040014000c.html