「国立大風俗嬢」という見出しが踊る記事

週刊ポスト」なんてのを手に取る人の大半はオヤジ層だと思いますので、この記事も単なる風俗情報として読まれてしまう可能性があるのですが、違う角度から読むこともできるはずです。

少なくとも、『職業としてのAV女優』というのは、そのような本でした。

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

生活のために稼がないといけない金額の設定や、学生支援機構の「奨学金(という名の学生ローン)」を無視していること、またその他のバイトがまるでないかのような書き方には、必ずしも実態を反映していない「煽り」を感じますけど、ここで書かれているようなことがまったくないとも言えないでしょう。

学生の貧困もしくは若年層の貧困について考えるための、一つの切り口にはなる記事だと思います。

国立大風俗嬢「ちゃんと勉強したい学生ほど風俗バイト選ぶ」
2014.03.12 16:00

 経済が低迷する状況にあって、手っ取り早くお金を稼げる方法の1つが風俗。フリーライターで『職業としてのAV女優』著者の中村淳彦氏が、風俗・AV女優業界で働く女子大生についてリポートする。

 * * *

 いま親元を離れている大部分の学生は生活費をアルバイトで賄わなければならない。長期に及ぶ不景気によって親の平均世帯年収は下落の一途で、文部科学省「学生生活調査」によると親からの仕送りのみで就学が可能な学生は32%、73.1%の学生がなにかしらのアルバイトに従事している実態が明らかとなっている。

 平均的な仕送り額では家賃相当にしかならず、食費や光熱費、携帯代、交遊費などで10万円以上を稼がなくては学生生活を送ることができない。インターネットの高収入求人サイトには性風俗やAVプロダクションなどの求人情報が溢れて、メール一つで応募が可能になっている。

 しかし、この数年は性風俗もAV女優も志願女性が多すぎて供給過剰状態で、貧困のセーフティネットとしては機能していない。スタート地点に立つまでの競争が激しく、AV女優である程度の金額を稼げるのは応募者の30人に1人、性風俗では7割の女性が面接で落とされている。厳しい選抜が行なわれる中で18〜22歳という最も売りやすい適正年齢で、外見スペックも育ちもよくて知性もある難関大学、上位大学の女子大生が競争に勝っている。

 AV女優はプロダクションによっては稼働している8割が六大学、MARCHなどの現役女子大生だったり、若い女性が売りやすいキャンパス系のデリヘル、イメクラなどは本当に8〜9割が現役女子大生だったりする。

 千葉大学3年生の畑山理子さん(仮名・21)は千葉栄町のデリヘルに勤めている。北海道の両親からの仕送りは毎月8万円、週3回平均で出勤して25万円程度を風俗で稼いで学生生活を送っている。

「国立大学は地方出身の女の子ばかりだから、栄町で働いている千葉大生は本当に多いですよ。仕送り額にもよるけど、自分で10万〜12万円くらいは稼がないと生活できない。授業に出ながら普通のアルバイトだけでそのお金は稼ぐのは大変だし、両立するのは難しいです。

 単価が高めの塾講師とか家庭教師も働ける時間が短いし、ちゃんと勉強して卒業したいって学生ほど、水商売か風俗しかないってなります。学校では水商売や風俗のバイトをカミングアウトしている子はいないけど、地方出身でそれなりに可愛い子に限定したら半分くらいはいるかも」

週刊ポスト2014年3月21日号

http://www.news-postseven.com/archives/20140312_245321.html