豊台区というのは、北京市街地からは西南に位置する区です。盧溝橋があるところ、と言えば、イメージしやすいでしょうか。
この地区との関わりは、「豊台駅」を見に行こうとしてけっきょく見れなかった1年前の体験がすべてです。
その後、北京をよく知る人に話を聞いてみると、北京市の中でも単に郊外だというだけでなく、生粋の北京っ子や、北京大学や清華大学に通うようなエリート層にはあまり縁がなく、北京でその地区出身であることを口にするのは何となく……というようなイメージらしいのです。
東京都葛飾区と友好都市提携を結んでいるということですね。ソウルで言うと…九老区とか、そのへんの感じでしょうか。
…うーん。それは、気になるやないですか。歩きたくなるやないですか。
では、手始めに、前回のリベンジをしませんと。目指すは、まだ影も形もない新しい方ではなく、1889年に開業した方の豊台駅です。
そこを目指すために降りるべき地下鉄駅は、10号線の豊台駅ではなく、9号線の豊台東大街駅です。
で、南北に走る東大街を南に歩きます。途中のバス回転場を過ぎると、少し道幅が狭くなります。
そして、道なりに突き当りを右に折れて、正陽大街を歩いていくと、線路沿いに建物が並ぶ豊台駅が見えてきます。聞いていた通り、少なくとも旅客駅としての業務はすでに行なっておらず、鉄道業務としてはいちばん左手の建物で切符の販売のみ行っているようです。
駅前の正陽大街の界隈は、北京東駅よりは賑やかで、総合病院や高層アパートが並んでいます。ただ、駅前道路はせいぜい片側一車線、全体的にせせこましさは否定しがたく、未来の北京の補助ターミナルの役目を担うにはちょっと厳しい立地ですね。
さて、1年越しでこの駅の現況を確認した後は、正陽大街を正陽大橋まで歩いて、そこから南に鉄路をくぐりますよ。