【福岡の風景】福岡県護国神社

下記の記事の関連です。

【福岡の風景】福岡陸軍墓地(谷公園)

上の記事で、福岡陸軍墓地の維持管理や地震被害の修復などは「民間有志」が担っていると記しました。で、その「民間有志」の様子を見てみると、例えば大阪・真田山陸軍墓地などとはやや雰囲気が異なります。

真田山の場合、地域住民と研究者のグループによる調査が先行していたように思います。その意味で、墓地の保全に尽力されている方々の間では「陸軍墓地の歴史的意義を学術的に考える」という姿勢が当たり前のものとなっていました。

旧真田山陸軍墓地とその保存を考える会

公益財団法人真田山陸軍墓地維持会

真田山関連では、過去にこのあたりの記事を書いています。

真田山陸軍墓地の納骨堂…と、小田山の忠霊堂

「戦争とお墓」の諸相

承前・「戦争とお墓」の諸相

ただ、いま読み返してみると、どうも産経新聞が絡んできたあたりから、私が知っているのとは違う流れが入り込んで来ている気がするのですが…。

2015.8.8 20:02更新
祖国のため命を捧げた先人たち「国主導の慰霊を」 旧真田山陸軍墓地シンポジウム


旧真田山陸軍墓地の保存について考えるシンポジウム「今、旧陸軍墓地は」=大阪市中央区

 全国最古、最大の旧陸軍墓地、真田山陸軍墓地大阪市天王寺区)の保存活動について考えるシンポジウム「今、旧陸軍墓地は」(産経新聞社など後援)が8日、大阪市中央区のタカラベルモントホールで開かれた。

 明治4年に設置された旧真田山陸軍墓地には、明治時代の西南戦争から日清、日露戦争、先の大戦などで戦死した旧陸軍将兵らの約5100の墓碑があり、納骨堂には8200柱以上の遺骨が眠る。シンポジウムを主催した公益財団法人・真田山陸軍墓地維持会(吉川秀隆理事長)が維持、管理している。

 基調講演で、佐藤正久参院議員は「国のために命を捧げられた方を思い、慰霊・顕彰を大切にしなければいけない」と強調。「真田山(陸軍墓地)を大切に、次の世代につないでいく必要がある」と訴えた。

 パネルディスカッションでは、納骨堂が老朽化し、墓碑の9割近くに劣化が生じている現状について同維持会の永田綾奈学芸員が報告した。宇都隆史参院議員の秘書は、真田山を含め戦没者の慰霊や遺骨帰還事業が民間主導で行われてきた戦後の経緯を説明。「国が墓も守らず、遺骨も戻してくれないという状態が続いていいのか」と述べ、国の主導による慰霊・顕彰の必要性を訴えた。

 司会の近藤豊和・産経新聞東京本社正論調査室長が「祖国のために命を捧げた先人たちに思いをはせ、現代に生きる者は力、勇気をいただいて国をさらに発展させる。共通の思いを一人でも多くの人が持つことができれば」とあいさつ、閉会した。

          ◇

 詳報は後日、月刊正論に掲載します。

http://www.sankei.com/west/news/150808/wst1508080071-n1.html
http://www.sankei.com/west/news/150808/wst1508080071-n2.html

これだと、福岡とあまり変わらなくなってるなあ…。

ともあれ、ここのところしばらく行っていませんので、来年の真田関連でゴタゴタしないうちに一度再訪しておきましょうかね。


閑話休題。福岡の話でした。で、福岡陸軍墓地の場合、地域住民や研究者というよりも、例えば福岡県護国神社の奉賛者の方々などと、人脈的にかぶっているように見えます。いっぽうで、真田山のような「学術調査」という要素は、あまり見えてきません。

もしかしたら、大阪と比べて陸軍墓地護国神社とが近い場所に立地しているという事情も、影響があるのかもしれません。

実際、護国神社自体も、陸軍墓地には積極的に関わっているようです。

陸軍墓地清掃奉仕|福岡縣護国神社のブログ

2015.9.21 07:00更新
明治維新で活躍、志士の墓前祭 福岡県護国神社が主催

 明治維新で活躍した志士を追悼する「墓前祭」が20日、谷公園(福岡市中央区)で開かれた。福岡県護国神社の主催で、福岡藩士の子孫ら20人が参加。志士をまつる公園内の陸軍墓地で志士らの偉業に思いをはせながら、冥福を祈った。

 田村豊彦宮司は「情報のない時代に国際情勢の危うさを五感で感じとり、国のために立ち上がった志士の気概を引き継ぎたい」と挨拶した。

http://www.sankei.com/region/news/150921/rgn1509210032-n1.html

というわけで、陸軍墓地に続いて訪れてみた福岡県護国神社とは、こんな感じのところです。

陸軍墓地から歩くと、こちら側の鳥居をくぐって境内に入ることになります。





「招魂社」と掲げられた石鳥居のあるこの場所、たぶん招魂斎庭だと思うのですが、特に案内はありません。


この像の建立発起人の団体名に、福岡陸軍墓地に関連するものが見えます。


福岡城跡や大濠公園に隣接した都心部と言っていい場所にあって、広い敷地と鎮守の森を擁するこの護国神社では、ちょうど結婚式が執り行われていました。

道路を挟んで福岡城に向かいあったこちら側が、たぶん護国神社の正門なんでしょう。

大鳥居の場所から立派な銅像が目に付いたので、誰かと思ったら、広田弘毅・元首相でした。そうか、福岡出身だったんですね。


向かい側の福岡城跡に天守閣などはありませんが、そこから大濠公園越しにKARAのライブ会場方向を見渡す眺めはなかなかのものです。