バレーボール・Vリーグのプロ化推進を断念

「ん?なんで今さら20年も前のニュースを蒸し返してるん?」と思ったら、最新ニュースでしたか。

Vリーグ、プロ化推進を断念 参加希望チームがゼロ
能田英二、忠鉢信一 2017年5月25日05時07分

 日本バレーボールリーグ(Vリーグ)機構が2018年の発足を目指したプロ化を推進する「スーパーリーグ構想」が計画通りに実現しないことが24日までにわかった。同機構は当初、6チーム以上が参加希望を表明すれば、新リーグの実行準備委員会を立ち上げる計画だったが、参入を表明するチームが男女ともなかった。Vリーグは今後、最高峰のプレミアリーグを、男子はチーム数を現状の8から10、女子は8から12に増やし、「スーパーリーグ」の名称で継続する。詳細を31日に発表する。

 Vリーグ機構は昨年9月、各チームの法人化やホーム・アンド・アウェー方式の導入などを条件に「スーパーリーグ構想」を掲げた。しかし、複数のチームが、参入に二の足を踏むチームに配慮して「リーグが分裂することなく、新リーグに移行すべきだ」と反対意見を出した。

 Vリーグは94年、プロ化を掲げて日本リーグを再編して発足。98年の完全プロ化を目指したが、頓挫した経緯がある。現在は、男子の新日鉄堺ブレイザーズとなるなど、チーム名から企業名を外し、運営会社が独立採算を目指すチームも出てきたが、グループ企業の一体感や福利厚生に主眼を置いた旧来の企業スポーツの活動で成り立つチームも多い。関係者によると「Jリーグなどの影響で理解を示す企業もあったが、機構側はチームに決断を迫れなかった」という。(能田英二、忠鉢信一

http://www.asahi.com/articles/ASK5S3H7KK5SUTQP00J.html

バレー、18年から新リーグ構想 チームに経営自立促す
原田亜紀夫 2016年9月20日23時31分

 バレーボールのプレミアリーグなどを主催する日本バレーボールリーグ機構は20日、東京都内で記者会見し、2018年秋の開幕を目指す「スーパーリーグ」の構想を発表した。企業からの支援の受け方や地域密着が課題となっているVリーグ改革の一環で、チームの自立を段階的に求める。

 新リーグは最大で12チーム。11月末までに「参入意向表明書」を機構に提出したチームが男女それぞれ6チーム以上あった場合に発足する。

 新リーグに参加するには、チームの運営母体がバレーボール事業の法人になることや、主催試合の80%以上を収容3500人以上の体育館で開催することなどが条件となる。チーム名はホームタウンの地名に加えて、企業名も入れられる。選手はプロアマ混在で従来通り。(原田亜紀夫)

http://www.asahi.com/articles/ASJ9N452TJ9NUTQP00H.html

んー。正直、厳しいと思います。

個人的な記憶では、日本バレーボールの人気・知名度の最盛期は1980年代から1990年代後半まで。男子の新日鉄富士フィルム日本鋼管(NKK)にNEC・サントリー、女子では日立・ユニチカにNEC・イトーヨーカドーダイエーあたりの古豪・新勢力が入り乱れて上位に並ぶ「今は昔」の時代です。

1995年、阪神大震災の年のダイエーオレンジアタッカーズ初優勝、そして1998年、休部発表後の2度目にして最後の優勝は、ダイエーファンには今も忘れ難い記憶です。その後は、長らくトップクラスのチームを持っていた大企業が次々と撤退し、リーグの維持にも汲々とする、長い長い「冬の時代」に入ったと認識しています。

オレンジアタッカーズ - Wikipedia

www.vleague20th.com

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当時は、選手に知り合いがいたこともあって、黒鷲旗にもリーグ戦にもよく足を運んでいましたが、ずいぶん長らく遠ざかっています。ただ、それはそれとして、傍から見ていて、1990年代に突破できなかった壁をここにきて越えられそうな機運が高まっているとは、ちょっと思えないんですよね。

前回の「挫折」の時もそうでしたけど、機構側とチーム運営側が同じ方向を向けていないし、そもそも機構側の構想に各チームを説得するだけの「力」がなかった、ということだと思います。この20年で条件整備は進んでいない、というか、かつてのレベルに戻ってもいない気がするんです。

全日本*1のオリンピックでの活躍の度合いとも比例しているように思いますけど、球技の中でもバレーボールは人気・知名度で「地盤沈下した感」がとりわけ強いです。その苦境をどう克服すればいいのか、私にも妙案はないのですけど…。

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追記:毎日新聞にもっとハッキリ事情を書いた記事が載っていました。「改革を進めるため、機構はチームへの根回しをしないまま構想を発表した」って…ええーっと、もしもし?

www.youtube.com

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バレーボール プロ化構想検討継続 来年4月末まで
毎日新聞 2016年12月28日 大阪朝刊

 日本バレーボールリーグ機構は27日、2018年秋の発足を目指すプロリーグの「スーパーリーグ」構想について、実行するかどうかの検討を来年4月末まで継続すると発表した。12月末までに決める予定だった。完全ホームアンドアウェー制など当初の構想の実施は困難な見通しだ。

 機構は9月、プロ化構想に賛成するチームが、男女それぞれで6チームを上回れば、新リーグ発足に向けた動きを本格化すると表明した。プロ化構想の理念を浸透させるため、1部に当たるプレミアリーグのチームでも賛同しない場合は、スーパーリーグから外れ、非プロチームのリーグへ「分裂」することも辞さない構えだった

 改革を進めるため、機構はチームへの根回しをしないまま構想を発表したが、一部のチームは機構の姿勢に反発。その後、プレミアリーグの全チームは機構に「分裂することなく、一体となって新リーグに取り組むべきだ」という申し出を行った。チーム側の反発に対し、機構は妥協点を探るため、今後機構の改革案とチーム側の要望を擦り合わせていくという。関係者は「結局、玉虫色になった。事実上の失敗だ」と話す。

 機構は、ホームアンドアウェーでチーム自体が試合を運営し、入場料を運営資金とすることを目指していた。バレーボールは1994年に日本リーグVリーグと名称を変え、98年までのプロ化を目指したが、企業から反対の声も出て断念した過去がある。【小林悠太】

https://mainichi.jp/articles/20161228/ddn/035/050/038000c

*1:やっぱり、バレーボールは「日本代表」ではなく「全日本(ぜんにっぽん)」と呼ばないと…。逆にサッカー日本代表なんかを「全日本」呼ばわりは、やっちゃうと恥ず(以下略)