この年齢になってもなお、さらに議論し、修正し、出版する意欲を持ち続けていること自体が稀有なことです。どのように改訂復刊されるか、興味が出ますね。
個人的には、水田珠枝『女性解放思想の歩み』を手許に置いて何度か読み返していたことがあります。古典的名著であると思います。
社会科学の考え方―人間・知識・社会 (1975年) (講談社現代新書)
- 作者: 水田洋
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1975
- メディア: 新書
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- 作者: 水田珠枝
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1973/09/20
- メディア: 新書
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- 作者: 水田洋,水田珠枝
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 1958
- メディア: ?
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99歳の名大名誉教授、夫婦で40年前の著作復刊へ
中部 2018/9/22 13:27名古屋大名誉教授の99歳の学者が、約40年前の自身の著作の復刊に取り組んでいる。「自分の研究は『社会』と言いながら、女性や家庭の問題を見てこなかった」。女性史を専門とする妻(88)と共同で内容を見直し、「女性差別は歴史的につくられたもの。社会の努力で変えることができる」と訴える考えだ。
約40年前の著作の復刊に取り組む水田洋さん、珠枝さん夫妻(名古屋市)=共同夫妻は水田洋さんと珠枝さん。社会思想史が専門の洋さんは18世紀の英国の経済学者アダム・スミスの世界的研究者、名古屋経済大名誉教授の珠枝さんは女性史研究の先駆けとされる。復刊を目指すのは、洋さんの1975年の著作「社会科学の考え方」だ。
「今の時代、女性や家庭の問題を抜きに社会科学は考えられない。でも、自分にその能力は無かった」と洋さんが執筆分担を提案。快諾した珠枝さんだが「気付くのが遅すぎる」と苦笑する。
洋さんが東京商科大(現一橋大)特別研究生、珠枝さんが津田塾専門学校(現津田塾大)の学生だったときに出会い、結婚した。ともに研究者の道を歩んだが、2人で取り組むのは58年に「社会主義思想史」を共著で出版して以来となる。
「自由で平等な個人、という近代人の理念について研究してきたが、それは男が中心の考えでもあった」と洋さん。珠枝さんは「それを批判する形で、フェミニズムの思想と運動が生まれた」と切り返す。
草稿やアイデアを持ち寄り、何を書き足すか議論を重ねる日々。珠枝さんは「女性が歴史の中でどう論じられてきたのかを見直し、今日の女性問題の起源を探りたい」と意気込んだ。〔共同〕
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35674940S8A920C1CN0000/