今回、とりあえずこれだけは観ようと決めていたのが「鳳梧洞戦闘」です。
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理由?そんなもん、北村一輝が出ているからに決まっています。
『天気の子』醍醐虎汰朗・北村一輝ら、話題の韓国映画で「日本軍」を熱演
2019年08月14日 映画 #韓国映画韓国映画『鳳梧洞戦闘』(原題)に出演した、日本人俳優たちのスチール写真が公開された。
同作は、1920年6月に遡って大韓独立軍が日本軍を相手に初めて勝利を勝ち取る様子を描いている。
ウォン・シンヨン監督によると「日本人俳優が日本軍を演じてくれれば、映画の息吹と価値が増すと思った」らしく、日本軍役には日本人の俳優を起用。
まず、独立軍を討伐するために加わった追撃隊大将ヤスカワジロウ役は、人気俳優の北村一輝が演じている。
映画『猫侍』『シグナル 長期未解決事件捜査班』などで韓国でも知られるようになった北村は、百戦無敗を誇る“戦争狂”ヤスカワ役を完璧に表現した。狂気に駆られた目つきが、戦闘の緊迫感を漂わせる。
(写真提供=ショーボックス)『イップ・マン 序章』『マンハント』など数多くの作品に出演し、重みのある存在感を放ってきた池内は、ヤスカワの右腕であるクサナギ役に扮した。
度重なる戦争によって取得した知略で独立軍を追撃するクサナギは、特有のカリスマで独立軍の闘争をさらに劇的なものとし、観客を没頭させる。
(写真提供=ショーボックス)独立軍の捕虜になった若い日本軍ユキオ役に扮するのは、アニメ映画『天気の子』の主人公を演じた醍醐虎汰朗。
彼は独立軍と一緒に過ごしながら複雑な感情を抱くユキオを、繊細に演じあげた。
(写真提供=ショーボックス)日韓の俳優たちが熱演を繰り広げた映画『鳳梧洞戦闘』。公開4日で観客動員数100万人を突破し、1日で200万人を突破するなど、じわじわと注目を集めている。
なので、初日の半端な時間を東大門のメガボックスで過ごしたわけです。
3人の日本人俳優は、それ相応の重要な役どころを、しっかり演じ切っていましたよ。日本軍の指揮官役である北村一輝と池内博之はもちろん、捕虜となった醍醐虎汰朗の演技も光っていました。韓国の俳優だとイヒョヌを思い起こさせるような。
北村一輝に至っては、他の主役陣を圧倒するような存在感を全開にしてます。これが斑目久太郎の転生した姿だというのですから、輪廻というのは何がどうなっているのかよくわかりません。
で、肝心の作品内容ですが。
これ、リアルな戦闘シーンを見せる戦争映画だと思っていると、イラっとすると思います。多少なりとも実証的な観点で見ようとすると、北村一輝の(薄皮一枚分、辛うじて「猫侍」的な)登場シーンでいきなり衝撃を受けることになるでしょう。
いや実際、戦闘の描写について言えば、これは完全にマンガですよマンガ。揶揄ではなく、全くもって文字通りの意味で。
いったい誰が、こんな映画で月の輪の雷蔵の必殺技を見せられると予想できますか?
監督以下制作陣は、もちろん考証はしたのでしょうけど、2時間を超える映画作品を満たすだけの資料があるわけではないはずです。筋としてはとりあえず実話ベースであるにしても、描かれている個別場面について事実かどうかを問うことにはほとんど意味はないですし、そこにこだわるだけ無駄です。作品としては「そこはどうでもいいところ」なのです。
この映画のキモはむしろ、「この映画を通して何を表現したかったのか」という部分にこそあると思います。
重厚な演技で圧巻の存在感を見せていた北村一輝がユヘジンごとき*1に切り刻まれることによって、製作者の意図は表現されていると、私は考えます。基本的には全編を通じて、とりわけ最終盤の戦闘において、製作者が表現しようとしたものは何か。それを、「私たちはどう受け止めたか」という観点をいったん脇に措いて、想像してみてはいかがでしょうか。
ま、そのへんを含め、北村一輝の役者としての評価も併せ、観ずに判断するのはやめましょうや。
北村一輝はなぜ韓国「反日映画」出演を決めたのか?
芸能週刊新潮 2019年5月30日号掲載今夏、韓国で「戦闘(セント)」なる反日映画が公開予定だという。が、これもまた、ずいぶん史実が曲げられた作品なのだとか。またか、と冷めた視線を送れば、なんと、あの北村一輝(49)が出ているではないか!
徴用工をテーマにした「軍艦島」(2017年)しかり、慰安婦問題の「鬼郷」(16年)しかり。いくら娯楽といえど、近年の韓国映画は度を越している。日本人は悉(ことごと)く悪し様に描かれ、蛮行の限りを尽くすのだ。
韓国の映画会社関係者が打ち明ける。
「『戦闘』は、日本統治時代に活躍した独立活動家が率いる抗日ゲリラ団の戦いがテーマ。今年は、日本の朝鮮半島統治に抵抗して起きた三・一独立運動から100周年ということもあって、分かりやすい反日映画になっています」
そのなかでクローズアップされるのは、
「1920年6月に起きた、鳳梧洞(ポンオドン)戦闘です。日本人にはまったく馴染みのない戦闘ですが、韓国では教科書にも載っていて、ほとんどの国民が知っている。三・一独立運動後、各地で繰り広げられた独立軍と日本軍の戦いのうちの一つであり、初めて日本軍に勝った戦闘という位置づけなのです」
実際のところは、独立軍が日本軍の追っ手を山中でちょっと反撃した程度。だが、日本軍戦死者は157名、重傷約200名、軽傷約100名。対する独立軍の戦死者は1名、重傷2名、軽傷3名と大喧伝されている。
韓国の百科事典などには、これと似かよった戦闘結果が記されているものの、それはあくまで彼の国の認識でしかない。
北村本人の判断
先の映画会社関係者曰く、この作品における北村一輝の役どころは、
「鳳梧洞で戦ったとされる日本軍の冷酷な少佐ですが、北村さんクラスの日本人俳優がこのような反日映画に出たなんて、記憶にありません。こちらのスタッフのなかでも、“彼のような人気俳優が出て大丈夫なのか”との声が上がっていたんですから」
撮影期間は昨年8月から年末にかけて4カ月ほど。すでに撮り終わっているが、
「事務所は反対の意向だったといいます。明らかな反日映画ですから。仮に『戦闘』が史実とかけ離れ、日本国内で問題視されれば、彼が起用されているキリンビールなどのCM打ち切りの可能性だってある。なのに、“どんな役でもこなすのが俳優”という彼の信念で出演が決まった。事務所ではなく、北村さん本人の判断だったようですよ」
彼が人気俳優たるゆえんは、その信念にある。ゲイを演じるときはゲイバーに通いつめ、チンピラを演じるために歯を5、6本抜くといった、役者魂溢れるエピソードは枚挙に遑(いとま)がない。スポーツ紙の芸能担当記者が懸念する。
「そんな北村は、今年9月からのNHK連続テレビ小説『スカーレット』でヒロインの父親役を演じます。NHKの朝の顔ともなる彼が、売国奴と詰(なじ)られかねないこの手の映画に出るのは解せません。リスクが大きすぎますよ」
北村自身にその了見を聞いてみたかったが、所属事務所は、「情報解禁がまだなので取材にはお答えできません」の一点張り。産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏はこう語る。
「史実に反していると指摘されようと、“日本人が悪いことをしたのに変わりはないでしょ”というのが韓国。細部はどうでもいいのです。ただ、韓国では次第にそうした風潮への批判も広まっている。また今年も“イルポン”をやるのか、というんですね。日本を意味する“イルボン”と“ヒロポン”のポンをかけて“イルポン”。反日愛国映画は、国民を一時的にスカッとさせようとする手段だと揶揄しているわけです」
むろん、どんな映画の役でも引き受けた以上は台本通り演じ切るのが役者の本分で、それが北村の信念でもあろう。ただ内容如何によっては、あらぬ批判の代償が待ち受けるやもしれぬ。
*1:ここで言っているのは、役者としての格の話ではなく、役柄の格の話です。