世宗市(予定)・銀河水公園

朝7時台のムグンファ号に乗って南へと向かう。

所要時間は1時間半ほど。目的地は조치원(鳥致院)である。鉄道よりもバスのほうが便利なところが多い韓国の中で、ここは鉄道のほうが便利な数少ない場所の一つである。KTXこそ通らないものの、京釜線・湖南線・全羅線の全てのムグンファ号と一部のセマウル号が、ここには停車する。1時間に1本しかないソウル行きの高速バスに比べれば、利便性では鉄道が勝ると言ってよい。

ここはもともと交通の要所であり、高麗大学校や弘益大学校の第2キャンパスもあるのだが、最近ではいわゆる「世宗市」の最寄りとして知られている。

つまりはここで書いた銀河水公園に行くために、鳥致院に来たわけだ。

事前に少し調べて、鳥致院駅前のバス停留所で時刻表も読んでみたのだが、結論から書くと、公共の交通アクセス手段は存在しない。行き帰りともにタクシーを使うしかないし、帰りはタクシーを呼んでもらうしかない*1

実際、「世宗市予定地」と言っても、現時点では周辺には造成工事現場と未開通の道路しかないので、流しのタクシーすら来るようなところではない。


オープンから1週間経っていないが、火葬場はすでに稼動していた。次々と遺族がバスでやって来る。


ここを見る前は、「もしかしたら自分が、銀河水公園にやってきた最初の日本人か?」と思ってもいたのだが、何のことはない、火葬の炉は日本製であった。この辺は民間のSKグループによる施工であるせいもあるだろうが、「火葬先進国・日本からそのノウハウを取り入れる」という姿勢は、火葬に関する限りは他でもしばしば見聞する。

その他、納骨堂もこんな感じで存在する。一通り見た限りでは、まだ納骨された例はないようだった。






この納骨堂も日本製が導入されているとのことだが、素材・採光・動線配置やレイアウトなど、韓国における葬祭設備の最先端を行くものであることは間違いない。広く取られた自然葬・樹木葬のスペースも含めて、今後ここが韓国の葬祭施設のモデルとなることはおそらく確実だろう。もちろん国立墓地も、その例外ではない。


*1:ちなみに、鳥致院から銀河水公園までの行きのタクシー代が12500ウォン、帰りはコールタクシーということで20000ウォンを払った。