【水原の風景】水原市蓮花場

以下は、この二つのネタの間に挟まるものです。

【水原の風景】水原総合運動場とKTウィズパーク

映画「国際市場」を観る。

水原総合運動公園の前から65番のバスに乗り、いったん市内に戻ってから郊外のニュータウンを経由して、車庫前の終点まで乗ります。


道はさらに続いていますので、徒歩でさらに進んでいくと、そこにあるのは水原市の総合葬墓施設・水原市蓮花場です。2000年に竣工したここは、火葬場に葬礼式場・納骨堂・自然葬地を備えたワンストップ型施設として、韓国内でもかなり先駆的なところです。北側を高速道路が走る他の三方は山緑地に囲まれており、周囲からはあまり目立ちませんが、必ずしも僻地にあるわけでもなく、住宅地やゴルフ場からもそれほど遠くないという立地です。




水原市蓮花場と言えば、とりあえず有名なのは、これでしょうか。

盧武鉉大統領追悼碑、除幕式の模様

ここで荼毘に付された廬武鉉元大統領の追悼碑は、敷地に入ってすぐに見える四角い葬礼式場の裏側にある、丸い昇華院(火葬場)の前に設置されています。


昇華院の外壁には、ここで廬武鉉元大統領が火葬されたことを伝えるプレートもはめ込まれています。


そして、追悼碑の他にも多くの詩碑が置かれている芝地を通って南へまっすぐ歩を進めると、その突き当りには無縁者などの遺骨を集める「유택동산(幽宅の丘)」があり、その右手には自然葬地が広がっています。



自然葬地は、芝地を区切り、そこに小さな石板を並べていく形式のものです。一人当たりの面積が小さいためか、これくらいの敷地面積でも大半が未使用地であり、将来的にもまだまだ余裕がありそうです。





さて、ここからぐっと戻って、また見ていなかった追慕の家(納骨堂)も見ておきます。幽宅の丘‐昇華院‐葬礼式場‐追慕の家は、南から北へと一直線に並び、蓮花場の軸線を形成しています。


この中は円筒形の4階建てになっています。納骨壇は石版で蓋をするタイプと透明アクリル板で蓋をするタイプの両方を見ることができます。そこに飾る造花の枠は、葬礼式場の売店で売っていることもあり、よく使われています。こうして飾りをつければ、他にもいろいろ貼り付けたくなるのが自然の流れでしょうから、写真や手紙の類も数多く見られます。


設置されてからそれなりに年月を経て、納骨されている人もかなり多いのですが、空いている納骨壇や納骨壇未設置の部屋も見受けられますので、受け入れの余力はここもまだかなりありそうです。


ここなどは無縁故、もしくは身元不明者の遺骨を収容しているところだと思われます。今はまだ余裕があるのでいいのですが、この納骨堂が本格的に混み合ってくれば、こうした人たちからどこかへ移されていくのでしょうね。

ま、だいたいこんなところですかね。全体的によく計画されていて、雰囲気にも暗さが少なく、歩いて回った限りでは水原市民の間で特に嫌悪感なく受け入れられているようです。

ちなみに、この施設について日本語で解説している文献には、こんなのがあります。梗概集なのでそんなに長いものではありませんが、興味のある方はどうぞ。

CiNii 論文 - 5019 韓国水原市蓮花場にみる火葬場に対するイメージアップの方策について(都市の公共施設と公共空間,建築計画I)

というわけで、乗ってきた65番のバスに再び乗り込み、水原駅を経由せずに安養駅を直接目指すことにします。