「光州事件30周年」の続報あれこれ

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記事入力 : 2010/05/19 13:53:22
光州事件30周年:記念式典、異例の分散開催(上)
『あなたのための行進曲』斉唱の排除に市民団体などが反発

 5・18光州民主化運動(1980年5月18日に光州で起こった民主化要求、光州事件)30周年記念式典は、公式追悼曲をめぐる国家報勲処(国家功労者を礼遇し、軍人・退役軍人の支援事業を行う省庁)と「5月団体」(犠牲者の遺族会、負傷者の団体、逮捕された負傷者の団体の総称)、そのほかの市民団体の対立により、会場を2カ所に分散して行うという異例の事態となった。これは、5・18光州民主化運動記念式典が政府の公式行事として行われるようになった1997年以降、初めてのことだ。

 18日午前10時、国家報勲処の主催による記念式典が行われた、光州市北区雲亭洞の国立5・18民主墓地。「民衆の国歌」といわれる『あなたのための行進曲』の斉唱は、式次第にはなかった。「愛も名誉も名前も残さずに…」という歌詞で始まるこの歌は、5・18光州民主化運動の当時、市民軍のスポークスマンだった故ユン・サンウォン氏と、故パク・ギスン氏の「死婚式(結婚前に死亡した男女を結婚させ、魂を鎮める)」をモチーフにして作られたもので、1982年に発表された。それ以降、デモの現場でたびたび歌われ、代表的な民衆歌謡(民主化運動や労働運動、学生運動などの闘いの中で作られた歌)として定着し、2004年からは5・18光州民主化運動記念式典の公式追悼曲として斉唱されてきた。だが、国家報勲処はこの歌が、「国家行事の性格と相容れない」との理由を挙げ、昨年に続き今年も式次第から除外した。報勲処は昨年、別の追悼曲を選定しようとしたが、「5月団体」や光州市民の反対により中止を余儀なくされた。

 今年の式典でも、『あなたのための行進曲』の斉唱が式次第から除外されたため、「5月団体」の代表者や一部の会員らが政府に抗議し、式典への参加を取りやめた。また、式典開始の10分前には、「5月団体」のメンバー約100人が、墓地の「民衆の門」の下に集まり、『あなたのための行進曲』を10分間歌いながら、「この歌を追悼曲から除外することは、5・18光州民主化運動の精神を否定するものだ」と抗議した。さらに、式典が始まり、鄭雲燦(チョン・ウンチャン)首相が式辞を述べる最中、メンバーらが検問所を突破して会場に乱入し、警察官ともみ合いになった。メンバーらは式典が終わるまで、40分にわたって会場に居座り、同曲を歌いながら、政府を非難するスローガンを叫び続けた。

 同じころ、墓地から1キロほど離れた、かつての犠牲者の共同墓地でも、別の「5・18光州民主化運動30周年記念式典」が行われた。政府主催の式典で『あなたのための行進曲』が排除されたことに抗議し、光州市の市民団体によって結成された「5・18民主抗争記念行事委員会」が、独自に行った記念式典だった。

http://www.chosunonline.com/news/20100519000055

「かつての犠牲者の共同墓地」とあるのは、たぶん「5.18旧墓地」だと思います。また、「死婚式」を挙げたというユン・サンウォンとパク・ギスンの墓碑は、こちらに写真があります。

記事入力 : 2010/05/19 13:53:55
光州事件30周年:記念式典、異例の分散開催(下)
『あなたのための行進曲』斉唱の排除に市民団体などが反発

 犠牲者の遺族や市民団体、政治家など約100人が参加し、50分間にわたって行われた式典には、野党・民主党の朴柱宣(パク・ジュソン)最高委員や、姜除・ウ(カン・ギジョン)、李庸燮(イ・ヨンソプ)両議員、姜雲太(カン・ウンテ)光州市長候補など、地元選出の国会議員10人のほか、民主労働党の姜基甲(カン・ギガプ)代表、韓国進歩連帯のオ・ジョンヨル常任代表らも出席した。

 朴議員は「民主党を代表し、地元選出の国会議員全員が、真の5・18光州民主化運動記念式典に出席した。光州と『あなたのための行進曲』を共に生かそう」と述べた。そして、式典の最後には手を取り合い、スローガンを叫びながら『あなたのための行進曲』を斉唱した。

 一方、政府主催の記念式典には、与野党の執行部が大挙して参加した。与党ハンナラ党からは鄭夢準チョン・モンジュン)代表、鄭柄国(チョン・ビョングク)らが、民主党からは丁世均(チョン・セギュン)代表や朴智元(パク・ジウォン)院内代表、孫鶴圭(ソン・ハッキュ)共同選対委員長らがそれぞれ出席した。なお、李明博(イ・ミョンバク)大統領は、昨年に続き今年も出席しなかった。

 李大統領は、鄭首相が代読した式辞で、「光州市民の犠牲があったからこそ、韓国の民主化は平和裏に実現した。今年で30周年を迎えた5・18光州民主化運動の精神は、時がたつにつれ若返る、大きな川の流れとなり、韓国の民主主義の新たな流れとなっていかなければならない」と述べた。

 一方、ハンナラ党の鄭代表サイドは、この日午前にソウル広場で行われた記念式典に花環を供えたものの、1時間後に交換する事態となった。

光州=チョ・ホンボク記者

http://www.chosunonline.com/news/20100519000056

ちなみに、ここで問題になっている「あなたのための行進曲(임을 위한 행진곡)」とは、こういう曲です。2004年の記念式典では、盧武鉉大統領参席のもと、このように演奏されています。映画「光州5.18」のエンディング、イヨウォンだけが笑っていないあの印象的な画面のバックに流れていたのも、この曲です。


国家報勲処主導でそんなゴリ押しを通した日には、それはまあ、揉めるでしょう。

記事入力 : 2010/05/19 14:00:34
光州事件:追悼曲問題、与党議員も批判
 5・18光州民主化運動(1980年5月18日に光州で起こった民主化要求、光州事件)30周年記念式典が18日午前、光州市北区雲亭洞の国立5・18民主墓地で行われ、鄭雲燦(チョン・ウンチャン)首相や与野党の政治家らが出席した。

 与党ハンナラ党鄭夢準チョン・モンジュン)代表は、式典終了後に光州市支部で行われた中央選対委員会の席上、「5・18光州民主化運動以降の30年は、韓国の民主主義と自由のけん引車の役割を果たした、偉大な30年だった。光州市民と全羅南道民は、過去の過ちを許す勇気、和解に向けた包容力を見せてくれた。この地を民主化の聖地とすることにより、大韓民国の未来を切り開いていくべきであり、われわれが和解し合えば、より大きな力を得られるようになる」と述べた。

 一方、野党・民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は、光州市支部で開いた記者懇談会で、「30周年という節目にもかかわらず、李明博(イ・ミョンバク)大統領は記念式典に出席せず、(鄭首相が代読した)式辞でも中道・実利主義を強調するなど、5・18光州民主化運動の精神をおとしめている。まったくもって邪悪かつ不道徳な政権だ。来月2日の統一地方選で、李明博政権が正気に返るよう、しっかりと審判をしなければならない」と主張した。

 また、ほかの野党も、政府主催の記念式典で『あなたのための行進曲』の斉唱が式次第から除外された問題に関し、「特定の曲はダメだ、ということ自体が心の狭さを表わしている(自由先進党の朴宣映〈パク・ソンヨン〉スポークスマン)」「歴史をないがしろにする姿勢や、民主主義の危機を端的に表わしている(民主労働党のウ・ウィヨン・スポークスマン)」と批判した。また、ハンナラ党の金武星(キム・ムソン)院内代表も、「たった1曲の歌をめぐって式典を台無しにした、(政府の)調整能力の未熟さはまったく嘆かわしい」と語った。

鄭始幸(チョン・シヘン)記者

http://www.chosunonline.com/news/20100519000057

ところで、2つ上の記事引用中にある「ハンナラ党の鄭代表の花環交換」というのがどういうことなのか最初はわからなかったのですが、どうやらこういうことらしいです。単純に「間抜けな話」とも取れますが、こういう粗忽さによって、この式典に対するハンナラ党の〈気遣い〉の度合いを推し量るというのも、あながち的外れとは言い切れないでしょう。残念ながら。

ハンギョレ・サランバン|チョン・モンジュン 5・18記念式に弔花の代わりに‘花輪’

 イ・ミョンバク政府の‘5・18記念日’冷遇論難の中、チョン・モンジュン ハンナラ党代表がソウル広場で開かれた‘5・18民衆抗争30周年ソウル行事記念式’に弔花ではなく祝いの花輪を送る失敗をし参席者らのひんしゅくを買った。

 問題となった花輪は18日午前に配達されソウル広場の舞台左側に全南大、ソウル同窓会などが送った他の弔花と共に置かれていた。花輪には‘ハンナラ党代表最高委員チョン・モンジュン’と書かれたピンク色の帯がついており、色とりどりの花飾りがあり一層目立った。市民たちが騒ぎだし記者たちが取材を始めるや、すぐにこの花輪は午前11時50分頃急いで弔花に交替された。

 この様子を見守った市民たちは“いったい何を考えてチョン代表がそうしたのか分からない”と文句を言った。キム・ソンギュン言論消費者主権国民キャンペーン代表は“失敗と考えるが、5・18に対する歴史認識が不足した政府で起きたことであり苦々しい”として“同じようなことが反復されないことを願う”と話した。ハン・サンソク 5・18民衆抗争ソウル記念事業会長は“ミスで送った花輪が遅まきながら弔花に替えられて幸運”と話した。

 論難がおきるとすぐにハンナラ党は“花屋主人と実務者の間に錯誤があって起きたこと”と説明した。

記事入力 : 2010/05/19 10:55:39
雨の中、追悼の列続く

 5・18民主化運動(1980年5月18日に光州で起こった民主化要求、光州事件)30周年記念式典の出席者たちが18日、激しい雨の中、光州市北区雲亭洞の国立5・18民主墓地を訪れた。

キム・ヨングン記者

http://www.chosunonline.com/news/20100519000039

こんなに激しい雨の降る国立5.18民主墓地も、こんなに人の集まる国立5.18民主墓地も、私は未だ見たことがありません。