【札幌の風景】すすきのの歩き方・迷い方

そんなタイトルを掲げながらいきなり違う話題の記事をクリップしますけど、この記事を読んで、まだアップしていないネタについて改めて考えた、という話の順序になります。

記事にあるGAPの活動については、以前も記事をクリップしたことがあります。

風俗嬢の悩みと相談支援活動
「女子SPA!」の風俗嬢の記事から韓国の性産業を思う。

2014.07.21 16:00
【風俗女性の支援】否定せず、困難解決を 届きにくい公的支援

 性風俗で働く女性に仕事をやめさせるのではなく、社会の偏見をなくし、困っていることの解決を手助けする―。そんなモットーで活動しているグループがある。背景には、女性が周囲や行政機関に仕事のことを打ち明けられず、公的支援が届きにくい構造的な問題がある。

 6月上旬、東京・新宿の歌舞伎町にあるラブホテル。会社員や大学院生ら女性5人の前に、デリバリーヘルス(無店舗の派遣型性風俗)で以前働いていた20代の美沙さん(仮名)が現れた。

 一般社団法人「Grow As People」(GAP、埼玉県越谷市)などが、一般の女性に風俗嬢のことを知ってもらおうと開いた有料の「女子会」だ。

 現役の頃と同じ水玉模様のワンピースを着た美沙さん。化粧は控えめで、派手さは一切ない。参加者が「なぜ風俗の仕事を始めたの」と尋ねると、「都合のよい時間に仕事を入れることができたから。お金に困って、というわけじゃない」と答えた。

 「けばけばしいというイメージがあったけど、普通の女の子だった」。終了後、参加者の一人は意外そうに振り返った。

 性風俗で働く女性は全国で30万人程度いるといわれる。シングルマザー、低学歴、奨学金の返済や生活費のために働く会社員や大学生…。立場はさまざまだ。

 2010年に大阪で風俗店に勤めていた母親が幼児2人を自宅に放置し餓死させた事件が発生。GAPの角間惇一郎代表理事(31)は、問題意識を持ち、活動を始めた。「子どもを保育園に入れたいが、どうすればいいか」「他の仕事に就きたい」「夫から暴力を受けた」といった相談に乗り、役所や他の支援団体に話をつなぐ。

 多くの女性が他人に仕事のことを知られたくないため、悩みを抱え込みがちだ。「風俗で働くに至った事情を何とかしようとか、『そんな仕事はやめなさい』と言うより、今困っていることに対処する必要がある」と角間さん。

 40歳前後になると、客が付きづらくなる“40歳の壁”も立ちはだかる。他の仕事に就けず生活保護を受けるケースが少なくないため、GAPは30歳前後の人に対し、将来に備えるよう助言する活動にも力を入れる。

 性感染症になりにくい接客マニュアル作成や、当事者の交流会、法律相談会などをしているのが、大阪と東京を拠点に15年前から活動する任意団体「SWASH」だ。

 差別や偏見をなくすことを何より重要視しており、要友紀子代表は「仕事のことを堂々と言えて、当事者の目線で相談を受けてもらえる場が必要だ」と指摘。保健師らを対象に、女性の相談に乗る際の手引書をつくり、研修会も開いている。

 性を売り物にすることを否定しないため、女性団体から批判を受けることもあるが、要さんは「苦痛を和らげようという活動は女性の人権保護と矛盾しないはず」と理解を求めている。

共同通信

http://www.47news.jp/feature/kurashi/eye/255141.html

こうした団体の活動には、批判もあるのかもしれませんが、基本的に否定されるべきものではないと考えています。事情は様々あるにしても、巡り合って目の前にいる人が抱える困難を「何とかしよう」という活動は、その場で必要とされるものであるはずです。


さて、そこですすきのです。今回は珍しく、ガイド付きで夜のすすきのを歩いて回る機会を得ました。その上で改めて翌日、朝から午前中の時間帯に、同じ界隈を歩くことができました。

昨今の風俗業で主流になりつつあるのは無店舗型のデリヘルのようですが、こちらでは別府と同じくソープランドやヘルスなどの店舗型の業態が目に付きます。別府と違うのは、裏通りのような路地ではなく、大通りや車通りのある道路に面して、堂々と店舗が展開しているエリアが多いところです。上へ広がって空まで伸びる空間的な「天井の高さ」は、別府では感じられることのない感覚です。

【別府の風景】猫が暮らす街の色は







ここにもあるのか、名案内コナン…。

で、そんな風にあちこち歩き回るのは、飛田新地に行って以来、ここしばらく続けていることなのですが、歩けば歩くほど、よくわからなくなってきます。そもそもなんで、こんなことをしているのか。

幸か不幸か、私には、その世界で客になった経験も客を取った経験もありません。『小梅ちゃんが行く!!R』の奈良崎くんのように、「付き合ってた彼女が実がソープ嬢だった」というような経験もありません。「よくわからない」というよりもむしろ、「まったく知らない」と言った方がいいかもしれません。

「知らないから知りたい」というのは、その通りです。でもそれは、当事者にインタビューするとか、自ら当事者となって参与観察するとか、そういうことではどうもないような気がします。そういうことは既にやっている人もいますし、そこを追っかけることがしたいわけでは、ない。

当事者には当然見えているはずのことがぜんぜん見えない私は、その代わりに何を見ることができるのか。今この立ち位置から、見えること・考えられることは何か。何も知らず、何も見えず、何もわからないが故に、今ここで五感を総動員して、何かを感じ取ろうとしている。

今そこにある問題の解決の役に立ちそうにもありませんし、論文や本にもなりそうにないですが、まだしばらくは、同じような迷い歩きを続けることになると思います。


追記:今回、関連してたどり着いたこちらのブログ記事。興味深く読みました。

大衆店の風俗嬢のセカンドキャリアの問題とニート支援の問題は全く同じ|渋谷、新宿、六本木、麻布のスカウトをしながら東京を考えるブログ