東京医科大学の「女子受験生一律減点」問題

報じたのは読売新聞なんで、ネット上では記事のリード部分しか読めません。が、備忘のためにクリップ。

理事長独裁も裏口入学も、これまで出てきた話だけでたいがいだと思っていたのですが、まだあったんですね。大学の内部調査に意味がないとは言いませんけど、それだけでは何の問題の解決にもならなそうですし、監督官庁がアレな状況ですからねえ。この憤りをどこに持ってってどうしたらええんでしょう。

東京医大、女子受験生を一律減点…合格者数抑制
2018年08月02日 06時00分

 東京医科大(東京)が今年2月に行った医学部医学科の一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが関係者の話でわかった。女子だけに不利な操作は、受験者側に一切の説明がないまま2011年頃から続いていた。大学の一般入試で性別を対象とした恣意的な操作が明らかになるのは極めて異例で、議論を呼びそうだ。

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 東京地検特捜部も、文部科学省の私大支援事業を巡る汚職事件の捜査の過程で、同大によるこうした操作を把握しており、同大は現在、内部調査で事実関係の確認を進めている。

 同大医学科の今年の一般入試は、数学・理科・英語のマークシート方式(数学の一部を除く)で1次試験(計400点満点)を実施。2次に進んだ受験者が小論文(100点満点)と面接を受け、1次の得点と合算して合否が決まった。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20180801-OYT1T50116.html

離職の恐れで女性医師敬遠、関係者「必要悪だ」
2018年08月02日 07時05分

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 東京医科大(東京)医学部医学科の一般入試で、同大が女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが明らかになった。同大出身の女性医師が結婚や出産で離職すれば、系列病院の医師が不足する恐れがあることが背景にあったとされる。水面下で女子だけが不利に扱われていたことに対し、女性医師や女子受験生からは「時代遅れだ」との声が上がる。

 「いわば必要悪。暗黙の了解だった」。同大関係者は、女子の合格者数を意図的に減らしていたことについてそう語る。

 この関係者によると、同大による女子合格者の抑制は2011年頃に始まった。10年の医学科の一般入試で女子の合格者数が69人と全体(181人)の38%に達したためだ。医師の国家試験に合格した同大出身者の大半は、系列の病院で働くことになる。緊急の手術が多く勤務体系が不規則な外科では、女性医師は敬遠されがちで、「女3人で男1人分」との言葉もささやかれているという。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20180801-OYT1T50132.html

医学部女子の割合低迷「時代遅れ」、関係者憤り
2018年08月02日 07時20分

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女子受験者に対する一律の減点が明らかになった東京医科大(7月31日、東京都新宿区で)

 「『女性だから』という理由で不利になるのは、不公平であまりにも時代遅れだ」。東京医科大の得点操作について、女性医師らが働きやすい環境作りを支援する「日本女性医療者連合」(東京)の種部恭子理事はそう憤る。

 内閣府男女共同参画局のまとめでは、2016年時点で女性薬剤師の割合は65・9%と高い水準にあるが、女性医師は21・1%にとどまる。産婦人科医でもある種部理事は「女性が多ければ女性向けの環境整備は進むが、女子の合格者を減らせば女性医師の働き方改革は遅れてしまう」と話す。

 文部科学省の学校基本調査によると、全国の医学部の入学志願者に対する入学者の割合は17年、男子6・6%、女子5・9%だった。一方、理学部では入学志願者に占める入学者の割合は男女とも11・6%で差がなく、工学部は男子12・0%、女子12・2%と女子が上回っていた。種部理事は「理系の学部のうち、医学部で女子の割合が顕著に低いのはおかしい」と指摘する。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20180802-OYT1T50031.html


追記:これもクリップ必要ですね。

2013/10/28 研究活動
医師・医学生支援センター 文部科学省「平成25年度女性研究者研究活動支援事業」に採択されました

文部科学省が公募した「平成25年度女性研究者研究活動支援事業(一般型)」に本学が採択されました。これは平成22年に設置された医師・医学生支援センターの3年間の活動業績が認められたことにもよります。

「女性研究者研究活動支援事業」とは、女性研究者がその能力を最大限発揮できるとともに、出産、子育て又は介護と研究を両立するための環境整備を行う取組みを支援することを目的とした事業であり、本学は、3年間(平成27年度まで)総額80,264,000円の補助を受けることとなりました。対象は女性研究者と配偶者である女性研究者をサポートしている男性研究者です。

本学医学科の女子学生は、過去10年で187名から237名と50名増加し、全体で占める割合も26.9%から32.4%と5.5%も増加しております。その割合と同様に女性研究者の人数も年々増加し、今年4月に医学部看護学科の開設に伴いさらに女性研究者が増えることから本学の女性研究者支援体制の整備は急務であると言えます。

今回採択された事業により、既存の「医師・医学生支援センター」を「医師・学生・研究者支援センター」に名称を改め、臨床の医師や医学生だけでなく、基礎医学の場でも欠くことのできない女性研究者を支援する部署として拡充し、「勤務形態の改善と保育環境の充実」「研究補助者の雇用と相談窓口機能の充実」「研究環境の改善と外部資金獲得のためのサポート体制の構築」「広報・周知・啓発活動の推進」といった各方策を実施します。

本学が目指す男女共同参画推進において、欠かすことのできない女性研究者への支援を充実させ、本学のレベルアップと国際的な競争力をもつ人材育成を目指してまいります。

東京医科大学医師・医学生支援センターホームページ
http://www.tmu-shien.com/

実施体制図
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参考:
文部科学省 平成25年度科学技術人材育成費補助事業「女性研究者研究活動支援事業(一般型)」の選定機関の決定について
http://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/1339235.htm
科学技術振興機構 女性研究者研究活動支援事業
http://www.jst.go.jp/shincho/program/woman_ken.html

http://www.tokyo-med.ac.jp/news/2013/1028_235900000193.html

こんな見出しの記事もありますけど、今さらだろうが何だろうが、噂の域から明るみに出たからには、これは立件可能な詐欺事件だと思うんですよ私は。「必要悪」が通用すると思うなら、法廷でそう訴えたらよろし。

news.careerconnection.jp