【光州の風景】大仁洞・ロッテ百貨店裏

光州第一高校から歩いてすぐのところに、ロッテ百貨店があります。このあたりは大仁洞という名前です。大仁洞にはかつて光州駅やバスターミナルなどが集中し、大仁市場は光州でも屈指の在来市場として知られていたようですが、それらの交通拠点が移転して久しく*1、市の中心部でありながらやや取り残された感のある場所です。


光州駅は1922年から1969年まで大仁洞にあったとのことですから、光州学生独立運動が起きた当時、羅州など近隣から光州高等普通学校に通う学生は、ここで列車を降りて学校に向かったということになりますね。

옛 광주역 터 광주학생운동 시위지 - 국내 독립운동 · 국가수호 사적지

駅址碑は、大通りに面した光州郵便局の向かい側にあります。

“광주역 석탄찌꺼기 구해 연탄으로 썼는디” - 광주드림


さて、その光州郵便局の裏手、ロッテ百貨店の裏のあたりが、光州で最も知られた置屋街になります。今も店舗が集中して残っているのは上の地図の印をつけたあたりですが、歩いてみれば周辺にもかつては同様のお店があったという痕跡が残っています。

光州の性売買関連記事

メインとなっている通りは、ざっとこんな感じです。残っている店舗については、看板もちゃんと掲げられていて、ガラス戸の磨き具合からも営業している感じがうかがえます。また、通りの中には売買春とは関係ないお店もないではなく、世間から隔離されきった空間とはなっていないようです。







この通りを外れたところでは、風俗店を廃業したと見える建物も散見できます。主として、ロッテ百貨店裏をメイン通りとは直角に走っている通りとその周辺部です。





全体としては、「明らかに縮小・衰退の方向にありながらも、まだ完全に死んではいない」といったところでしょうか。ただ、光州という100万都市の中でこの場所が売買春の中心地である時代はすでに去っている、と言えるでしょう。

というか、数十年来のいわゆる置屋街自体が、とうの昔に韓国の性売買における中心の地位を降りているのであって、こうした場所の探訪は、現在だけでなく過去にも半分以上足を突っ込んだ行為であるわけです。

韓国性売買リポート(上) 風俗街は減ったが…(1)
2012年12月03日17時47分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]


2日夜、釜山(プサン)のある遊興街でまかれた性売買をあっせんする広告のチラシ。

性売買特別法が発効してから今年で8年目。 その間、売買春はどれほど減ったのだろうか。 中央日報の取材陣が全国の主要遊興街・風俗街でその実態を点検した。 取材の結果、“性売買市場”は縮小するどころか、さまざまな形と空間で隠密に広まっていた。 2回にわたり2012年大韓民国の性売買市場の実態と問題点をチェックし、代案を模索する。

先月2日夜、光州市尚務地区の路上。 高級乗用車が並んでいる。 この車は路地のあちこちにある「ルームサロン」に若い女性を運んでいる。 ルームサロンの前に車が止まると、従業員とみられる2、3人の女性が降りて中へ入っていった。

中央日報の取材陣はこの車が止まる店を中心に、売買春が行われているかどうかを調べた。 1キロ足らずの通りに約200の店が密集している。 ルームサロン、ノレ(歌)ホール、あんま、チュルジャンバン(出張ルーム)などだ。 取材陣が“2次”(売買春)があるかどうか尋ねた結果、90%以上で売買春が行われていることが確認された。 料金は1人当たり15万(約1万1500円)−60万ウォン(約4万5000円)だった。

ここは7、8年前まで店がそれほど多くなかった。 遊興飲食店が50店ほどだったという。 しかし04年に性売買特別法が施行された後、むしろ急成長した。 4倍近く店が増えた。 売買春の規模も増えた。 ある客引きは「性売買特別法で大仁洞など従来の風俗街が縮小され、尚武地区が光州の新しい遊興街に浮上した」と話した。

今年で性売買特別法が施行されて8年目となる。 性売買特別法の標的は風俗街だった。 実際、風俗街は減った。 警察庁の資料によると、08年に31カ所だった全国の風俗街は今年8月現在25カ所だ。 2010年に女性家族部がソウル大学女性研究所に依頼して調査した「2010性売買実態調査」によると、韓国国内の性売買市場は最大8兆7129億ウォンと推算された。 このうち風俗街での売買春は5765億ウォン(約7%)だった。

一方、ルームサロン・あんまなど遊興店での売買春が増えた。 光州性売買被害相談所「オンニネ」によると、光州尚武地区で売買春が行われている店は09年の195店から昨年は228店に増えた。

http://japanese.joins.com/article/254/164254.html?servcode=400§code=400

韓国性売買リポート(上) 風俗街は減ったが…(2)
2012年12月03日17時47分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

他の地域も同じだった。 中央日報は光州をはじめ、ソウル・釜山・蔚山の中心遊興街を現場取材した。 光州尚武地区、ソウル駅三洞、釜山蓮山ロータリー、蔚山三山洞だ。 ここは性売買特別法後、集中的に成長してきたいわゆる“性売買ニュータウン”だ。 先月2−5日に中央日報が該当地域を取材した結果、地域別に直径1キロ当たり平均100店で売買春が行われていると推定された。 特に「性売買ニュータウン」は、ルームサロンなど遊興飲食店とマッサージ店を中心に成長中だ。 女性家族部の「2010性売買実態調査」によると、ルームサロンなど遊興飲食店は07年の2万8757店から2010年には3万1623店に増えた。 マッサージ店も07年の3360店から2010年には5271店が増えたと把握された。

こうした「性売買ニュータウン」は住宅街や学校付近にも形成されている。 光州尚武地区の場合、大通りを一つ渡れば大規模な団地がある。 道の向かい側の小学校とはわずか190メートルしか離れていない。 蔚山三山洞一帯と釜山蓮山ロータリー周辺も住宅街や団地と隣接している。 ソウル駅三洞一帯の遊興街は女子中学・高校の近くにある。

最近は住居型オフィスルームで隠密に行われる、いわゆる「オフィバン」が盛況中だ。 “シルジャン(室長)”と呼ばれる性売買斡旋業者が、男性顧客と売春女性がいるオフィスルームをつなぐ。 中央日報がインターネットと各種情報誌をもとに取材した結果、ソウルだけで71カ所の「オフィバン」が営業中であることが確認された。 「オフィバン」は主に地下鉄駅の周辺にある。 駅三駅14カ所、江南駅13カ所、宣陵駅7カ所、弘大入口駅4カ所、新ノンヒョン駅2カ所などの順だった。

取材陣は先月1日、ある「オフィバン」の“室長”に電話をかけ、「買春は可能か」と尋ねた。 「14万ウォンですぐにマネジャー(売春女性)とつなぐ」という言葉が返ってきた。 “室長”は麻浦区の住居型オフィスルームビルと部屋の番号を教えた。 この建物は一般住民も居住しているところで、2階には保育所もあった。

インターネット・スマートフォンなどが発達し、“オンライン性売買”も拡散中だ。 チャットなどで個人間の売買春をするケースだ。 2010年基準で韓国国内のインターネット性売買規模は約1403億ウォンと推定される。 実際、取材陣が「スカウト」「カカオトーク」などのチャットアプリケーションで接触してみた結果、約20分である女性から売春が可能だというコメントを受けた。

警察隊行政学科のイ・ウンヒョク教授は「がん細胞が体内滋養分を食べて全身に広がるように、住宅街の真ん中にまで売買春が入り込んでいる」とし「性売買特別法一つで性売買問題を解決しようという政策的判断に未熟な側面があった」と指摘した。 韓国刑事政策研究院のパク・ギョンレ研究委員は「犯罪予防の最初の原則は、犯罪誘発地域と住宅地域を一定の距離で引き離すことだ」とし「風俗街の問題に集中したことで、この原則まで崩れた」と話した。

http://japanese.joins.com/article/255/164255.html?servcode=400§code=400

韓国性売買リポート(下) 根深い韓国の性売買文化を根絶するためには…(1)
2012年12月04日15時53分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]


ソウルの代表的な風俗街「ミアリテキサス」の路地。 ここは2004年の「性売買特別法」施行後、警察の取り締まりが集中し、事実上消えたと伝えられていた。 しかし最近の中央日報の取材の結果、一部の店は相変わらず盛況中であることが分かった。

キム・ジヘさん(32、仮名)はソウル下月谷洞にある「ミアリテキサス」で働いている。 一日平均3、4人の男性を相手にしている。 ジヘさんが初めて売春を始めたのは学校の授業料のためだった。 2004年にソウル江南の「ルームサロン」が最初の職場だった。 その年、性売買特別法が施行された。 風俗街が強制的に閉鎖された時期だった。 このため売買春が可能な他の遊興店が“特需”を迎えた。 ジヘさんは江南・瑞草などのルームサロンを転々としながら学費を稼いだ。 しかし家に生活費を入れていたうえ、お金を遣うことも増え、休学と復学を繰り返し、結局、卒業できなかった。

ジヘさんがミアリテキサスに入ったのは昨年2月。 性売買特別法でミアリテキサスがすべて消えたという噂は事実でなかった。 ジヘさんは3カ月間、月平均500万ウォン(約38万円)稼いだ。 これで学費は十分だと考えて復学した。 しかし生活費がまた厳しくなった。 他のアルバイトもしたが、給料があまりよくない。 ジヘさんは今年9月、またミアリに戻ってきた。

先月4日、ミアリテキサスでジヘさんに会った。 ジヘさんは「事実上取り締まりもしないのに性売買特別法を作り、売春女性だけが犯罪者になった」と話した。中央日報が全国の主要風俗街を取材した結果、ジヘさんのように風俗街を一度離れた後、また戻ってきたという女性が多かった。 この女性たちは「すぐにも家族の生計を維持する責任がある状況で、他の仕事に移るのは容易でなかった」と主張した。 ソウル地域の風俗街で働くイさん(34)は「2010年以降、1回も取り締まりを見ていない。 意味のない法をそのまま置いておく必要があるのか」と語った。 性売買従事者と事業主からなる「全国ハント連合会」は9月、憲法裁判所に性売買特別法に対する違憲法律審判を申請した。

これに関し2004年に性売買特別法を代表発議した趙培淑(チョ・ベスク)元民主党議員は「性売買特別法のおかげで風俗街が大きく減り、女性の人権が改善された」と主張した。 しかし趙氏も「当時、性売買集結地の問題に集中したため、新種の変態性売買への対応は不足していた」と話した。金康子(キム・カンジャ)韓南大警察行政学客員教授はソウル鍾岩警察署長当時の00年、ミアリテキサスで大々的な取り締まりを行った経験がある。 しかし金教授は「生計のための売春女性に対する具体的な支援策を用意せず、特別法に基づいて制裁したため、単発性の効果に終わった面がある」と述べた。 金教授は「当初の目標とは違って新種の売春が広がり、よりいっそう肥大化してしまった」と指摘した。

http://japanese.joins.com/article/314/164314.html?servcode=400§code=400

韓国性売買リポート(下) 根深い韓国の性売買文化を根絶するためには…(2)
2012年12月04日15時53分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]


上から趙培淑(チョ・ベスク)弁護士(56)、金康子(キム・カンジャ)韓南大警察行政学客員教授(67)、申燕姫(シン・ヨンヒ)ソウル江南区庁長(64)。

金教授は「制限的な公娼制度は考慮するに値する」と主張した。 しかし一部の女性団体はこうした主張に強く反対している。 「性売買特別法は最小限の法であり、公娼制は女性を商品化するという発想」という理由からだ。実際、一部の店では今でも女性従業員に負債を抱えさせ、強制的に売春を要求したりもする。

昨年2月、Aさん(28)は500万ウォンが突然必要になり、知人の紹介でルームサロン経営者に会った。 この経営者は「日本で男性と友人のように話をするだけで2000万ウォンを貯められる」と説得した。 しかしAさんは日本に到着するとすぐにパスポート(旅券)を取り上げられ、宿舎に監禁された。 その後、一日に5、6回ほど売春をすることになった。 出血があっても綿で抑えて仕事を続けるように言われた。 Aさんは日本女性団体の助けで辛うじて宿舎から抜け出せた。

韓国社会に根付いた性売買文化を根絶するためには、持続的な取り締まりとともに、女性の自活への誘導が重要だと、専門家は指摘している。 ソウル江南区庁は7月から違法店舗を取り締まるTFチームを設置し、大々的に取り締まりを行っている。 現在まで257店舗が摘発され、18億9500万ウォンの税金・履行強制金を科した。 申燕姫(シン・ヨンヒ)江南区庁長は「住宅街にまで入り込んでいるため取り締まりに難しさはあるが、続けていくことが重要」と強調した。

女性家族部は全国自活団体9カ所で女性の職業・進学教育を支援している。 自活プログラムに参加する女性は年平均560人にのぼる。

http://japanese.joins.com/article/315/164315.html?servcode=400§code=400

最後に、こちらのヘラルド経済の記事。光州にとってはいささか不名誉な見出しですが、重要なのは結論部分でしょう。売買春の問題と性暴力の問題とは、切り離して考えなければならない。ここは、繰り返し指摘しておく必要があります。

성폭력은 광주, 성매매는 부산에서 가장 많이 발생
기사입력 2014-09-02 07:50

[헤럴드경제= 정태일 기자]전국에서 성폭력이 가장 많이 발생하는 지역은 광주광역시인 것으로 나타났다. 성매매는 부산광역시에서 가장 많이 적발됐다.

국회 안전행정위원회ㆍ여성가족위원회 소속 새정치민주연합 진선미 의원이 2일 경찰청으로 제출받은 ‘2011년 이후 지역별 성폭력ㆍ성매매 발생건수’를 분석한 결과 2011년부터 2014년 상반기까지 전국적으로 8만7071건의 성폭력이 발생했다.

이는 인구 1000명당 성폭력 1.70건의 비율이다. 지역별로 인구대비 성폭력이 가장 빈번하게 발생한 지역은 광주(1000명당 2.40건), 서울(2.31건), 제주(2.03건), 부산(1.93건), 인천 (1.74건) 순이었다. 발생비율이 낮은 지역은 경남(1.18건), 경북(1.23건), 전남(1.28건), 충북(1.36건), 강원(1.36건) 순이었다.

같은 시기 성매매는 전국적으로 2만7813건이 발생했다. 이는 인구 1000명당 0.54건의 비율이다. 성매매가 가장 많이 발생한 지역은 부산(0.84건), 서울(0.69건), 경기(0.63건), 제주(0.63건), 인천(0.60건) 순이었다. 성매매 발생이 적은 지역은 경북(0.25건), 충북(0.25건), 전남(0.26건), 충남(0.28건), 대전(0.33건) 순이었다.

성폭력이 빈번한 상위 5개 지역에서의(광주, 서울, 제주, 부산, 인천) 성매매 발생빈도는 1000명 당 0.68건으로 전국 평균인 0.54건에 비해 훨씬 높았다.

또 서울, 부산, 제주, 인천은 성폭력 다발지역인 동시에 성매매 다발지역이었다. 반면 성폭력이 드문 상위 5개 지역(경남, 경북, 전남, 충북, 강원)에서의 성매매 발생 빈도는 1000명당 0.36건으로 전국 평균 0.54건에 비해 훨씬 낮았다. 성폭력 발생이 적은 경북, 충북, 전남 지역에서는 성매매 발생 또한 적은 것으로 드러났다.

진 의원은 “성매매가 성폭력 예방 효과가 있다는 속설은 근거가 없는 것이 밝혀진 셈으로 포괄적인 근절 대책이 필요하다”고 지적했다.

http://biz.heraldcorp.com/view.php?ud=20140902000061

*1:ロッテ百貨店があるのは、かつてのバスターミナル跡地だそうです。(※参照→韓国・光州市小売業の発展 - 専修大学学術機関リポジトリ