彼がそう言い切る根拠

「正直言えば、オレだって半信半疑なんだ。
 本当にアンタがものになるかどうかなんてな…。

 だが、これだけオレを惹きつける人間が、ものにならないわけがない。
 それがオレの発想の根拠だ。」


「本当にアンタがどうなるか」なんて未来のことが、証拠を示して誰にでも分かるような形で、分かるわけがない。
けれども、そんな未来に、何の躊躇いもなく、己の信用を賭け金として差し出すことはできる。
それが己の〈人を見る目〉のなせる業であるのか、それとも一時の熱に浮かされた妄想であるに過ぎないのか、本当のところは誰にも分からない。
これは、胸高鳴る賭けである。