収入の壁?んなもん一面でしかない。
「何を今さら」という感想しか湧いてこない記事ですが、これは記者のまとめ方が悪い、というか、問題の把握の仕方が甘いんです。取材の中でヒントはいくらでも出てるのに、それを拾えてないんですから。
ま、しょせんは他人事なんでしょう。何ともお気楽なまとめ方にそれが見えています。
他人事なこと自体は別に仕方ないと思うのですが、それにしても中央大の山田さんの意見をもっとちゃんと聞いた方がいいと思いますよ。岩澤さんのコメントにあるようなところを問題にして済ませられる段階は、もうとっくに過ぎていますから。
未婚の男女、結婚願望に影落とす収入の壁 ネット調査
渡辺康人 2019年1月12日21時41分
昨年は婚活パーティーに3回参加。「結婚したい最大の理由は親を安心させたいから」と話す女性=JR新宿駅前結婚はしたいし、婚活は必要だとは思っているが、先立つものが……。朝日新聞社が、25~34歳の未婚者を対象にインターネットで結婚観を調査したところ、こんな本音が垣間見えた。女性の7割は「収入」が結婚相手を選ぶ時の「譲れない条件」と答え、男女のギャップもくっきり表れた。
未婚男女の結婚観
ネット調査―質問と回答〈12月18、19日実施〉結婚願望は比較的高かった。「なるべく早く」が27%、「いずれは」の50%を合わせて77%(男性75%、女性80%)。一方で、自分が「いずれは結婚すると思う」人は男性が59%、女性は64%と、願望より控えめだ。年収が低い人ほど、「結婚しないと思う」人が多かった。
年収は交際にも影響しているようだ。男性の場合、「交際相手がいる」人は全体の22%だったが、年収が「100万円未満」に限ると5%、「100万~200万円未満」は8%と1割に満たなかった。
結婚相手を選ぶ時の「譲れない」条件(複数回答)は「人柄」が96%で最も高く、「価値観」の92%が続いた。「収入」は男性の29%に対し、女性は72%と大きく差が出た。
相手に求める年収も、男性の64%が「年収は関係ない」と答えたのに対し、女性は「400万円」が41%と最も多く、6割が400万円以上の金額を挙げた。また、女性の85%が相手選びに正規・非正規などの雇用形態を「意識する」と答えた。
国税庁の民間給与実態統計調査(2017年)によると、男性の平均給与は正規が548万円、非正規が229万円。非正規の男性には厳しい“条件”だ。
今回のネット調査で聞いた独身の理由(複数回答)でも、男性は「結婚資金が足りない」(67%)と「結婚後の生計が不安」(64%)が、「相手と巡り合わない」(71%)に次いで多い。非正規の男性に限ると、8割がこの二つを理由に挙げた。
一方、結婚したい人の理由(複数回答)は「愛する人と暮らせる」の85%に続いて、「安らぎの場が得られる」「老後に一人でいたくない」がともに77%と多かった。男女で差が出たのは「経済的に安定する」で、男性は45%だったが、女性は74%だった。
「婚活」についても聞いた。結婚願望がある人のうち67%が、自分の相手を見つけるには「婚活が必要」と答えた。一方で経験を聞くと、68%が「したことがない」。「今している」は12%、「していた」も19%しかいなかった。「早く結婚したい」人に限っても、「婚活中」は2割にとどまった。
調査は昨年12月、25~34歳の未婚者を対象に実施。ネット調査会社マクロミルを通じ、登録モニターの1032人から回答を得た。
「深くつきあえば、わかるのに……」
調査結果について、結婚したくてもできない「当事者」の思いを聞いてみた。
東京都内の通信関連の会社に契約社員として勤める男性(33)は言う。
「年収や正規・非正規の違いが、相手選びの基準として、女性からはっきり意識されている。漠然と思っていたことが、示された感じで、しっくりきた」
彼女いない歴10年。実家で暮らし、昨年のクリスマスイブも、両親らと鍋を囲んで過ごした。
女性の友人とグループで遊ぶ機会はあるものの、「交際となると、壁を感じてきた」。それが収入や雇用形態での「ふるい」だった。
結婚したいとは思うが、「実際の行動は皆無」だ。女性とつき合える男性と、そうでない男性の二極化が進んでいるように思う。「思い過ぎかもしれないが、自信がなければなかなか行動的にはなれない」
政府系の研究所に勤める女性(32)は、「相手に求める最低限の年収は私も400万円と答えるかな」と話す。自身は正規雇用で年収は600万円。「『私が稼ぐから大丈夫』と言いたい気持ちもあるけれど、出産や育児のことを考えると、暮らしていけるかどうかは意識する」
2年前に結婚を前提に付き合っていた男性と別れてから、何度も婚活パーティーに参加した。結婚願望がある人は77%という調査結果に「本当はもっと高い。うまくいかなくて、心の奥に潜めちゃってる人もいるのでは」と思う。
昨年、パーティーで話が合う男性に出会ったが、自分の学歴や年収などを明かしたとたん、近寄ってくれなくなった。その男性は非正規社員だったと、後で知った。「諦めなのか、男のプライドなのか。深く付き合えば、年収とは別のよさも分かるのに、その前に引かれてしまう。男性にもっと積極的に前に出てほしい」と話す。
一方、専門家は、結果をどうみるのか。中央大の山田昌弘教授(家族社会学)も「女性が望む『収入と安定』という基準にかなう男性が減り、男性にも諦めがうかがえる」と話す。「結婚願望は昔と大きく変わらず、婚活が必要という新たな認識も共有されている。誰もが安心して家庭を築けるよう、収入や雇用の格差の問題を解決する必要がある」
若者の非婚化を研究する国立社会保障・人口問題研究所の岩澤美帆室長は、女性の回答に注目し、「結婚相手は自分でしっかり選別するという強い意識がうかがえる」。「ただ、収入以外に求める『人柄』や『価値観』は基準としてあいまいなので、結婚に踏み切りにくいのでは」とみる。
「自力で『ベストな相手』を探るのは結構、難しい。かつての職場結婚やお見合いでは、縁や運命をある程度受け入れていた。『理想の相手じゃなくても何とかなる』ことを示すのも大事かもしれない」と話す。(渡辺康人)
これ、日本だけの話ではないので、例えばこんなのもヒントになると思いますよ。
Nポセデ(N放世代):N포세대
解説ハングル:N포세대
ハングル発音:エンポセデ意味:直訳するとN放世代、韓国での漢字はN抛世代。NはナンバーのN、数多くのことを抛(放)棄して生きる世代のこと
解説:マイホーム、就職、結婚、出産など、人生の最も基本的な要素を放棄して暮らす20~30代の若年層を指す造語だ。経済社会の圧迫により、不安定な生活を送る青年世代の状況を代弁する言葉だ。
N放世代という新造語は、恋愛と結婚、出産をあきらめた三放世代に由来する。物価は上昇を続け、就職の壁はますます高くなり、結婚どころか恋愛すらろくにできない青年が自らを自嘲評価した言葉が「三放世代」だ。
しかし、社会は3つのことを放棄したからと、遠慮してくれない。努力してもだめだから、正規職の就業をあきらめる状況に置かれ、財布にお金がないから同窓会に参加するなどの人間関係も築くことができない。マイホームはとっくの昔に希望リストから消えて久しい。
三放世代に就業とマイホームへの諦めが加わると五放世代に属し、人間関係と未来への希望への諦めが加わると7放世代のメンバーとして合流することになる。
N放世代は、二つの意味で使われる。三放世代、五放世代、七放世代を網羅する用語としても使われ、7放世代を超えて、人生への希望まですべてを放棄する絶望的な状況を意味することもある。
韓国の指導層のすべてがN放世代が登場した理由が高い住宅コストと教育費、低賃金、不安定な雇用市場、不公正な競争であることを知っている。しかし、治癒する方法は見つからない。指導層に与えられた快適な生活を放棄しなくてはいけないかもしれない状況へと導こうとする指導層は見当たらない。
http://mottokorea.com/mottoKoreaW/Vocabulary_list.do?bbsBasketType=R&seq=27073
ああ、これなんかもヒントになりますね。こちらの記事は、昨今取沙汰されている「日本学生金貸し機構の金貸しにおける機関保証料強制徴収」が借りる側の負担を増すばかりで問題の解決につながらない策だということもちゃんと指摘しています。