韓国の非正規職が諦めるもの

もう少し古くなってしまいましたが、以前に参照した記事の続編が出ています。いろいろと違いはあるものの、日本にいて他人事と思えないこともそれはもう多々あります。


2013年4月12日
(韓国の非正規:2)借金して大学出たのに 正規職は2割・結婚あきらめ


青年ユニオンの街頭活動で使うプラカードを手にするハン・ジヘさん。表にまとめた美容師の時給は、最低賃金以下だ=ソウル市

 安定した仕事につきたい。そのためには高学歴が必要。若者は借金して大学に通う。それでもやはり仕事がない。残ったものは借金と、絶望。

 韓国・ソウル近郊、スウォン市のハン・ジヘさん(29)にとって、2015年は特別な年になる。大学に行くために金融機関から借りた金を、10年かけて返し終わる。

 「そのとき31歳。20代は借金返済で終わる」。在学中、多くの学生も借金しながら勉強していた。自分が特別なわけではない。03年に親の反対を押し切って大学に進んだ。そうしないと、無期契約で待遇もそれなりの正規職の仕事につけないと考えたからだ。

 親は苦しい家計から半年分の学費を出してくれたが、残りは自分で工面した。学費は年約600万ウォン(53万円)。休学して8カ月、アルバイトしたが、半年分の学費にもならなかった。05年にローンを組み、すぐに返済が始まった。3年後、借金は2600万ウォン(229万円)、返済は月60万ウォン(5万円)以上に。倉庫の荷下ろし、映画館の事務、パンの販売、地下鉄での案内など、なんでもやった。

 09年に卒業したが、正規職につけなかった。英語力など、「スペック」と表現する、就職に有利な資格・能力を、身につける余裕はなかったのだ。就職活動では面接にもたどりつけない。それも自分だけではない。資格を持つ友人ですら非正規職だった。

 ハンさんは非正規職として住宅供給公社に就職。1年契約で月給130万ウォン(11万円)。半分は返済で消える。職場では福利厚生など、正規職と差別された。

 人生の選択を誤った。無理な進学が悪かったか――。自分を責めた。そんな時、知人から、若者のための労働組合をつくろうと誘われた。10年に20代の約60人で「青年ユニオン」をつくった。

 「社会が若者に非正規の働き方を強いている。でも、若者は自分が悪いと思ってしまう。私がそうだった」。最低賃金以下で働かされる若者など、問題はいたるところにある。街頭で訴え、行政にも働きかける。組合員は650人。昨年から委員長になった。事務所は毎日、若者からの相談がたえない。

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 韓国では97年の経済危機後、企業倒産が相次ぎ、サムスン電子や現代自動車など、財閥系が市場を独占していった。若者も、そうした大企業に就職するわずかな「勝ち組」と、非正規職の「負け組」に極端に分かれた。

 ましな働き口を見つけようと、大学進学率は70%超。日本より20ポイント程度高い。経済協力開発機構OECD)によると、15〜24歳の失業率は9・8%で、日本(9・1%)と同水準。ただ、留年して就職活動を続けたり、公務員試験の勉強をしたりする学生も多く、職探しを中断した若者も含めた20代の実質的な失業率は、20%程度ともいう。

 労働組合の中央組織・全国民主労働組合総連盟のホン・スンガン未組織非正規局長は「正規の仕事につける若者は多く見積もって2割。そして非正規ならずっと非正規というのが現状だ」と指摘する。

 韓国では非正規職で働く20代を研究者が「88万ウォン世代」と名づけ、広まった。平均88万ウォン(7万7千円)程度の月給という。ほかにも、「恋愛」「結婚」「出産」の三つを放棄せざるをえない「三放世代」という言い方もある。

 青年ユニオンのヤン・ホギョン政策チーム長は言う。「さらに事態は悪化し、いまは『生きること』もあきらめる『四放世代』だ」

 ■法改正、雇い止め招く

 07年に非正規職の雇用を安定させるための法律が施行されたが、逆に働き方がより不安定になったケースもある。

 「働ける期間は最大2年」

 11年6月からソウル市にある放送局で働く派遣社員の女性(30)は、契約時にそう言われた。職場ではニュースのネット配信を担当する。今年6月に放送局を去らねばならないが、派遣会社との契約もその時点で終わる。

 07年から、有期契約で2年超働けば無期契約になったとみなされ、派遣も2年たてば派遣先は直接雇用に切り替えねばならない。そのため、企業側が手を打ったようだ。

 「ほとんどの人が2年手前で雇い止め。転換逃れなのは明らかだ」。放送局の職員の8割が非正規職という。女性は正規職で働いたことはない。いまの月給は140万ウォン(12万円)。昔の借金が残り、結婚は夢のまた夢だという。

 「若者も年をとれば若者ではなくなる。そのとき、非正規の仕事すら見つからないのでは」。正規職に登用された非正規職のニュースを配信したときもあったが、遠い世界の話だ。

 (石山英明)

http://digital.asahi.com/articles/TKY201304110568.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201304110568

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