韓国の女性志願兵制

このブログでも、過去にこんな事を書いたことがある。

d.hatena.ne.jp

さて、「軍隊と女性」という問題は古くて新しい問題である。

ここで披歴すべき見解が私にあるわけではないが、フェミニスト的な文脈とまったく無関係なところでこの制度の導入が議論されていることだけは、確認しておきたい。

ちなみに、この問題に関心のある方は、例えば下記のリンクなど参照されたい。

『G.I.ジェーン』とフェミニズムの間で

記事入力 : 2009/11/13 10:38:48
徴兵:女性志願兵制、2011年導入検討

将来的に入隊男性数が不足
国防部、人事政策書に盛り込む

 女性を志願兵という形で入隊させる「女性志願兵制」の導入が検討されている。最近の人口増減動向から推測すると、入隊することになる男性の絶対数が十分ではないためだ。

 国防部は12日、今年発行された人事政策書に、女性志願兵制の導入を2011年から検討する内容を記載したことを明らかにした。人事政策書とは、5年ごとに発行される非公開文書で、韓国軍の人事政策に関連する中・長期的な方向性や内容、日程などが書かれている。

 現在、軍には女性将校・副士官が約5560人いるが、これは全兵士の約3%にあたる。女性軍人は来年6340人、2015年8853人、20年には全兵士の約5.6%にあたる1万1606人に増える見込みだ。

 軍が推進する「国防改革2020」によると、兵士数は現在の約65万人から、20年には約51万人へと減る見通しだという。また、07年に発表された「兵役制度改善」に従い、14年以降は徴兵期間(陸軍)が18カ月へと短縮される。国防部関係者は「兵士の数が減り、徴兵期間が短縮されることもそうだが、兵士になる男性の数が急速に減っていることのほうが大きな問題」と話す。

 統計庁が06年に作成した「年齢別推計人口」によると、該当年度に20歳になる男性の数は、14年をピークに急激に減り、23年以降は25万人以下に落ち込む見通しだ。このため、兵士になる男性の数も、20年代になると不足に悩まされるのでは、と懸念の声が上がっている。

 女性志願兵制が実際に政策に反映されるかどうかは未知数だ。第一に、軍側が女性兵士を受け入れること自体、賛否両論を巻き起こす可能性がある。陸軍少将・中将・大将クラスの将校は、「将校や副士官ならともかく、兵士として女性が軍に入るのは望ましくない」と言った。

 女性兵士の衣食住を解決できるかどうかもハードルになる。就寝場所・着替え・使用する日常品などが、男性とは根本的に違うからだ。

 若い女性を部下として抱える指揮官が、きちんとリーダーシップを発揮できるか、兵士とはいえ男女が問題なく一緒に生活し、戦闘力を発揮できるのか、といったことも大きな論争を呼びそうだ。自発的な志願を前提としているだけに、それに見合う給与を支給しなければならず、そのための予算確保も現実的な制約になる可能性がある。

張一鉉(チャン・イルヒョン)記者

http://www.chosunonline.com/news/20091113000026

記事入力 : 2009/11/13 10:39:27
【社説】女性志願兵制導入は正しい政策だ

 国防部は女性志願兵制度を導入し、女性が兵士として服務できるようにする方案を2011年から検討することにした。義務的な服務(徴兵)ではなく、志願する女性に限り入隊を認める方式だ。現在、韓国軍にいる女性軍人は将校と副士官だけだ。

 現役兵士として徴集される20歳男性の人口は、14年の約36万人をピークに急速に減少し、23年以降は25万人以下に落ち込む。軍は「予定通り20年までに現在の兵士約68万人を51万人台まで削減する」としながらも、兵士になる人材の不足は否めない。14年以降は男子の服務期間が18−21カ月に短縮されることになっているので、兵士数の需要と供給に大きな問題が起きる恐れもある。

 女性が社会のさまざまな分野で活躍の範囲を広げている今、女性の軍進出に門戸を開くのは正しい方向性だ。現在、陸軍特殊戦司令部や行政兵科の副士官に志願する女性の競争率は30倍と高く、女性士官の競争率も3.8倍に達する。

 女性は、ハイテク武器が中心の現代戦で、より大きな役割を果たせる。女性軍人の相当数は体力検査で男性に引けを取らない体力や根性を持っている。だから、女性に適していない一部の職務を除き、さまざまな兵科を思い切って開放すべきだ。そうすれば、女性軍人は周辺業務を越えた役割も可能になる。兵役を終えた男性が対象の「(公務員採用試験などでの)加算点制度」が導入されれば、女性兵士で服務を満了し除隊した者にも当然、同じ恩恵が与えられるべきだ。女性志願兵制の導入に伴い、女性のための内務班・トイレ・シャワールームといった施設への投資を大幅に増やす一方、上司命令に絶対服従の部隊内で、女性に対する不当な事件が起きないよう防止する措置にも万全を期すべきだろう。

http://www.chosunonline.com/news/20091113000027