利川護国院再訪

久しぶりに東ソウルバスターミナルから市外バスに乗る。目的地は「일죽(一竹)」。一竹といえば、言わずと知れた利川護国院の最寄りである(前回の訪問については、こちらをどうぞ)。

この一竹バスターミナルからは、1日3回、利川護国院へのシャトルバスが出ている(10:30/13:20/16:50)のだが、使ったことがないのでどのような感じかよくわからない。ほとんどの人は自家用車か貸切バスで行くところなので、どれほどニーズがあるのだろうか。

時間が合えばシャトルバスを使わなくもなかったのだが、あいにく12時半ごろの到着。前回と同じく徒歩で向かうことにした。ターミナルのファミマのすぐ先にある交差点を左に曲がり、橋を渡って、その先にある幹線国道の下をくぐり、突き当りを右に曲がって、田んぼ沿いの側道をまっすぐ道なりに進めば、ガソリンスタンドの先で利川へ抜ける道が一直線に続いている。あとは、教会の建物を目印に左方向にひたすら歩けば、安城市と利川市の境界を越えてすぐに利川護国院が見える。

着いたときにはちょうど合同安葬式が進行中であった。




2008年に完成したこの利川護国院の納骨堂は、他の事例をいろいろ見たうえで改めて見ると、これまでの経験と技術の粋を集めた最新型のモデルであることがわかってくる。

なにしろここでは、骨壷を納めたあと、密閉した上で不活性ガスの注入までやるらしい。また、納骨堂のデザインも、いきなりこんな風に絵画・写真のプリントに行き着いたのではなく、いろいろなタイプのデザインを経て、これが採用されているわけだ*1

ちなみに、安葬が進むエリアより上でも、納骨堂の建設は着々と進められている。




ただ、護国院はこの上にもスペースを持っているのだが、そこまで納骨堂で埋め尽くすつもりではないらしい。


ここもまた、「葬墓文化」に関する韓国のトレンドに敏感に、「納骨堂のあとには樹木葬・自然葬」という順序を踏む構えのようだ。

つまり利川護国院は、埋葬→納骨堂→自然葬というトレンドの、最初の段階を省略できる時期に建設されたという、流行の成り行きを反映した施設だと読むことができるわけだ。

その意味で、同じ護国院でも、任実との対照はなかなか興味深い。

*1:それについては、話が長くなるので、別途論じるほかない。