映画「道〜白磁の人〜」

やや論点の違う下の記事を読んで、この映画のことを思い出したんですが、公式サイトももう出来上がっているんですね。

http://hakujinohito.com/


韓国における海外との共同製作支援金は、日本の30倍以上!! 日本市場が縮小した今、韓国映画界の新たな活路となるか!?【第24回東京国際映画祭
2011年10月27日 20時12分


韓国映画界の国際戦略を解説したKOFICのハン・サンヒ氏

 [シネマトゥデイ映画ニュース] 26日、第24回東京国際映画祭と並行して開催されている「ユニジャパン エンタテインメントフォーラム2011」内でセミナー「韓国のグローバルファンドとロケーションインセンティブ制度について」が行われ、日韓が共同制作を行うための支援を韓国が積極的に行い、その第1弾作品が高橋伴明監督『道〜白磁の人〜』であることが報告された。

第24回東京国際映画祭コンペティション部門15作品ラインナップ

 この日のセミナーに出席した韓国映画振興委員会(KOFIC)チームマネージャーのハン・サンヒ氏によると、2010年の韓国における全国の観客動員数は1億4,681万人、一人あたりの映画鑑賞回数は2.9回と減少傾向とのこと。さらに韓流ブームに沸いた2005年に韓国映画の総輸出額の7割を占めていた日本市場の比重も、2007年に27パーセントにまで下がり、一本当たりの輸出価格も下落したという。

 そんな状況を改善するために、韓国政府が打ち出したのが、海外と映画つくりを協力し合い、雇用や産業をおこそうとする「国際共同製作の活性化」という命題だった。これは、韓国企業が参加する映画、ドラマ、アニメーションなどの映像作品制作に対して、2011年中に1千億ウォン(約75億円)規模の助成を行うこと。KOFICでは、韓国で10日以上撮影される海外資本80パーセント以上の映像作品またはテレビドラマが一定の条件を満たした場合、制作費の25パーセントを現金にて支給するなど、外国との共同制作に対する手厚い支援制度を展開していることを明かした。さらに韓国内に10あるというフィルム・コミッションも海外製作に手厚い援助を行っているのだという。

 そんな韓国のインセンティブによる共同製作作品第一弾の中の一本に選ばれたのが、高橋伴明監督、吉沢悠ペ・スビン共演の映画『道〜白磁の人〜』だ。本作は、「日本で最初の韓流ファン」と称される浅川巧の生涯を描いた感動作で、『ブラザーフッド』のハプチョン映像テーマパークや、『王の男』のプアン映像テーマパークといった韓国映画で使用されたオープンセットで撮影され、現在はポストプロダクションの最中だという。本作の製作会社CJ PowerCastジェネラルマネージャーのイ・ドンウ氏は「本作は、中身もそうですが、日本と韓国の間にある歴史的な意味、そして日本と韓国の映画人が力を合わせて作ったという経済的な意味でも、意義深い作品だと思っています」と満足げな表情だ。さらに、その製作コストは日本で撮影した場合の半分程度で済んだとイ氏は指摘。「韓国の物価の安さと、円高の為替を生かして、韓国で撮影した方がいいという結論に達しました。これならKOFICの支援を十分に生かせますし、製作費を節約したことで、作品の芸術性をさらに高めることに専念できます」と共同製作のメリットを強調した。日本公開は2012年初夏を予定しているとのこと。

 日本でも時期を同じくして、文化庁が本年度から文化振興政策「国際共同製作映画支援事業」をスタートした。これは経済産業省の提案を文化庁が受けたものであり、縦割り行政が幅を利かせる日本の役所システムの中においては、画期的な政策となるが、その予算は2億円と、韓国の1千億ウォン(約67億円・1ウォン約0.07円計算)とは桁が一つ違う。この点からも、外国との共同製作に向き合う韓国の本気度がうかがい知れる。(取材・文:壬生智裕)

第24回東京国際映画祭は10月30日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内の各劇場などで開催中

http://www.cinematoday.jp/page/N0036476

先月の釜山国際映画祭のときに、すでに制作報告会見が行われていましたね。

映画:県人、浅川巧の生涯描く タイトルは「道〜白磁の人〜」 /山梨

 ◇朝鮮民芸の美しさ日本に伝え
 ◇日韓の俳優共演、KOFICから製作費助成

 日本の植民地支配下の朝鮮に暮らし、朝鮮民芸の美しさを日本に伝えた県人、浅川巧(1891〜1931)の生涯を描く映画のタイトルが「道〜白磁の人〜」に決まった。また、日本映画としては初めて、韓国映画振興委員会(KOFIC)から製作費の助成も受けることになった。

 タイトルについて、同映画製作委員会の小沢龍一事務局長は「日韓関係を含め、東アジア全体の未来につながる『道』を、次世代に示したいという思いを込めた」と説明する。仮題としていた江宮隆之さんの原作小説名「白磁の人」を副題とした。製作費は3億2000万円で、文化庁が2000万円の助成を決めている。KOFICからは4億2000万ウォン(約2700万円)の助成を受ける。

 KOFICは韓国政府から韓国映画の普及や振興を委託されている半官半民の組織。今年から外国映画を対象にした助成制度を設けており、「道〜白磁の人〜」が、中国映画1作品とともに第1号に決まった。

 映画は吉沢悠さん主演、ペ・スビンさんら日韓の俳優が共演する。高橋伴明監督がメガホンを握り、先月上旬までに両国でのロケを終えクランクアップした。公開は来年初夏の予定。今月6日に韓国で開幕する釜山国際映画祭の中で、映画のPR活動も行う。【曹美河】

毎日新聞 2011年10月5日 地方版

http://mainichi.jp/area/yamanashi/news/20111005ddlk19200141000c.html

2011年10月09日 15時48分
【釜山映画祭】韓国映画界のバックアップでタブーに挑む 
『道〜白磁の人〜』制作報告会見



韓国併合期の朝鮮半島を日本映画として初めて本格的に描く映画『道〜白磁の人〜』。制作報告会見に登壇した韓国俳優ペ・スビン高橋伴明監督

 韓国で開催中の『第16回釜山国際映画祭』で8日、吉沢悠主演で韓国併合期の朝鮮半島を日本映画として初めて本格的に描く映画『道〜白磁の人〜』の制作報告会見が行われ、出演する韓国俳優ペ・スビン高橋伴明監督、配給会社ティ・ジョイの常務取締役與田尚志氏が出席した。

 同作は、日本が朝鮮(当時の一般的な呼び名)を統治していた時代に、23歳で朝鮮半島に渡り、40歳で亡くなるまで民族の壁を越えて活躍した浅川巧氏の生涯を映画化。これまでタブー視され、映像化されることのなかった日本統治時代の朝鮮半島を舞台にしていること、KOFIC(韓国映画振興委員会)の支援を受けて製作される初の日本映画であること、スビンが日本映画に初進出することなど、韓国での関心も高く、会見には約100人のメディア・映画業界関係者が殺到した。

 山梨県出身の浅川氏は、朝鮮半島林業技手として山林の緑化復元に貢献し、白磁に代表される朝鮮工芸の美しさを伝え守り、民芸運動の祖である柳宗悦にも多大な影響を与えた歴史的人物。民族の壁を越えて朝鮮半島の人々と深い友情を育み、私財を与えて貧しい子どもたちを学校に行かせるなどして尊敬を集めた。彼のお墓は今もソウル市忘憂里(マンウリ)の共同墓地にあり、韓国の人々によって大切に守られ続けている。

 制作は日韓共同のスタッフ体制で、約1ヶ月に渡る韓国での撮影を敢行。ロケーションにハプチョンやブアンにある韓国有数のオープンセットを使用し、9月10日にクランクアップした。VFX 制作や編集・録音などの仕上げ作業も、韓国のポストプロダクションカンパニー、CJ Powercast の制作協力のもと、すべて韓国で実施される。

 会見で高橋監督は「映画の中で、吉沢が演じる浅川巧が韓国と日本が信頼しあうことの難しさに絶望していると、ペ・スビンが演じる友人の李青林が『例えどんなに無理な夢でも、それに向かって行動をし続けることが大切なのではないですか?』と応える。このシーンに私が語りたいテーマが象徴的に表れています」。

 主演の吉沢は主演舞台のため会見に出席できなかったが、ビデオメッセージを寄せ、「この映画は日本映画ですが、韓国のスタッフの情熱とさまざまなロケ地での協力により実現できた韓国映画でもあります。この映画を通じてペ・スビンさんと本物の友情を育み、一生の宝物になりました。映画というエンターテインメントを通じてたくさんの人に見ていただきたいです」と同作への思いを伝えた。

 スビンは日本でもヒットした韓国時代劇ドラマ『朱蒙 チュモン』『トンイ』などに出演し、「視聴率の帝王」とも呼ばれる人気俳優だが、「脚本を読んで出演を決めた。非常に説得力があり、観客にアピールできる力がある。衝撃的な実話だし、やらなければいけない映画であると感じた」と出演経緯を語った。日本映画の撮影を初体験し「目と動作で会話した。コミュニケーションにおいて国や言葉の違いは何の障害にもならないことがわかった」と話していた。

 日本ではティ・ジョイ配給で、2012年初夏に100館規模で公開予定。韓国での上映に関してはCJ E&M が配給をする予定。

http://www.oricon.co.jp/news/confidence/2002579/full/

ソウルの忘憂里にある浅川巧のお墓については、行き方も含めてこちらをどうぞ。

忘憂里公園墓地の日本人

浅川巧の話