エラいお方々の相も変らぬこの論調

そんなに昔からウォッチしているわけではないのですが、大新聞でこういう記事を書くような人たち、そしてそういう記事を読みたがる層の人たちが、アイドルのことを心中では嫌っていることは、これまでにもしばしば肌で感じてきました。

彼らにとっての「アイドル」とは、経済活動や国威発揚などの点で利益をもたらす限りにおいて、価値があるにすぎないのであって、役に立たなければ躊躇うことなく切り捨てて構わない存在なのでしょう。

露骨に口には出さないにせよ、本来的なニュアンスを抱いた「딴따라」という言葉が、行間に垣間見えます*1

KARA関連いくつか

「韓国のニューヨーク・タイムズ」が必要

チョー・ヨンピル自伝を読む(1) 「タンタラ」という差別語 - ヌルボ・イルボ

一見すると事実関係を追っているように見えながら(しかも事実としては必ずしも間違ってはいないのに)、どことなく悪趣味で不快に感じられるのは、そのあたりに原因があります。記者個人の資質を論じても仕方のない、根の深い問題です。

韓国アイドルグループ危機論?…「国内市場が飽和状態なら海外に」
2012年11月16日14時43分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]


デビューしたアイドルグループ。左上から100%、HELLOVENUS(ハロービーナス)、AOA(エーオーエー)、TimeZ(タイムズ)、左下からMR.MR(ミスターミスター)、C−Clown(シークラウン)。

韓国歌謡界の地形図に変化が訪れている。コンサート会場、TVなどを掌握していたアイドルの力が弱くなっている。格好も歌も似ているグループが筍のように次々とデビューし、ファンの関心は依然のように熱くない。その間に個性派シンガーが力をつけてのし上がって来ている。『江南(カンナム)スタイル』で世界を揺るがしたPSY(サイ)がその代表的な事例だ。変化するK−POP市場を解剖してみたい。

#今月9日、放送されたKBS(韓国放送公社)「ミュージックバンク」。23組の出演者のうち半分以上の12組がアイドルグループだった。

特にBTOB(ビートゥービー)、Big Star(ビックスター)、CHAOS(カオス)らの男性アイドルグループは5〜7人組で似ており、何気なく見ると衣装だけ着替えただけのグループが代わる代わるステージに立っているのかと見まごうほどだった。この日の1位候補はPSYとAilee(エイリー)だった。PSYは海外活動で番組出演はかなわなかったが、この日9週連続1位を獲得した。

#15日、業界1位の音源サイト「メロン」の週間100チャート。1位はSBS(ソウル放送)のオーディション番組「K−POPスター」から輩出された歌手イ・ハイ(『1、2、3、4」)だった。1〜10位のうちでアイドルグループが入ったのはmiss A(ミスエイ、『男なしでも生きていける』)が唯一だった。

K−POPのけん引役を果たしてきたアイドルグループが危機に直面している。今年1年はいつになく多くの新人アイドルグループがデビューしたが、ほとんどはこれといった成果を出せていない。現在のファン層を構築したアイドルグループも、今年はなかなかよい成果を残すことができなかった。「アイドルの流行は終焉した」という観測さえ出ている始末だ。

◆ “雨後の筍”アイドルグループ=今年デビューしたアイドルグループは11月中旬現在、30組をはるかに超える。大型芸能事務所のSM、JYPから中堅・新生芸能事務所までこのブームに乗った。

SMエンターテインメントは1〜5年間のレッスンを積んだ男性練習生12人を2組に分け、韓国で活動するEXO−Kと中国で活動するEXO−Mをデビューさせた。JYPエンターテインメントは男性デュオのJJプロジェクトをお披露目した。また演奏・ダンスバージョンでそれぞれ活動可能なAOA(エーオーエー)や、BEAST(ビースト)の所属事務所で有名なキューブからはBTOB(ビートゥービー)がK−POP界に野心いっぱいに登場した。だが、このなかで注目に値する成果を出した組はまだない。韓国6大音楽サイトのデータを集計するガオンチャート「2012年上半期決算デジタル総合チャート」100位圏に入った新生チームは1組すらなかった。デジタル総合チャートは、オンラインストリーミングやダウンロード、BGM販売量、モバイルサービスを基準として集計されている。

まだ公式集計は出ていないが、下半期も状況に大きな変化はないだろう。なかでも7月中旬からPSYブームが勢いをつけ、これまで地位を確立していたアイドルすら足元が揺れている。

PSYは最近、「ミュージックバンク」で9週連続1位で、少女時代とともにこの番組の歴代最長期間連続1位記録を記録した。少女時代は2009年に『Gee』で9週連続首位を守っている。PSYはこれまで1位候補に上がったBEAST、KARA(カラ)、FTISLAND(エフティーアイランド)などの人気アイドルを抜き去った。


歌手のPSY(サイ、上)と少女時代。

◆ 酷似しているコンテンツに食傷気味=新生アイドルグループの不振はどのように解釈すべきだろうか。まずアイドル市場の飽和状態が挙げられる。アイドルファンは限定されているのに新生アイドルグループが切れ目なく出てきて市場に過負荷がかかった。今のアイドルグループと差別化できるコンテンツがないのも問題だ。

会社員のパクさん(31)は「数年前のガールズグループブームはよかったが、もう誰が誰だか分からないほどに特徴が見つけにくい。音楽番組で似たり寄ったりのアイドルグループを何組も見ていると、疲労感さえ覚える」と話した。

ある大衆音楽評論家は「全般的にアイドルグループが自己複製の末に行き詰まり、アイドル音楽によってこれ以上の新鮮さを与えられなくなったのかもしれない」と説明した。

アイドルグループが持つ“見せる”音楽そのものの競争力が落ちたという分析もある。1990年代の中盤から後半にかけて、“聞かせる”音楽に代わって“見せる”音楽が凄まじい勢いで成長した。さらに力強く、刺激的に成長した流れに歩調を合わせるなら、しっかりしたシステムを作り競争力のある原石を見つけ出して新しい舞台を見せるべきだったが、そうはできなかったというのだ。

別の大衆音楽評論家は「一人の作曲家の人気が出れば、そこに群がり曲をもらうということが往々にしてある。また、リリース日が決まっている場合が多いので、競争力のあるコンテンツを作る時間が不足している」と指摘する。

大多数の芸能事務所は韓国のアイドル市場が飽和状態に置かれていることは認知している。それでもここしばらくはまだ新生アイドルグループのデビューは続く見込みだ。来年上半期に男性アイドルグループをデビューさせる予定の芸能事務所関係者は「練習生らに平均3年間ほどレッスンを受けさせ投資しているのでデビューさせざるを得ない」と話した。

一方で活動領域が広くなったこともアイドルグループをあきらめられない要因だ。別の関係者は「韓国市場は飽和状態でも、K−POPブームによって海外市場ではまだ需要が多い。このためいったんアイドルとしてデビューさせれば、ドラマや映画などの演技分野にも簡単に進出することができる」と語った。

http://japanese.joins.com/article/284/163284.html?servcode=700§code=740

ちなみに、少女時代の「Gee」の連続1位を止めたのも、PSYの「江南スタイル」リリース以降の快進撃の中で唯一、1位の座から引きずりおろした経験があるのも、同じグループです。そこは、確認しておきたいと思います。


韓国の音源チャートからアイドルグループ失踪…バブル崩壊
2012年11月15日17時07分
[ⓒ ISPLUS/中央日報日本語版]


ガールズグループのmiss A(ミスエイ)。

歌謡界で「アイドルグループ危機論」が勢力を強めている。最近、音源チャートの上位圏でアイドルグループを見つけ出すのは難しくなっている。アイドルグループが占領していたかのような昨年の音源チャートと比べるとあまりにも様相が違いすぎている。特に今人気のアイドルグループはすでに確保したファン層を糧にここ一番の踏ん張りに成功しているが、新人アイドルグループには生き残りそのものが厳しい市場に様変わりしていっている。星の数ほどあったアイドルグループは一体どこに消えたのか。芸能事務所は枯れていくアイドルグループ市場に合わせて、新しい生き残り戦略を組むのに忙しい。

<チャートから消えたアイドルグループ>

音楽チャートサイト「メロン」の15日付け午前のリアルタイムチャートでは、10位内に入ったアイドルグループはたった1組だった。miss A(ミスエイ)が『男なしでも生きていける』で9位に入り、なんとかアイドルグループのメンツを保った。チャートをざっと見てみると興味深い現象が読み取れる。ソロ歌手イ・ハイのデビュー曲『1、2、3、4』で首位を長期で守っている中、見慣れない名前が上位圏に続々と食い込んでいる。

弘益(ホンイク)大出身のインディーデュオ「Geeks(ギークス)」の『Officially Missing You』、ヒップホップ系の有名プロデューサー「プライマリー」の『疑問符(?)』がそれぞれ2位と5位に入っている。彼ら以外にも、Ailee(エイリー)『見せてあげる』、K.Will(ケーウィル)『Please don’t…』、ビョル『かわいい』など、ソロボーカリストらが上位圏に列を成して布陣している。パフォーマンスではなく音楽性が音源チャートを圧倒しているといえる。

今年デビューした新人アイドルグループの成功率を見ても、市場の変化はたやすく感知できる。今年11月までにデビューした約40組のアイドルグループのうち、ファンの注目を受けたグループはそう多くない。SMエンターテイメントの絶大なファン層の支持を受けたEXO(エクソ)、そしてB.A.P(ビーエイピー)が辛うじて“合格点”をもらった。

彼ら以外ではJUNIEL(ジュニエル)『illa illa』、Ailee(エイリー)『HEAVEN』、イ・ハイ、Busker Busker(バスカーバスカー)『桜エンディング』 などのように個性の強い音楽を前面に出したボーカリストとバンドの成績の方がはるかによい。


歌手のイ・ハイ。

<ヤン・ヒョンソク「5年周期論、アイドル市場終わった」>

韓国大手芸能事務所YGエンターテインメントのヤン・ヒョンソク代表は、最近、韓国日刊スポーツの取材で歌謡界の「5年周期論」を取り出した。ヤン代表は「歌謡界ではパターンが繰り返される。5年周期で市場の流れが変わる」とし「アイドル市場の流行はすでに終わった。だから私たちから出す新人のカラーはこれまでのアイドルグループとは違ったものにする」と市場を予測した。

そのYGが出した新人歌手がイ・ハイだった。BIGBANG(ビッグバン)や2NE1(トゥエニィワン)といった華やかなパフォーマンスが看板のグループを相次いで成功させたYGは、ボーカル力を前面に出したイ・ハイでサクセスストーリーを書いている。エレクトロニックダンス一色だった歌謡界にレトロソウルと言う新鮮なジャンルを開拓し、消費者の好みの変化を正確に読み当てた。

もう一つ興味深いのは、イ・ハイの『1、2、3、4』をダウンロードしたファンの半数以上が30〜40代だという点だ。アイドルグループのファン層の絶対数を占める10代より20〜40代のファンの支持が、音源チャートにおいてははるかに重要な役目を果たしていることを示している。

このようにアイドル市場が限界に至ったとの分析が出て、芸能事務所は音楽的な変化で危機克服に打って出た。SISTAR(シスター)のソユは、Geeksの『Officially Missing You』でボーカルフィーチャリングで参加し、新しい音楽を聞かせた。またグループINFINITE(インフィニット)から出た初ソロ歌手ソンギュのプロデューサーは、インディーバンド出身のNell(ネル)が手がけている。芸能事務所ウルリムエンターテインメントは「消費者は今のアイドルグループの音楽を退屈に感じている。金太郎飴のように似通った音楽から離れ、新しいスタイルで“アイドルっぽい”固定観念を崩すために努力している」と説明した。

http://japanese.joins.com/article/226/163226.html?servcode=700§code=720

アイドルグループの低迷はここにも…視聴率が物語るその現状
2012年11月16日17時27分
[ⓒ ISPLUS/中央日報日本語版]


KBS(韓国放送公社)「青春不敗2」出演陣。左側からサニー、キム・イェウォン、スジ、ボラ、ジヨン。

アイドルグループの勢いの弱まりはTV芸能番組の視聴率からも読み解ける。

KBS(韓国放送公社)のリアリティー番組「青春不敗2」は今月17日の放送を最後に打ち切りとなる。人気ガールズグループのメンバーが主軸となり、漁村で青春民宿を営むというフォーマットだ。この番組もは、miss A(ミスエイ)のスジ、KARA(カラ)のジヨン、SISTAR(シスター)のボラ、少女時代のヒョヨン、JEWELRY(ジュエリー)のキム・イェウォンら人気アイドルグループのメンバーが大勢出演したが、視聴率で苦戦した。

10日の視聴率は3.7%(全国、AGBニールセンメディアリサーチ調査)にとどまった。約1年余りに割ったって放送された期間中の平均視聴率も4.8%だった。一部からは「視聴率低迷による打ち切りではないか」との疑惑もささやかれていた。これに対してKBS側は「構想段階からメンバーのスケジュールや製作環境を考慮して1年の放映期間を計画していた」と釈明した。

『青春不敗』だけではない。過去数年間、アイドルグループの人気によってスタートした番組すべてが視聴率低調に悩まされている。2010年7月〜2011年5月、似たような時期に放映されたMBC(文化放送)の「花束」、SBS(ソウル放送)の「英雄豪傑」(「日曜日が好き」の2部コーナー)の平均視聴率もそれぞれ4.8%、6.9%だった。人気アイドルメンバーを据えるだけでは視聴率を確保できないということだ。

最初は新鮮だった企画がそっぽを向かれる場合もある。MBCが2010年の秋夕(チュソク、中秋)にあわせて企画した「第1回アイドルスター陸上選手権大会」は、アイドルメンバーがさまざまな陸上種目を競う奇抜な内容で15%程度の高い視聴率を見せた。しかしその後、同じようなコンセプトの放送が名節ごとに繰り返され、視聴者から「食傷気味」という反応が出るまでになった。

今年の夏のオリンピック開催ごろに放映された「アイドルスター・オリンピック」の視聴率は6.4%(1部)、7.9%(2部)だった。超有名アイドルのメンバー100人が総出演して受け取った成績のわりには、あまりにもみすぼらしいものだった。

http://japanese.joins.com/article/307/163307.html?servcode=700§code=740

*1:したがって、ここではアイドルが標的になっていますが、相対的に持ち上げられているソロシンガーなども、またアイドルと同様にしばしば叩きの対象となるユジェソクやカンホドンを筆頭とする芸能人も、時と場合によっては同じ扱いを受けることになります。