中国LCCとして日本路線を運航してきた春秋航空が、成田空港を拠点にして日本国内線に参入するというお話。路線の候補として挙がっているのが、熊本・高松・広島といったところのようです。
成田の国内線のショボさは言うまでもないところですが、現時点で熊本・高松は成田便ゼロ、広島が1日2便を数えるのみです。とすれば、成田空港としてみれば、日本国内の国際線利用者の掘り起こし策としてこうした路線への新規就航は歓迎されるものでしょうね*1。
一方の「地方」側からすれば、「東京へのアクセスに(羽田ではなく)成田を使う」という不便を、LCCが価格その他の面でどれだけカバーしてくれるか、という点にも関心が集まるでしょう。そこに挙がっている3空港も、羽田便はかなり飛んでいるわけですから。
そう考えてみると、この話、成田空港および「地方」在住者(特に東京行き航空路線が少ないところ)は関心を持つでしょうけど、「成田経由・LCC利用で日本国内各地に移動する」というスタイルがもっと定着しない限り、首都圏在住者にはあまり関係ないかもしれません*2。
国内LCCの低価格競争過熱 中国・春秋航空、日本参入を正式発表
SankeiBiz2013/5/9 07:25
日本の国内線に参入を検討する春秋航空の旅客機中国の格安航空会社(LCC)、春秋航空(上海市)は8日、日本法人「春秋航空日本」(千葉県成田市)を通じ、日本の国内線事業に参入する計画を正式発表した。近く国土交通省に事業認可の申請を行う方針。就航開始時期は、当初は今年秋を目標にしていたが、運航の安全体制づくりに万全を期すため、早くても年内、または2014年中にずれこむ見通しだ。
東京都内で会見した春秋航空日本の鵜飼博社長は、日本の国内線計画について、国交省への申請前を理由に「(詳細は)改めて発表する」と明言を避けた。関係者によると、成田空港をハブ(拠点)空港とし、熊本や高松、広島などへの国内路線の就航が候補として浮上している。
春秋航空が日本の国内線事業に参入するには、日本法人の株主構成で、国内法の外資規制(出資比率3分の1未満)をクリアする必要がある。これについて、王●(ワン・ウェイ)・春秋グループ日本代表は「日本の投資家から資金調達のめどが立った」と語り、問題ないとした。
国交省が認可すれば、LCCの国内線参入は、昨年のピーチ・アビエーション、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパンの国内系3社に続き、春秋航空日本が4社目になる。
一方、春秋航空日本は、国際線についても14年以降に成田発着便を運航する計画。「中国の地方都市とも結びたい」(王日本代表)考えだ。現在は中国本社が3路線(上海−茨城、高松、佐賀)を運航しているが、これも増便や関西空港発着の新規路線就航を検討している。一部報道にあった“日本撤退論”は否定した。王日本代表は「中国の海外旅行需要で、日本は魅力的な市場だ」と強調。同社便を利用する中国からの訪日客を5年以内で年間30万人に引き上げる目標を示した。
春秋は10年就航の上海−茨城線で片道運賃を最安値4000円で提供する“激安航空券”で話題となった。同社の国内線参入が実現すれば、空の低価格競争がさらに過熱しそうだ。 ●=火へんに韋
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20130509-00000501-biz_fsi-nb