【和歌山の風景】今福霊園(旧・今福共同墓地)

平和会館・忠霊塔の裏手に広がっているのが、今福霊園。長らく「今福共同墓地」と呼ばれていたこの市立墓地、2015年4月に改称されたそうです。

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忠霊塔のすぐ後ろに見えているのですが、そこに行くには住宅街の道をグルっと迂回する必要があります。

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そんな回り道がめんどくさいという方には、ショートカットも可能ではあります。ご判断はお任せします。止めはしません。

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忠霊塔の側からは上のブロック塀だけが見えますので、石垣の分、忠霊塔側と道路側との間に段差があることになります。これはもともとの地形を反映しているようで、旧陸軍墓地は石垣の分だけ一段高くなった東側に広がっていました。

ついでに言えば、戦前の地図(「大日本者神國也」の該当ページを参照)を見ると、共同墓地は現在の今福霊園の西隣に半分ほどの面積で広がっているのが見えます。どうやら戦前戦中戦後のどこかで墓地の移転拡張があったようです。旧共同墓地があった場所には現在、県営団地や住宅地・町工場などがあります。

で、この今福霊園、つい最近まで今福共同墓地と呼ばれていたこの墓地ですけど、道路に面したところにはかなりの傾斜がある丘陵地です。

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ただ、これ…単に斜面というだけでなく、ものすごく柔らかい砂地ですよ。歩くだけで靴がめり込み、ぐずぐずに崩れるような、砂浜並みの地質です*1

横倒しの木がたくさん見えますけど、これは倒木ではなく、崩落止めの柵の役割をしています。

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これだと、丘の上の平坦な部分はまだいいとして、斜面の墓域は不安定極まりないと思うんですけど…。下手すれば、遺骨も墓石も流されかねないですよ。

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でもここは、無縁墳墓の改葬があちこちで進められている一方、新規の募集もけっこう出ています。そういう需要と供給とがあるということは、現役の市立墓地として今もちゃんと機能しているということです。

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ちなみに正門と管理事務所は、敷地の北側にあります。住宅地の中にあって特に嫌悪されることもなく存在しているようなその佇まいは、忠霊塔や平和会館とも共通しています。

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春分の日・今福共同墓地で彼岸の墓参り(写真付)
2014年03月21日 18時21分 ニュース, 社会

春分の日のきょう(21日)は彼岸の中日とあって、和歌山県内の寺院や墓地では、朝から多くの家族連れらが先祖の墓参りに訪れる姿が見られました。

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妻の墓前で手を合わせる藪下重行さん(3月21日・和歌山市・今福共同墓地にて)

このうち、和歌山市の今福(いまぶく)共同墓地では、冷たい北風が吹くなか、多くの家族連れらが、墓の周りに生えた草を抜いたり花や菓子などを供えたりして、先祖の霊に手を合わせていました。

22年前に亡くなった妻の墓参りに来たという、和歌山市の藪下重行(やぶした・しげゆき)さん84歳は「高野マキを墓に供えました。妻が早く亡くなった分、私が長生きして墓参りをしてあげたいです」と話していました。

http://wbs.co.jp/news/2014/03/21/39483.html

今福共同墓地無縁遺骨収蔵施設設計 | 「和歌山の建築設計事務所・環境建築計画のブログ」

*1:この「今福」の北には「砂山」という地名も見えますので、この一帯は広く砂地の地質なのだと思われます。