文在寅の韓国、5月は「5.18」、6月は「6.10」が象徴する。

就任直後、光州の「5.18」を迎えたのに続いて、今月は「六月民主抗争」となるわけですか。外交や経済の問題はそれとして、韓国現代史の歴史認識については、今までにないくらいハッキリした変化が見えますね。

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韓国、民主化抗争から30周年 文大統領が格差解消訴え
ソウル=武田肇 2017年6月10日20時05分

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民主抗争30年の記念式典で演説する文在寅大統領=10日午前10時28分、ソウル市庁前、武田肇撮影

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民主抗争から30年の記念式に参加した李鐘昌さん=ソウル・鍾路区、武田肇撮影

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民主抗争のさなかの1987年6月、ソウル・延世大学のデモで催涙弾の直撃を受けた仲間を抱きかかえる李鐘昌さん(中央)。仲間の李韓烈さんは約1カ月後に死亡し、当時の政府への怒りが広がるきっかけになった(李韓烈記念事業会提供)

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文在寅大統領が演説した民主抗争30年の記念式典=10日午前10時26分、ソウル市庁前、武田肇撮影

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は10日、大統領直接選挙を実現させた1987年の「6月民主抗争」から30周年の記念式典で演説、「制度としての民主主義が揺らいで後退することはもうない。私たちの新しい挑戦は、経済における民主主義だ」と述べ、韓国社会が抱える経済的不平等の解消に向けて国民の結集を呼びかけた。

 6月民主抗争は、全斗煥(チョンドゥファン)政権の独裁に反対し、大統領の直接選挙を求めて全国に広がった民主化運動。盧武鉉ノムヒョン)政権下の2007年、国家記念日に指定されたが、保守系李明博(イミョンバク)、朴槿恵(パククネ)両政権は重視せず、大統領の式典出席は盧氏以来10年ぶりとなった。

 演説で文氏は「(朴氏の弾劾(だんがい)を求めて市民が直接行動した)ロウソク革命は、一世代かけて成長した6月抗争が咲かせた花だった」と述べ、朴氏の罷免(ひめん)によって政治の民主化は完成に近づいたとの自信を示した。その上で「所得と富の深刻な不平等が韓国の民主主義を脅かしている」と述べ、企業、労働者、市民社会がともに雇用問題に取り組むよう呼びかけた。

 文政権は経済政策の目玉として、公務員を中心とした81万人の雇用確保や、非正規職の正規職への転換などを掲げるが、多額の税金投入が必要で、経済原理に基づかないとして野党や経済界から反発を受けている。国民の再びの直接行動を促すことで、突破口を求めた形だ。

■当時の元学生も式典に参加

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は10日の演説で「歴史を変えた青年らを永久に記憶する」と述べ、ソウル・延世大学のデモで催涙弾の直撃を受けて亡くなった李韓烈(イハニョル)さん(当時20)らの名前を挙げた。当時、倒れゆく李さんを学友が抱きかかえる瞬間をとらえた写真は、国民に衝撃を与え、全斗煥(チョンドゥファン)政権が大統領の直接選挙を含む現行憲法を容認する契機の一つとなった。

 式典には李韓烈さんの学友、李鐘昌(イジョンチャン)さん(51)が招かれ、文氏と握手を交わした。外国メディアでは初めて朝日新聞の取材に応じた李氏は「当時は独裁政権言論の自由もなく、弾圧に勝ち抜くために学生も暴力を使わざるを得なかった。ところが(朴槿恵(パククネ)前大統領の弾劾(だんがい)を求めて市民が大規模集会を重ねた)『ロウソク革命』では、暴力を一切使うことなく、平和的に政権交代が実現した。韓国の民主主義はまだ完成していないが、当時の若者たちが夢見た国がようやく実現した」と話した。(ソウル=武田肇

http://digital.asahi.com/articles/ASK6B4K0DK6BUHBI014.html

6月6日の顕忠日が否定されたり無視されたりといったことはありませんけど、重点の置き方は今後、明らかに変わって来るでしょう。

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この方面では、というか、この方面こそ、保守と進歩の間の政権交代の効果がストレートに表れるということになりそうです。混乱もあるでしょうが、こうした揺れ動きは基本的にそんなに悪いことではないように思います。

6月抗争記念式、10年ぶりに政府と市民が共に参加
登録 : 2017.06.10 05:01 修正 : 2017.06.10 07:36

慶雲洞から東学農民軍、タプコル公園から3・1万歳軍
西大門から4月革命軍、ソウル駅から5月市民軍
明洞聖堂から6月抗争軍、孝子洞からろうそく市民軍

今日、民衆の歴史が蘇る

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6.10民主大同祭の行進経路//ハンギョレ新聞社

 「護憲撤廃、独裁打倒、民主憲法獲得」を掲げた6・10民主抗争30周年を記念するため、10日、全国各地で様々な記念行事が開かれる。特に、今年は6月抗争の中心だったソウル市庁前広場で初めて記念式が行われ、市民社会団体が10年ぶりに政府の公式行事に参加することにし、さらに意義深い祭典の場になることを、民主化運動記念事業会側は期待している。

 今回の「6・10民主抗争記念式」のテーマは「記憶」と「誓い」だ。1987年6月抗争の歴史的意味を記憶し、これから真の民主主義に向けた前進を誓うことを目標に、過去と未来をつなぐ象徴的な行事が公式記念式前後に多彩に開かれる。

 特に、10日午後2時からソウル各所では、「民主市民大同祭-6・10大騒動」フラッシュモブが行われる。 市民参加者たちはそれぞれ東学農民軍、3・1万歳軍、4月革命軍、5月光州(クァンジュ)市民軍、6月抗争軍、弾劾ろうそく市民軍の6つのグループに分かれて市民抗争を象徴する様々な場所から出発し、ソウル広場に向けて行進する。

 東学農民軍は、ソウル鍾路区(チョンノグ)慶雲洞(キョンウンドン)天道教水雲会館から「民主・民生・平和、THAAD(高高度防衛ミサイル)去って平和よ来い、労働者・農民の生存権保障」などのスローガンを書いた輓章旗(のぼり)を掲げて行進し、3・1万歳軍はソウル鍾路区タプコル公園から「慰安婦合意無効、平和統一を達成しよう」などのスローガンを叫びながら行進する。4月革命軍は、ソウル西大門区(ソデムング)ヒョン底洞(ヒョンジョドン)にある西大門刑務所前から出発し、5月光州市民軍はソウル駅から出発して「民主主義の守護」などのスローガンを叫ぶ予定だ。6月抗争軍ははちまきをした学生や作業服を着た労働者に扮し、「護憲撤廃、独裁打倒、最低賃金1万ウォン(約千円)の獲得」などのスローガンを叫ぶ。

 最も最近の市民抵抗を象徴する弾劾ろうそく市民軍は、大統領府近くのソウル鍾路区青雲孝子洞(チョンウンヒョジャドン)住民センター前から出発し、「セウォル号の真実の引き揚げ、財閥改革・マスコミ改革・検察改革」など、現在進行中の市民社会の要求事項をスローガンとして叫ぶ予定だ。また、米軍装甲車事故で亡くなったヒョスン・ミソンさんを追悼するスローガンも一緒に掲げる。主催側は「歴史的な脈絡に関係なく、すべての行進隊列が『セウォル号の真実の引き揚げ』のスローガンを叫び、過去の象徴的な市民抵抗が現在の歴史と民主主義の課題として自然につながるようにする予定」と明らかにした。

 ソウル広場で開かれる記念式では6月抗争を象徴する民衆歌謡の「広野にて」が斉唱される予定であり、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長も原曲の歌手であるユン・ソンエ氏と共に「その日が来れば」を歌う。これまで朴鐘哲(パク・ジョンチョル)・李韓烈(イ・ハンヨル)烈士の影で大きく注目されなかったファンボ・ヨングク、イ・テチュン烈士を称える場所も別に用意される。若者と高校生らが一緒に1987年6月抗争と今回の「大統領弾劾ろうそく集会」の意味を振り返りながら、韓国社会の未来について論議するコーナーもある。

 同日、ソウル広場の記念式には、チョン・セギュン国会議長をはじめ全国民主化運動遺族協議会、全国民族民主遺族協議会、6月抗争継承事業会、4月革命会、女性団体、労働団体など全国の市民社会団体のメンバーたちが大挙参加する。また、一般市民と学生を含めて合わせて5千人以上が参加するものと予想される。

 記念式はソウル市庁前広場以外に釜山(プサン)や光州、城南(ソンナム)、原州(ウォンジュ)、木浦(モクポ)、大邱(テグ)、安山(アンサン)などの全国各地でも開かれる。6月民主抗争30周光州全羅南道行事委員会は10日午後6時、光州広域市の錦南路(クムナムロ)にある旧全羅南道道庁前5・18民主広場で記念式を開く。同日の行事は1980年5月光州と6月民主抗争、ろうそく革命が一つの流れにつながる歴史ということを記念する意味を持つ。6・10抗争30周年を記念する石碑も10日、大邱慶尚南道昌原(チャンウォン)、全羅南道木浦など、各地に建てられる。6・10抗争は2007年5月、国家記念日に指定された。

ホ・ジェヒョン、キム・ギュウォン記者

韓国語原文入力:2017-06-09 23:14
http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/798199.html 訳H.J(2053字)

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/27591.html

タプコル公園の隣に3・1運動記念館建設へ
登録 : 2017.06.09 22:32 修正 : 2017.06.10 07:28

3・1運動100周年に合わせて三一大路の歴史復元
タプコル公園の北東側には三一運動記念館建設
4個の門をすべて開きタプコル公園・周辺活性化
天道教中央大教堂も開き記念空間に

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ソウル市は、タプコル公園の3.1運動当時の姿を回復し、さらに開放的に運営する計画だ=写真/ブルーオーシャンファーム//ハンギョレ新聞社

 3・1運動100周年をむかえ、タプコル公園周辺に3・1運動記念館が建設され、タプコル公園は当時の姿のとおりに復元され市民に開放される。

 9日午後、ソウル市はソウル鍾路区(チョンノグ)の天道教中央大教堂で「三一大路(サミルデロ)シンポジウム」を開き、このような計画案を発表した。ソウル市の計画案によれば、タプコル公園北門のすぐ外側に土地787平方メートル、延建築面積3900平方メートル規模の「三一運動100周年記念館」を建てることにした。ソウル市は現在、企画財政部が所有するこの土地を無償で使うか、ソウル市の土地と交換するために4月に企画財政部に建議した。

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日帝時代、独立運動の中枢的役割を果たした天道教の中央大教堂=写真/ウィキペディア//ハンギョレ新聞社

 3・1独立宣言の現場であるタプコル公園も、考証を通じて当時の姿に復元し、出入りをさらに自由にする方案を推進中だ。現在は南側の正門と西門だけが開かれているが、北門と東門も開いて東西南北から出入りできるようにするということだ。特に3・1運動100周年記念館が建てられれば、北門の開放は必須だ。歴史復元と開放は狭苦しいタプコル公園のイメージを改善し、タプコル公園の北東側地域の活性化にも役立つと予想される。

 3・1運動で中枢的役割を果たした天道教の中央大教堂もより開かれた空間に改善する。 まず天道教側との協議を通じて、中央大教堂の塀を取り払い、広場と道路を統合・開放する。中長期的には、水雲会館の低層部を3・1運動と天道教独立運動を見せる記念空間に変える方案も天道教側と協議する計画だ。

 この他に、三一大路周辺の重要な歴史的空間である雲ヒョン宮、洋館、校洞小学校、西北会館跡、朝鮮建国同盟跡、勝洞教会などを踏査するコースを作り運営する計画だ。

キム・ギュウォン記者

韓国語原文入力:2017-06-09 16:28
http://www.hani.co.kr/arti/society/area/798158.html 訳J.S(1029字)

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/27585.html