なるほど、そういうお寺があるんですね。
北朝鮮に関連すると思われる墓地ということで、私は韓国の「敵軍墓地」のことを思い出しました。
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その後、中国軍人の遺骨については返還作業が進められましたが、北朝鮮軍人についてはそのままになっているはずです。こちらもまた、当面は動きがあるとも思えません。
北朝鮮漁師?を弔う寺 戒名なき骨つぼ、足りぬ仮安置場
石川春菜 2017年12月29日09時02分
仮安置している骨つぼの前で読経する小嶋良宣住職=秋田県男鹿市
漂着した木造船には靴などが残されていた=12月18日、秋田県男鹿市日本海を見下ろす秋田県男鹿市の丘に、引き取り先のない遺骨を納める無縁墓がある。この冬に相次いで漂着した北朝鮮の漁師とみられる身元不明の遺体はここで弔われる。墓を訪れる人はほとんどおらず、引き取られるケースもまれだ。住職は、異国の地で葬られた人々の祖国での厳しい暮らしに思いをはせる。
「こんなに身元不明遺体が多い年は今までなかった。何が起こってるんだろう」。年の瀬を迎え、無縁墓がある男鹿市の曹洞宗洞泉寺(とうせんじ)の小嶋良宣住職(62)は思う。お堂で毎日、納骨前のお骨を前に読経している。骨つぼの覆いに戒名は書かれていない。「供養する気持ちは、外国人でも日本人でも同じ」と言う。
市内の海岸には例年、数人の身元不明の遺体が漂着してきた。今年は計13人。11月26日に漂着した木造船の中から一部が白骨化した8人の遺体が見つかり、12月7日には別の場所で一部が白骨化した2人の遺体が発見された。
洞泉寺では、先代の1960年ごろから市内で見つかった身元不明遺体を、市から委託されて供養してきた。市が火葬後、骨つぼを納骨まで1年ほどお堂の片隅に仮安置する。今年は13人分で仮安置の場所が足りなくなり、遺骨を載せるテーブルを増やした。
市福祉事務所によると、これまで北朝鮮に戻った遺骨は、2013年の1柱だけ。北朝鮮の朝鮮赤十字会から日赤を通じて市に遺骨の返還要請が寄せられ、代理人の在日本朝鮮人総連合会に引き取られたという。
市内では1981年、北朝鮮系工作員と見られる男らが見つかり、うち1人が県警に外登法違反容疑で逮捕された。小嶋さんによると、十数年前には、漁に出た人が船を残していなくなる事件が何度か起こったといい、北朝鮮は身近な問題だ。
でも、小嶋さんは木造船漂着のニュースに触れ、「よくあんな船で漁に出るもんだなと。家族もあるだろうに。かわいそうだ」と感じている。「できれば、自分が信じていた宗教で埋葬されるのがいいんだろうけれどね」(石川春菜)
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〈漂着遺体の扱い〉 海上保安庁が今年確認した北朝鮮籍とみられる木造船の漂流・漂着は103件(28日正午現在)で、遺体は35人にのぼる。遺体は身元不明の「行旅(こうりょ)死亡人」として、引き取り手のない遺体を自治体が埋葬するよう定める「行旅病人及行旅死亡人取扱法」=厚生労働省所管=に基づき火葬される。一般的に遺骨は寺などに一定期間安置された後、自治体の無縁墓地などに埋葬される。北朝鮮の朝鮮赤十字会から日赤を通じて遺骨の返還要請があれば、代理人の朝鮮総連に引き取られることもある。男鹿市に11月26日に漂着した8人の遺体については、日赤から問い合わせを受けた市が19日、船体に書かれた番号や遺留品、身長などの情報を提供したという。
一方、漂着した木造船は一般的に警察などの捜査の後、海岸を管理する自治体に引き渡され、海岸漂着物処理推進法=環境省所管=などに基づいて一般廃棄物として処理される。