【熊本の風景】花岡山招魂社
先月末に訪れた熊本の話でも。
この熊本駅舎、再開発にともなう建て替えでもうすぐ見ることができなくなるみたいですね、2階以上にあった飲食街もほとんど営業終了していました。
熊本駅と周辺を大規模再開発 JR九州と熊本市
2017/11/8 19:30JR九州と熊本市は8日、JR熊本駅と駅前広場の再開発の概要を発表した。JR九州は延べ床面積10万7000平方メートルの大規模複合施設を建設し、2021年春に開業させる計画。熊本市は駅前広場のバスやタクシー乗り場の配置を見直す。機能的で開放感があり、災害対応拠点にも活用できるようにする。
JR熊本駅前の大規模再開発のイメージ複合施設は地上12階、地下1階建て。商業施設や200室のホテル、結婚式場、映画館を設ける。ホテルを除いた商業店舗の面積は3万7000平方メートル。JR九州の駅ビルでは博多駅に次ぐ規模で、鹿児島中央駅や大分駅を上回る。外壁には熊本城の色使いから着想した趣向を凝らす。800台を収容できる立体駐車場も建設する。
青柳俊彦JR九州社長によると、鹿児島中央駅や大分駅の商業施設の売り上げは年200億円前後。熊本駅では「鹿児島や大分を上回るのを目標にする」という。熊本で最も高い高層マンションを建てる意向も示した。総投資額は今後詰める。
熊本市は駅前広場で広い空間を確保する一方、バスなどの乗降場までぬれずに移動できるようにする。駅前の既存の大屋根は解体する。大西一史市長は「にぎわいと交流を演出する」と強調した。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23255090Y7A101C1LX0000/
さて、熊本の中心部・市街地からはいささか外れたところにある熊本駅ながら、今回の第一目的地・花岡山へはかなり近いところにあるんですよね。散歩ついでに訪れることができる程度です。ちなみに高低差はそれなりにあります。
地図ではやや広めのくねくね道が表示されますが、この下の山腹に、山上にある花岡山公園のすぐ近くまでまっすぐ通じる道がついています。まあ、ハッキリ言えば、墓地の中の通路です。
おおむねこんな感じの風情ある墓地を抜け、車道に出て鋭角に折れると、招魂社の鳥居が見えてきます。明治初年、熊本藩主によって建立された招魂社は当初、この地にありました。
あー。最終的な管理責任者は藤崎台にある熊本県護国神社なんですけど、これは何というか、ずいぶんと荒れてしまってますねえ。
拝殿は、この向こうに見えていますが…。
ここまでくるともう、荒れてるとかそういう問題ではありませんね…。辛うじて保たれているのは、正面からの見た目だけです。
もちろん、こんな状態が戦後長らく続いているわけではありません。これはあの熊本地震の結果です。
毎年12月30日には例祭が行なわれているという花岡山招魂社のこんな状態を良しとする関係者は誰もいないでしょう。しかし、「地震からの復興において、その修復はどこまで優先順位のあることなのか」と問われたとき、それにどれだけ即答できるか。
そらーあんた、難しいですよ。
指定寄附金制度による熊本県護国神社御社殿等
修復費ご寄附のお願い先ずもって平成28年熊本地震において被災されました皆様へ謹んでお見舞い申し上げますと共に一刻も早い復旧復興を心よりお祈り申し上げます。
震源地である益城町周辺はもとより県内各地で甚大なる被害が発生し、当神社におきましても地盤沈下による御本殿の傾斜、捻じれによる拝殿の傾斜、境内各慰霊碑や記念碑、狛犬、玉垣の倒壊、また飛び地境内地である花岡山招魂社においては御本殿の倒壊、同鳥居も見るも無残な姿となってしまいました。
御高承の通り当神社は戦前は国家により祭祀祭禮や諸行事は斎行されておりましたが、戦後は新憲法が制定され第20条(政教分離)規程により、一民間法人によって運営されることになりました。しかしながら昭和40年頃までは多くの御遺族や関係者の皆様のご参拝により神社の運営も恙なく行われて参りましたが、時代と共に参拝者も少なくなり今後の神社運営も厳しいものがあります。
しかしながら、なつかしき故郷を離れ愛しの家族とも別れ、散華された方々に対し慰霊の誠を捧げることは、後に続く我々日本国民のつとめであると確信致しております。この諸事情をご賢察の上、広く各界よりのご奉賛の程宜しくお願い申し上げます。
また、ご奉賛頂戴致します際には、ご寄附をなさる方に対しての税制上の優遇がございます指定寄附制度適用の承認を受けておりますのでご活用下さい。
【修復工事内容】
①御本殿・拝殿の一部解体、修復
②慰霊碑(記念碑・玉垣)の修復
③鳥居基礎の補強
④社務所屋根の修復
⑤花岡山招魂社社殿の修復
⑥花岡山招魂社鳥居の修復
⑦社宅の壁面の修復工事費用総額 約80,000,000円
http://www.kumamoto-gokoku.jp/
とか言いつつ、最初にこの状況を見た時、地震の影響について思い至るまで少し時間がかかったんですけどね。鈍かったなと思います、我ながら。