【大邱の風景】大邱市立公園墓地・埋葬墓域

大邱市立公園墓地を訪れたお話のさらに続きです。

blue-black-osaka.hatenablog.com

追慕の家は墓地の端の方にあり、その目の前には埋葬(土葬)の墓域が広がっています。前回見た第1追慕の家は1974年の公園墓地開設とほぼ同時にできていますが、火葬率が1割もなかったはずの当時、そちらに納骨する人はごく少数であったに違いなく*1、こちらがこの墓地のメインであったことは容易に想像がつきます。

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他のところの埋葬墓域の様子を思い出しながらこの墓域を眺めていくと、まず非常に整った印象を受けます。それは、芝刈りや清掃がどうこうというのもさることながら、土饅頭の並びが整っている、というのがポイントです。縦横の列が揃っているというだけでなく、枯れ具合というか、摩耗具合というか、経年数に凸凹がないといった感じです。

ということはつまり、ある年代に順番に埋葬されたお墓が、そのまま出入りなく維持されている、ということではないでしょうか。途中で移葬によって掘り返され、新たな埋葬者が入って土饅頭が積み直された場合、そこには年代差によって生じる違和感が出てきたりするのですが、それがほとんどない。

必ずしもすべての土饅頭に見えるわけではない墓碑をいくつか拾い見してみると、おおむね1970年代*2です。ということは、1970年代の数年間を通して順調に埋葬されていったこの墓域は、満場後そのままの状態で維持されて現在に至る、と考えられます。

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大邱市のサイトによれば、こうした墓域の使用期間は30年、1回に限って15年延長可能で、合わせて45年という使用期限が切られています。これは大邱市の条例に基づく規定です。

설치기간
분묘의 설치기간은 30년으로 하되 1회에 한하여 15년 연장할 수 있다.(최대 45년)
설치기간 만료일로부터 3월 이내에 연장 신청하여야 함
합장묘의 설치기간은 합장하는 시점으로부터 30년으로 한다. 단, 기존 분묘의 설치기간과 합장묘의 설치기간을 더한 기간은 60년을 초과할 수 없다.

http://www.daegu.go.kr/welf/index.do?menu_id=00001041

대구광역시 장사시설의 설치 및 운영 조례 - law.go.kr

제19조(분묘의 설치기간 등) ① 공설묘지에 설치된 분묘의 설치기간은 30년으로 하되 설치기간이 경과하여 연장을 신청하는 경우에는 1회에 한하여 그 설치기간을 15년으로 하여 연장하여야 한다. <개정 2016. 10. 31.>

② 봉안평장묘의 설치기간은 30년으로 한다. <신설 2016. 10. 31.>

③ 합장묘의 설치기간은 합장하는 시점으로부터 30년으로 한다. 단, 기존 분묘의 설치기간과 합장묘의 설치기간을 더한 기간은 60년을 초과할 수 없다. <신설 2016. 10. 31.>

④ 제1항의 규정에 의하여 분묘의 설치기간을 연장하고자 하는 경우에는 분묘의 설치기간 만료일부터 3월이내에 시설관리자에게 분묘설치기간연장신청서를 제출하여야 한다.[제2항에서 이동 <2016. 10. 31.>]

⑤ 제4항의 규정에 의한 분묘설치기간연장신청에 관하여는 「장사 등에 관한 법률 시행규칙」(이하 “시행규칙”이라 한다) 제13조의 규정에 의거 처리하여야 한다. <개정 2011. 10. 10., 2015. 3. 2., 2016. 10. 31.>[제3항에서 이동 <2016. 10. 31.>]

もしこの規定が厳密に適用されているとすれば、1974年開設でいま2020年、最大延長の45年であっても最初期に設置した墳墓であれば使用期限が到来しているはずです。が、撤去されたお墓の痕跡は特に目につきません。それ以前に、(追慕の家ではいくらでも見られる)更新手続きや管理料納付を案内する貼り紙なり立札なり看板なりも一切見えません。

今のところの話かもしれませんが、これたぶん、まだ何もやってないんとちゃうかなあ(やってたらゴメン)。

まあ、火葬率が上昇を続け、納骨すら制限されている大邱で、今どき土葬でここに新規で葬られることはなかなか考えられませんし、権力や小金を持った層がそれを使ってここに入ろうとすれば「甲の横暴」として叩かれるのは必定です。

というか、今後もし、追慕の家を増設したり、他でもやってる自然葬地を整備したりしようとすれば、真っ先に候補に挙がるのはこの墓域でしょうから。「無理して入ったところで、落ち着く間もなく掘り返されるかも知れない」となれば、そこに敢えて入りたいとも思わないんではないですかね。

といった感じで、結果として放置されてるんではないでしょうか。おそらく、あと数年もすれば、条例上はほとんどの墓域の最大利用期間を超えるでしょうし*3、そうなったら新しい動きが出てくるかもしれません。

とは言っても、あくまで現地を見て考えた限りでの仮説なので、ホンマかどうかは知らんけど。

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*1:しかもおそらく様々な「訳あり」率が高く、一般人からは忌避される葬られ方であったと思われます。

*2:一部1960年代以前のものがありますが、これは他所からここに移葬されたものと思われます

*3:ただし、2001年の葬事法制定以前に設置された墳墓の扱いには、法的に微妙なところも残ります。でもまあ、無縁化した墓地については合葬整理、縁故者がいる場合でも火葬して移葬するといった方策で、だいたいは「処理」可能だと思います。多くの先例も既にありますし。