これは、周りにも読んでもらいたくなるいい記事。そやねん、その通りやねん。
頑張るときは頑張ればいい。でも、毎日3食手抜きせず、なんてやる必要はない。しんどい時、手を抜くときがあっていい。外食が何でもかんでも贅沢になる時代でもなし、今どき惣菜や冷食を避ける理由もない。
「それがいややったら、自分でやり!」と言い放ってもよい。やらんヤツ、できんヤツに文句言う資格はない。
手抜きだろうが出来合いだろうが、自分のために用意してもらったことには感謝して、口出したかったら一緒に手も出して、教えて教えられて手分けして。
3食つくるのは僕でもしんどい コウケンテツさんの発見
聞き手・才本淳子 2020年5月31日 8時00分新型コロナウイルスの感染拡大は、私たちのくらしや社会を大きく変えました。直面する不安に、どう向き合い、乗り越えていけばいいのか。各界で活躍する人たちに尋ねました。
朝ご飯が菓子パンの日も
僕の生活もずいぶんと変わりました。緊急事態宣言が発令され、3人の子どもは学校や保育園に行けず、イベントなどは中止。リモートワークになりました。妻はマネジャーで共働きです。家で3人の子どもをみながら、撮影も自宅でするようになり、普段より負担は増えた。毎日がドタバタでした。
料理研究家。ユーチューブチャンネル「Koh Kentetsu Kitchen」を開設。著書に「コウケンテツのだけ弁」(扶桑社)など多数。テレビ番組「たべごころ」(RKB毎日放送)にも出演中。
外食はできないし、出前もお総菜も限られる。多くの人が料理をせざるをえなくなった。「作るのがつらい」。聞こえてきたのは、家庭で料理を担う追い込まれた人の声。それは女性、特にママたちでした。以前からそうだったと思いますが、改めて食卓の負担が、一人にかかりすぎている、それが露呈したと思います。
家族のために3食をつくるのは、料理が生業の僕でもしんどい。僕は以前、「手料理が子どもの未来をはぐくみます」なんて言ってました。本当に謝りたい。毎日なんてできません。うちも朝ご飯が菓子パンのことも。子どもは案外喜ぶんですよね。長男と長女はサンドイッチや卵料理など、自分たちで朝食を用意することも増えました。パパやママが大変なのをみかねて、家事のお手伝いもしてくれるようにもなりました。
記事後半では、これからの食卓のあり方についても語っています。
日本の家庭は手料理をがんばりすぎかも
時間や心にゆとりがある時、食べたいものを作るのは楽しい。でも、毎日の食事作りってそうじゃない。献立を決め、予算内で買い物し、片付けまで。大仕事です。子どもと作る料理も大切にしていますが、それも余裕がある時だけ。
今回、料理を楽しむ人もいた一方で、しんどいと思った人も多かった。僕は料理の楽しさを伝えたいと思ってきたのに、レシピを発信するだけでは足りなかったのでは、ハードルをあげてしまったのでは、と考えさせられた。ユーチューブチャンネル「Koh Kentetsu Kitchen」を開設したのもそれが理由。材料は少なく手軽でおいしいレシピを紹介したり、寄せられたコメントを読みながら、日々の食について、みなさんとざっくばらんにお話しできる場を目指しています。
日本の家庭は手料理をがんばりすぎかもしれない。食卓は豊かで誇るべきものです。でも、世界をみると、料理をあまりしない国も。僕が訪れたフランスの共働き家庭は、平日にほぼ料理はせず、朝はパンにジャム、夜は買ったお総菜を置くだけでした。弁当だってパンにチーズとハムを挟んだだけとか。アジアも仕事帰りに屋台で買うのが当たり前。毎日、同じようなものを食べている家庭も多い。手料理が並ぶのは当たり前じゃない。
食卓はみんなでつくるもの。料理をしない人がテーブルセッティングと片付けを。そして、食べたら「ありがとう。おいしかったよ。ごちそうさま」は忘れないでほしいです。何を食べたかより、どう食べたか。インスタントでも「おいしいね!」と言い合えたらいい。冷凍食品や総菜が続けば、また、作りたくなるかもしれません。それでまた、手料理のよさにも気づくこともあります。メリハリです。家にいる時間が増え、いい意味でも悪い意味でも暮らしの中心が「食」になりました。身近な価値に気づく機会にもなったと思います。これを機に食卓のあり方を、もう一度、僕も考えたいと思っています。(聞き手・才本淳子)
なお、その相手との出会いについては管轄外なので、原秀則でも読んで自習してください。
部屋(うち)においでよ 文庫版 コミック 1-4巻セット (小学館文庫)
- 作者:秀則, 原
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: 文庫